東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 あと、UA50万達成!

 びっくりです。

 四か月ぐらいの期間でこんなに読んでもらえるなんて本当に感謝です。

 それではどうぞ!


火焔猫燐の日記 Λ月

Λ月(;^ω^)日

 

 お空がさとり様とこいし様の首だけの妖怪を拾って来て、結構時間が経った。

 

 さとり様は自分の姿を模しているせいか、捨てるに捨てられない気持ちなのだろう。

 一応、先月地底に来た人間が連れていた小さい妖怪も同じ種族だと思い、勇儀さんに聞いたところ、地上に海原参護という専門家がいるという話だった。

 

 地霊殿に二回も突き刺さったあの男の人だね。

 

 鬼と拳で戦ってたから絶対に死んだと思ったけど、意外にも二日後にはまた鬼と戦ってた人間をやめてるお兄さんだった。

 

 旧都まで運んだ時に身体を触ったが、全身にバランス良く付いた筋肉と、全身を巡っていた不思議な力がとても印象的だった。

 

 ああいう珍しいタイプの人は、死んだらきっとコレクションにふさわしい死体ができると思う。

 

 家の場所を覚えておけば、死んだ時に死体をお持ち帰りしやすいはずだ。

 

 妖怪だし、人間の寿命よりは確実に長く生きるし、あのお兄さんが死んだら亡霊にして地霊殿で暮らしてもらおう。

 お空も気に入っているみたいだし、明日はせっかくお兄さんの家に行くんだ。

 

 さとり様と一緒に楽しもうかな。

 

 

 

 

Λ月( ゚д゚ )ボー日

 

 お空が昨日からずっとサイゴさんサイゴさんって言ってたから誰かと思ったら、参護さんを勘違いしてたみたい。

 

 お兄さんの家は人里からも離れていて、かと言って妖怪の領域でもない、そんな絶妙な位置にあった。

 

 中に入ったらビックリしたね。

 

 あの時、お兄さんの身体に漲っていた力が家全体から発されていた。

 

 長い時間を要してあの力を土地や家に染み込ませるように毎日毎日使い続けなければこうはならないだろう。

 

 一瞬驚いたけど、家に入って居間に座った辺りからは慣れてしまった。

 

 体調は良くなるし、なぜか妖怪としての満足感? の様な物が満たされる感覚があった。

 

 妖怪としての満足感と言えば、種族としての行動と人間から得られる畏れから得られるモノだ。

 

 それをこの家は居るだけで徐々にではあるけど、満たしてくれる。

 

 さとり様も首を捻っていたし、気付いているのだろう。

 お空は……、気にしないで他のゆっくり妖怪という首だけの妖怪と遊んでいた。

 

 「スベスベしててキモチイイ!」って言ってたけど、そんなに気持ちいいのかしら?

 

 後で検証してみましょう。

 

 

 

 

Λ月(`・д・´)キリッ日

 

 昨日は客間の布団で寝たんだけど、とてもフカフカで日光を吸収しているのかほんのり暖かかった。

 

 地底では地熱やお空の仕事の関係で暑いぐらいだったから、地上は涼しくてやっぱり落ちつかない。

 

 ここで暖かい布団っていうのは本当にありがたい。

 

 気を抜いて猫形態で家を徘徊してたけど、他のゆっくり妖怪達は何というか警戒心が無い。心配になるぐらいだ。

 

 さとり様のゆっくり妖怪はあたい達に慣れるのですら時間がかかったというのに、ここの娘達はあたいが猫の姿で歩いていようと人の姿で歩いていようと、寄ってきてスリスリと頬を摺り寄せてくるのだ。

 

 さとり様のゆっくり妖怪はお兄さん相手には簡単に懐いてしまって微妙に敗北感を感じたけど、さすがはゆっくり妖怪の第一人者とまで呼ばれる人間だ。

 

 ゆっくり妖怪の秘密の様なモノを教えて貰った。

 

 ゆっくり妖怪とは元になった人物の願望や叶えられなかった姿、あり得た可能性の体現らしい。

 

 さとり様のゆっくり妖怪は、他人の心が読めるために他人が怖いという恐怖に支配されているらしい。

 こいし様は問題無いように見えるけど、一度も見失っていないのだ。無意識を操る能力で認識されない事が多いこいし様の望みなのかもしれない。

 

 お兄さんはずっとさとり様のゆっくり妖怪とコミュニケーションを取っていた。

 涙目でプルプル震えながら頑張ってお兄さんと対面しているさとり様のゆっくり妖怪を不覚にも抱きしめたい衝動に駆られたね。

 

 

 

 

 

Λ月( ̄ー+ ̄)キラーン日

 

 お空がなんか羨ましい、羨ましいって言ってたから何のことか聞いたら、こいし様がお兄さんの背中や足にくっ付いていて、羨ましいのだと言っていた。

 

 理解はできるけど、お空は身体が大人なのに思考が子供染みててハラハラする。

 

 お空の体型でそれをやったら、セクハラも良い所だろう。

 無自覚のセクハラ程たちの悪いものも無い。

 

 しかし、こいし様のゆっくり妖怪は無意識を操る程度の能力を自由に使えるらしい。

 

 頭の上に乗られてたり、お昼ご飯を食べられてたり、こいし様よりも自由に使いこなしている様は複雑な気分になった。

 

 小さい方の鬼が物足りなさそうにお兄さんを見ていたけど、もしかしたら抱き着きたいのだろうか?

 

 

 

 

Λ月(・3・)アルェー日

 

 明日には地霊殿に帰る予定だけど、お兄さんは今日もおいしい料理を作ってくれた。

 

 ゆっくり妖怪との遊び方も教えて貰ったけど、お手玉って中々に難しいことを要求する。

 普通のお手玉ならいざ知らず、ゆっくり妖怪達を下手に力入れて握っちゃって怪我させたら大変だ。

 

 何度か触ったり揉んだりしてたけど、とても柔らかくてスベスベモチモチで、ちょっと力加減を間違うと死んじゃいそうで恐い。

 

 さとり様はお手玉しつつ、ゆっくり妖怪達の心を読みながら接していた。

 実はさとり様、ゆっくり妖怪達と相性が良いのかもしれない。

 

 明日帰るのだけど、こいし様は帰ってくるのだろうか?

 いつも自由な方だから、地上にもよく出かけられるし、何日も帰らない時も多いから心配だな。

 

 こいし様のゆっくり妖怪はさとり様から離れることをしないから、行方不明になることは少ないと思うけど。

 

 

 

 

 

Λ月( ´Д`)ノ~バイバイ日

 

 今日で地霊殿に帰ってきたわけだけど、地霊殿に新しいペットが増えたのは嬉しい。

 

 こいし様のゆっくり妖怪はさとり様の部屋から出てこないし、さとり様のゆっくり妖怪は端っこにいるのが落ち着くのか、部屋の隅でまったりしている。

 

 二人とも早く地霊殿に馴染むといいな。

 

 お兄さんが持たせてくれたお弁当はさっき食べたけどおいしかった。

 普通の料理だけじゃなく、お弁当の様な時間が経つことが前提の料理もおいしいのはびっくりだ。

 

 こいし様のゆっくり妖怪をここに連れてくる時、お空の胸で窒息しそうになったのがトラウマなのか、お空から逃げるようになったのは仕方ないのかもしれない。

 

 さとり様のゆっくり妖怪はお空の胸に挟まれるのがお気に入りらしい。

 と言うか、お空に懐いている。

 

 こいし様のゆっくり妖怪はさとり様やあたいとよく一緒に居るから、さとり様とあたいに懐いてるのだと思う。

 

 お空からお兄さんが死んだら死体をコレクションするのかと聞かれたので、そうだと答えたら私にもたまに見せてね! と言われた。

 亡霊になればずっと一緒だからっていい笑顔で言ってたけど、人間からすれば死は忌避するべきことだから、お空はかなりおっかないことを言ってると思う。

 

 それもお空の魅力か。

 

 

 

 

 

Λ月(*´ω`*)ポッ日

 

 順調にゆっくり妖怪達は地霊殿に馴染んでいると思う。

 

 こいし様は一度帰ってきたようで、さとり様のゆっくり妖怪を連れてどこかへ行ってしまった。

 たぶん、お兄さんの所だろうけど。

 

 帰ってきたさとり様のゆっくり妖怪はフラフラだった。

 他人が怖いのに外に連れ出されたから気疲れしちゃったのかな?

 

 数日間、お兄さんの家にお邪魔して、あの暖かい力をもっと欲しいと思っている。

 

 妖怪は種族としての行動と、人間から受ける畏れの念が生きる糧だ。

 参護さんの家にいる間、両方ともしていなかったけど、不思議と充足した数日間だった。

 

 もしかしたら参護さんの力は妖怪達と人間達の関係を変える程のものなのかもしれない。

 

 さとり様も心なしか気分も体調も良さそうで、機嫌も良かった。

 

 こいし様のゆっくり妖怪と一緒に遊ぶのが何気に楽しいのだろう。

 

 あたいも適当に理由をつけてお兄さんの家に行くのもいいかな?っと計画中だ。

 

 さとり様が何も言ってこないという事は賛成なんだろうし、一緒に行けるようにしたいな。

 




 お燐のイメージはこんな感じなのですが、ご期待に添えなかったらごめんなさい。

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追記
 お燐の一人称を「私」から「あたい」に変更しました。
 指摘してくださった方、ありがとうございました。
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