東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 遅くなりました。

 熱帯夜に続く熱帯夜で調子を崩しておりました。

 クーラーなんて無い家だし、扇風機と冷風機で乗り切ります。

 お気に入りが4000件突破してました。
 ありがとうございます。

 忘れがちですが、ν=にゅーと読みます。
 これはνガン〇ムとかで有名ですね。



海原参護の日記 ν月

ν月(´ε`; )ウーン…日

 

 改めて、最近の定期的な仕事をまとめて考えてみた。

 

 紅魔館・永遠亭・地霊殿。

 

 この三勢力に対して定期的な仕事があり、月に何度か出張に行くのだけど、それぞれ月に三日ずつの訪問を基本としている。

 

 紅魔館はショートカットゲートがあるからそれほど苦にならないけど、永遠亭は仕事という名のTRPGプレイをするだけだ。ただ、永遠亭は舞空術を使わないととんでもなく時間がかかる。

 そして何よりも地霊殿だ。

 

 舞空術を駆使しても仕事内容によっては一泊する可能性が高く、地底の妖怪達は地上よりも気性が荒かったり、能力的に危険なものが多い。

 勇儀さんに見つかればほぼ模擬戦の流れになり、地霊殿に突っ込むことで訪問って形になる時がある。

 

 ただ、三勢力とも苦労に見合う報酬が用意されていて、実はこれだけで十分暮らせるくらいのお金はもらえているのだ。

 

 と言うか、一勢力の報酬でも十分だ。

 

 おかげ様でかなりのお金を持っているのだが、使う機会が無い。

 精々、それぞれの勢力に行く時にお土産を買っていくぐらいか?

 後は食費や光熱費に使われている。

 

 さすがに、仕事で居ない身で資産が溜まりすぎている。

 里に還元しているけど、溜まる一方なのが大変だ。

 

 だから最近は阿求様に資産管理を任せている状態だ。

 

 きちんと収支計算から何にいくら使ったかとかを一覧にして見せてくれる。やっぱり信頼できる人選だと思う。

 

 阿求様は資産管理を、萃香は俺が居ない間ずっと家を守ってくれている。

 パチュリーさんは家などの劣化を防ぐように魔法をかけたり、Yパチュリーと共同で水を補給したり、阿求様や魔理沙が風邪を引いた時に体調管理をしたりしてくれている。

 

 最近は魔法でいわゆるオートロックなるものを考えているらしい。

 

 俺の家だよな?

 

 

 

ν月(´゚д゚`)エー日

 

 波紋とは仙道の奥義である。

 

 兄貴が俺に教えてくれたことだけど、仙道とは即ち仙人の技。

 しかも奥義だ。

 

 幻想郷において仙人とされる人物は、知識として茨木華扇・霍青娥・豊聡耳神子・物部布都がいたはずだ。

 

 そこからさらに、仙人・邪仙・尸解仙と分かれている。

 

 仙人は不老不死と考えられているが正確には何十年かぐらいに一度、死神のお迎えが来る。

 それを退けることで寿命が延びるらしい。

 

 阿求様の受け売りだが、彼女の知識は信頼性の高いものだ。

 

 彼女達も俺と同じく波紋を使えるのか?

 

 この疑問を解決できる事態が今日起きた。

 

 霍青娥さん、会っちゃったよ。

 

 仕事で外に出て、帰る途中に出会ったのだ。

 話を聞くと、何日か前から目を付けられていたらしいが、家は波紋に溢れていて彼女が使役している宮古芳香が浄化される可能性が高く、俺が外に出ている時に声をかけたらしい。

 

 キョンシー。ゾンビのような存在だが、波紋は生物の生命力を活性化する技。

 ゾンビや吸血鬼などの人の命から力を得る存在には致命的な技となる。

 

 青娥さん達仙人はみんな波紋を使えるらしい。

 だけど、鍛錬自体はさほどしていないようで、常時波紋の呼吸をしていると言うと信じられないような顔をされた。

 

 青娥さんが言うには、仙人としてかなりの力を得られる程の力があるから、仙人として生きてみないか? という誘いだった。

 

 芳香さんは俺から離れた位置で待機している。

 完全に姿を消さないのは俺が青娥さんを攻撃しないか見張っていたんだろう。

 

 一応断ったが、しつこそうだったな。

 

 

 

ν月( ´・ω・)y-~ エト…日

 

 しつこかったです。

 

 家には入ってこないので、外出すると決まって声をかけられます。

 

 俺の所に来る時は芳香さんを連れてきているらしく、家には来れないらしい。

 

 閉じ籠ろうかとも考えたが、諦めるまで断り続けるしかない。

 

 波紋を覚えていながら仙人になっていないのは勿体無いとか、今なら下積み無しで即仙人だよ? とか、まるでセールスマンの様な物言いに苦笑いが出てしまった。

 

 仙道の奥義である波紋の呼吸。

 

 これは兄から自分が使う技の源流である道教についての講義があったので知っているのだが、仙人には修行すれば素質ある無しに関わらずなれるものであるとされている。

 

 道教は八極拳や八卦炉などが代表的な宗教で、国の統治に向かない思想の為、戒律や不殺の思想が強い仏教が取り入れられたとされている。

 

 俺は八極や八卦の知識は無いにも関わらず、いきなり奥義が使える人間であり、青娥さん側から見れば魅力的な弟子候補なのだろう。

 

 いかに仙人が素晴らしいか、たくさん説いてくれたが、今のところそのつもりはないのだ。

 

 それに芳香さんを好きにしていいとか、セールストークの決め手扱いにしても酷過ぎやしませんか?

 

 彼女は健康器具に付いてくるレッスンDVDじゃないんだから。

 

 

 

 

ν月(`д´)ケッ日

 

 あの野郎、助っ人を呼んで説得にかかってきやがった。

 

 物部布都さん。

 

 出会うなり、尸解仙の素晴らしさを語ってやろう! っと語り出したので、相手をせずに仕事場に向かった。虚空にずっと語りかけていたので気付かなかったようだ。

 

 五分ぐらいしたら追いついて来てめちゃくちゃ怒られた。

 

 涙目になってたからちょっと可愛かったが、流石にそれで仙人になるわけにもいかない。

 

 波紋の力を使用して、最終的に布都さんを撒くことに成功したけど、逆を言えば波紋を使わなければ撒けなかったのだ。

 

 アホっぽいけど実力は確かだな。

 

 

 

 

ν月( ;゚∀゚)アララ…日

 

 青娥さんが家に来ないのは護衛代わりに連れている芳香さんが波紋の力に弱く、家にすら近寄れないからだ。

 

 では、昨日来た物部布都さんはどうかと言えば、そんな制約は無いので当然訪ねてきた。

 

 また尸解仙の素晴らしさを語るのかと思ったが、ゆっくり妖怪達を見た途端に目を輝かせて一日中遊んでいた。

 

「なんじゃ、この可愛い生き物は!? プニプニしててスベスベしてて気持ちいいのじゃ!!」

 

 とか言いながら戯れていた。

 

 あれは多分目的を忘れているだろう。

 

 存分に堪能した後に、夕飯まで食べて帰っていった。

 

 うん、別にかまわないんだ。

 

 結構毎回こんな感じだし。

 

 ただ、すっごいいい笑顔でまた遊ぼうとゆっくり妖怪達と約束している姿は、完全に目的を忘れているだろう。

 青娥さんが頼んだことのはずなので、帰ったら怒られないだろうか?

 

 大して興味も無いのに布都さんの心配をする必要もないのだろうが、あれだけ気を抜いている姿を見ると、どうしても怒られる姿を想像して罪悪感が……。

 

 

 

 

ν月ヾ(゚Д゚ )ォィォィ日

 

 青娥さんと布都さんが訪ねてきた。

 

 布都さんを連れて来ているから芳香さんはお留守番にしたそうだ。

 その布都さんは半ベソかいてた。さすがに怒られたか……。

 

 邪仙と尸解仙のアピールをされたが、やはりどんな説明をされても仙人になる気にはならなかった。

 

 青娥さんは色仕掛けもしてきたが、萃香のセクハラにさらされ続けたから動じなかった。

 残念そうにしてたが、納得はしてくれただろう。

 

 布都さんは説明が終わると同時にゆっくり達と戯れていた。

 そんなに気に入ったのか。

 

 青娥さんの説明はフリップを多用した親切設計で、分かりやすく健康番組を見ている気分になったが、やっぱり人間としてやれる所までは人間として居たい。

 

 それに現状、阿求様やゆっくり達を護るのに支障が無いので死神に追われるリスクはまだ負いたくないのだ。

 

 

 

ν月(+o+)日

 

 昨日の仙人二人組の勧誘を見ていたYパチュリーから状況を聞いたのだろう。

 

 パチュリーさんが仙人になるのか? と聞いてきた。

 

 そのつもりはないと言うと、長寿を求めるなら魔法使いも捨てがたいものだと勧められた。

 

 なぜみんな俺に人間を辞めさせたがるのか?

 

 先日も永遠亭で輝夜さんが蓬莱人にならない? と聞かれて壺を出された。

 

 油断していたら蓬莱の薬を一服盛られていたかもしれない。

 

 毒を盛られるならよく聞くが、不老不死の妙薬を盛られるなんて前代未聞だぞ。

 

 Yパチュリーは当然のように魔法使い推し。

 

 他のゆっくり妖怪達はそれぞれあるが、基本的に種族を変えた方が良いと考えているようだ。

 

 紙に蓬莱人・魔法使い・仙人と書かれた物を床に置くと、それぞれ希望している所に集まった。

 

 蓬莱人 :Yチルノ・Y大妖精

 魔法使い:Yパチュリー・Y咲夜・Y小悪魔・Y美鈴

 仙人  :Y霊夢・Y幽香

 

 きゅうけつき:Yレミリア・Yフラン

 

 YレミリアとYフランはわざわざ自分で紙を書いて選択肢を作っていた。

 

 なぜ、人間の選択肢が無いのだろうな。

 みんな俺に人間をやめろと言うか。

 

 まぁ、改めて考えれば鬼と三日で二回も闘うのは確かに人間業じゃないかもだが。




 今回は参護さんの岐路。

 スカウトに来た仙人の方々とそれに触発された長寿な方々。

 ゆっくり妖怪達も長生きしてほしいのでしょう。

-追記-

 ν月(´゚д゚`)エー日 にて、霍青娥たち仙人が波紋を使えるかどうかを追記しました。
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