東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 お待たせしました。

 阿求日記です。
 視点が増えてすいません。

 ただ、パチュリーと仲良くなるシーンは入れておきたかったとです。

 それでは、どぞ。


稗田阿求の日記 Б月

Б月∑(゚Д゚)ガーン日

 

 旧地獄。

 

 読んで字の如く、地底にある元々地獄だった場所。今は鬼や他の妖怪たちが住み着いている。

 

 そんな危険な場所にYパチュリーと萃香を連れて向かっていった参護さん。

 心配は尽きないのだけれど、同時に他のゆっくり妖怪達の世話を頼まれている以上、動けないのが悔しい。

 

 あそこには、萃香さんの古い友人という星熊勇儀さんが住んでいたはずだ。

 どうなるかは容易に想像できる。

 

 参護さん自身、銀色の闘気を得て以来、防御も治癒能力も上がったと言っていましたが、それでも怪我をすれば心配なんですよ。

 

 家で仕込みをしていたお酒の第一弾も持っていきましたし、宴会からの模擬戦、もしくは逆の流れが容易に想像できます。

 

 あと、少し前から紅魔館直通の扉が壁に設置されたそうで、案内された。

 見ると和風な参護さんの家には無い、洋風の飾り扉。

 さすがに、一般人である私があの扉を通る勇気はない。

 

 挨拶に行くのが礼儀なのかもしれませんが、さすがに何の自衛手段も無い私が行くのはいささか勇気がいる。

 

 参護さんが居る時にでも、付いて行って挨拶をすることにしましょう。

 

 

 

 

 

Б月┣¨キ┣¨キ(*´д`*)┣¨キ┣¨キ日

 

 今日、例の扉を通って紅魔館の魔女が来た。

 

 正直、ビクビクしながらの応対でしたが、意外にパチュリーさんは優しくて、色々と気遣ってくれました。

 

 あれ? 想像していた人柄と違いますね?

 

 今度大図書館の蔵書を読ませてくれると約束してくれましたし、良い人です。

 

 疑問だった人柄の違いはどうやら、Yパチュリーとの記憶が同期した影響とのことでした。

 

 魔法使いとかの、記憶の同期系統の術が使える者でないとならない現象とのこと。

 つまり、今パチュリーさんは私や参護さんとの触れ合いの記憶があり、どうしても悪い感情を抱けないのだそうだ。

 そういえば、Yパチュリーちゃんを一番可愛がっていたのが参護さんで、その次に私だったからその影響だろうか?

 

 なんというか、警戒気味にはなったけど、卓を囲んで食事やお茶をした。

 

 

 

 

Б月( ´Д`)-3ハァ…日

 

 今日はパチュリーさんが、色々な本を持って家に来た。

 

 さすがにYパチュリーちゃんの記憶があるだけに、私の趣味も全部知っているようだった。

 

 とりあえず、参護さんが今地底に行っていることを伝えると、心配そうにしていた。

 

 ああ、Yパチュリーちゃんの記憶があるのだから、鬼との戦いでどうなったかは知っているはずだ。

 確かに心配だろう。

 

 私もかなり心配だ。

 

 あの時の参護さんは相当ボロボロで、Yパチュリーちゃんと一緒にバタバタと治療したことは今でも覚えている。

 試しに話を振ってみた。

 

「片手と両足骨折でしたから、大変でしたね」

 

「その上、左腕の骨折が治り辛くて心配だったわ。今も若干動きが悪いみたいだし……」

 

 と心底心配そうな反応を返してくれた。

 

 感情も同期気味?

 だとしたら、私と同じ気持ちなのかもね。

 

「あら? もうお試しはいいのかしら?」

 

 気付かれてた。

 紅魔館の魔女相手に心理戦なんて無謀だったかな。

 

「貴女からしたら初対面だし、馴れ馴れしくて警戒するのも分かるわ。それでも、私は貴女に対して恩義にも近い感情を持っているの。それこそ、紅魔館のみんなの次に大切な人って認識があるわ」

 

 驚いた。

 想像以上に高い好感度に目を丸くしてしまった。

 

「これも彼女の記憶の影響だって認識してる。でも、彼女の記憶を探るうちに、貴女を大切な人だと思う感情が芽生えたのも事実。と言うか、参護さんに関して言えば、私自身も貴女と同じ感情を持っているの。心配で心配でたまらないわ……」

 

 心底心配そうに、吐き出すようにつぶやいた。

 

「そうですよね。何でも屋でお金を稼いでますが、参護さんの実力や知り合いの力を借りればまだまだ安全な、それこそ食事屋や内職なんかでも十分な収入が得られる計算なんですよ。それなのに危ない何でも屋なんかで……。本当に心配です……」

 

「なるほどね。何でも屋だから怪我も多いし、怪我が治ってくれば鍛錬鍛錬。全然自分の身体を労わらないんだから、余計に心配になるわよ」

 

 確かにそうだ。

 大怪我をしているのにすぐに鍛錬を始めようとする、あれは本当に自粛してほしい。

 

「そうですパチュリーさん! 昨日も言いましたけど、今回の依頼は地底、と言うことは萃香さんの旧友の鬼が居る場所なんですよ!」

 

「ああ、やっぱりそんな危険な所に行ったのね。萃香さんの伝手か何かで呼び出されたのでしょう? 彼女も悪い娘じゃないんだけど、少し参護さんへの怪我やセクハラが目につくわよね?」

 

「そうなんですよ! この前だって……!!!」

 

 こうして日記で会話を書き出してみたけど、参護さんの愚痴から距離が縮まっているこの現状。

 

 まぁ、いい友達が出来ましたしいいんですがね。

 

 

 

 

Б月(*゚∀゚*)日

 

 今日もパチュリーさんが家に来てたくさんお話をした。

 

 魔理沙さんが来て驚いていたけど、記憶の件を話したら納得したような表情をしていた。

 

 どうやら、似た魔法をアリスさんや魔理沙さんも開発していたらしく、同期しているらしい。

 まぁ、二人の場合はお互いの風呂だったり、ゆっくりたちの前でしてしまった痴態。

 赤ちゃん言葉とか、口に出たギャグとかがバレて苦しい思いをしたらしい。

 

 あ~、ふとした時に思い付いたギャグが口に出たりしますよね。

 そんで、それをアリスさんに知られて恥ずかしいと。

 

 あと、アリスさんの赤ちゃん言葉なんてレアなものを知った魔理沙さんもやり辛いそうだ。

 

 確かに、友人の赤ちゃん言葉なんてそう聞きたいものじゃない。

 

 パチュリーさんは一通り聞いた後につぶやいた。

 

「まだいいじゃない。彼が怪我してた時、下の世話をしてたの誰だと思うの?」

 

 その言葉でその場の空気が固まった。

 

 魔理沙さんが謝っていた。

 

 だけどその後で、興味津々に内容を聞いていた彼女は逞しいと思う。

 

 私も参加したけど……。

 

 

 

 

Б月∑(゚Д゚; )マジッ日

 

 昨日の意図しない暴露じみた話し合いがまだ頭に残っている。

 

 今日もパチュリーさんが家に来ていて、たくさん本を借りた。

 私も持っている本をいくつか貸してあげたけど、随分と気に入っていた。

 私の書いた本も持って行ったから気に入ってくれていると思う。

 

 こうやって、参護さんのことを想っている人物が集まると自然と会話は彼関連になる。

 

 今回は彼女のことだ。

 

「萃香さんってずっと参護さんについてますけど、やっぱりそうなんですかね?」

 

「私は直接見てないけど、彼女の記憶で知っているわ。……間違いないでしょうね」

 

 断言された。

 

 まぁ、私よりもYパチュリーちゃんの方が萃香さんのセクハラを目撃している回数も多いし、間近で見ているでしょうし、色々と分かるものもあるのでしょう。

 

「一度間違えて舐められた記憶があるし……」

 

「……」

 

 一段階上だった。

 どうしよう。

 

「彼女のセクハラもどこか慈しむような感情があったわね。どんなセクハラよって言われたら答えられないけど」

 

 確かにどんなセクハラなのかしら。

 

「彼女なりの愛情表現なんでしょう。私や貴女がする表現と違うだけで、彼女にとって普通の表現」

 

 そう言われてしまうと考えてしまう。

 

 鬼の強者を求める思考。

 惚れた相手への行動。

 

 もしかしたら私の幻想郷縁起にも追加すべき項目があるのかもしれない。

 

「まぁ、羨ましいのと絵的にもマズいからしっかりと怒るけどね」

 

 ごもっともです。

 

 

 

 

 

Б月( ;゚∀゚)アララ…日

 

 参護さんが帰ってきた。

 

 萃香さんに抱き付かれながら。

 

 私とパチュリーさんで別室に連れて行き、しっかりと説教した。人間の恋愛についてと、世間体やらも保つ必要があること、勝手に参護さんを地底に連れて行ったこと、チラッと聞いたけどまた鬼と戦ってきたらしいので、そのことも含めてしっかりと。

 

 終わる頃には夕暮れで、夕飯時だったのでそのまま食事を済ませた。

 

 パチュリーさんは頼もしい。

 理路整然と諭すような話をするので、萃香さんも何も言えない様になっていた。

 

 目指すところはそこね。

 

 

 

 

Б月(*´ω`*)ポッ日

 

 今日一日は家でゆっくりと養生すると言うことで、一日中家にいた参護さん。

 

 家事をしたり、本を読んだりしている中で一番時間を割いていたのが、座禅だった。

 

 波紋と気功をじっくりじっくり練り上げて混ぜ合わせている。

 

 その彼の傍にゆっくり妖怪たちが寄って行って、おしくら饅頭みたいになっていた。

 どうも、銀色の闘気から貰える力が彼女たちにとっていい食事になるらしい。

 パチュリーさんが言っていた。

 

 私としては、参護さんを中心にゆっくり妖怪たちが集まって寄り添うように眠っているあの姿なんて眼福ものだと思う。

 

 偶々いた文さんに頼んで何枚か写真を撮ってもらった。

 

 近々、パチュリーさんや萃香さんにも分けてあげよう。

 

 こういうモノは共有しないとね。

 




 知らず知らずのうちに、シークレット情報を暴露されている参護さん。

 まさか、Yパチュリー経由でばれるとは考えてすらいなかったでしょう。

 というか、可能性を完全に考えてないのでいつ気付くのかそれとも気づかされてしまうのか?

 悶絶ものでしょうw

 活動報告にてアンケートをしていますが、クロス物は難しいですね。

 両方知っている、なおかつその設定で興味を持ってもらえるか。
 難しいです。

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