東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 お待たせしました。

 霍青娥の日記です。

 彼女に限らずに、神霊廟のキャラ達は難しいです。

 キャラの性格は色々と二次側で固まってきているようなのですが、私がまだまだ慣れていないのです。

 新作のキャラが怖いです。

 感想がいつの間にか1000件超えてました。
 ありがとうございます。

 全返信できているのですが、たまに悲鳴あげるほど感想が届くときもあり、返信が大変ですw


霍青娥の日記 ν月

ν月(´ε`; )ウーン…日

 

 随分前に仙人にふさわしい人間を見つけた。

 

 だけど、その人間は芳香が苦手とする生命力を活性化する技を使い、家全体が聖域の様な別の空間になっていた。

 

 一瞬仙境かとも見間違えるほどの肥沃な大地と清浄な空気。

 

 原因は分かっている。

 彼が使う仙道の奥義である波紋と紅魔館の門番に師事して覚えた気功、その両方を使い続けているため土地が、建物が、空間が活性化している。

 

 確かに波紋は仙道の奥義で、私だって使える。

 だけど、日常的にするものじゃない。

 

 使える仙人は多いけど、使いこなせる仙人を私は知らない。

 

 元々瞑想しながらする呼吸法であり、彼の様に戦闘中も呼吸を乱さないで波紋を練り続けることはかなり難しい。

 

 私もできるかどうかだ。

 

 近年稀に見る才能だと思う。

 仙道の奥義だけを習得し、それをここまで極めている。

 日々の鍛錬も欠かさず、人当たりも良い。

 

 むしろ、これで仙人じゃないというのが不思議だ。

 幻想入りした人間だという話だったが、勧誘とか来なかったのかしらね?

 

 これだけ仙人に成る為に生まれてきた様な人間はいない。

 

 是非とも仙人になってほしい。

 

 だけど、妖怪を打倒するほどの実力者。

 敵対しなければ平気だろうけど、まかり間違っても鬼と戦える戦士と戦うなんて考えたくない。

 

 だから、護衛役に芳香を連れて行かなきゃならない。

 だけど、芳香は彼の家に近付けない。

 

 だったら外出時に接触しましょう。

 

 観察してると彼の家は多数の実力者が出入りする場所でもあるから、多数に囲まれてしまう可能性もあるのだし、避けておきましょう。

 

 

 

 

 

ν月(´゚д゚`)エー日

 

 外出時を狙って接触した。

 

 名前は海原参護様。

 

 近付いただけでも感じるほどの波紋の奔流。

 

 常時波紋の呼吸をしているなんて普通考えられない。

 私の知っている仙人は全員波紋を習得して使えていると思っていたけど、彼を見てその認識は甘かったと考えを改めた。

 

 この男は強い。

 

 仙人は常に鍛錬を続けていて、百年ぐらいに一度来る死神を追い返す。

 この男はそんな私達仙人の練度に届こうかという程に実力がある。

 

 何で仙人じゃないんだろう?

 

 勧誘は断られたが、簡単にはあきらめない。

 まだまだ勧誘は続けよう。

 

 これほどの逸材を放置しては勿体無い。

 

 

 

 

ν月( ´・ω・)y-~ エト…日

 

 やっぱり、芳香を連れていると家の方に直接行けないのが大変だ。

 

 下積みも無く、心構えを覚えてもらうだけで仙人になれる逸材なんて、宝石の原石どころか裸石を見せられた気分。

 

 どの宗派にも言える事だけど、基本的に奥深くて極めるというのは難しい。

 

 奥義だけを覚えている人間なんてまず居ないはずなのだけど、彼の家族は彼以上の使い手という事だ。

 

 しかし、不思議と魅力を感じない。

 納得がいったのは、なぜこれだけ強いのに鍛錬を真剣に続けられるかだった。

 

 自分以上に強い相手を知っていて、それに向けて努力を続けている。

 

 求道を体現しているのか?

 

 そう思えるぐらいに実力と努力の割合がおかしい人だ。

 

 試しに芳香を自由にしていいよって話してみたけど、逆に説教されてしまった。

 

 いや、ひどいことする人に私の芳香ちゃんを自由にしていいって言うわけがない。

 ちゃんと冗談でも相手は選んでる。

 

 芳香ちゃんも意味分かってないのか、私が説教受けている最中も、?を浮かべながら待機していたし。

 

 うん可愛いわね!

 

 

 

 

 

ν月(`д´)ケッ日

 

 芳香の調子が悪い。

 足の辺りが活性の影響で浄化されかけていた。

 

 今日明日で治してあげないといけない。

 

 偶々近くにいた物部様に勧誘を頼んだのだけれど、話を無視された上に全力で逃げられたらしい。

 

 彼女も波紋を纏って追いかけたのだけど、全力疾走で呼吸を乱さずに木々を縫うように走って、岩場を飛び回り、水の上を走り回り、空を飛んだ時も相当無茶苦茶な軌道を描いて逃げたらしい。

 

 かなり悔しがっていた。

 

 物部様から逃げ切れるなんて、やっぱりかなりの実力者だ。

 

 なんで、あんな人間が野に埋もれていたのか?

 

 とっくの昔に人間から別の存在になっていてもおかしくない。

 

 仙人だけじゃない。

 魔法使い・転生妖怪・転生悪魔・蓬莱人・現人神・鬼人など、人間からなれる他種族は多い。

 

 だというのに、彼はずっと人間だ。

 幻想入りした頃から強かったらしいので、どの種族も放置していた。

 こんな逸材、早々お目にかかれないというのに。

 

 これにどんな理由があるのか?

 

 興味は尽きないわね。

 

 

 

 

 

ν月( ;゚∀゚)アララ…日

 

 昨日、あまりにも悔しそうだったので物部様に海原様の家を教えた。

 

 私は芳香が居るから行けないけど、物部様なら問題無いだろう。

 

 そう考えていたのだけど、帰ってきた彼女は満面の笑みで、

「ゆっくり妖怪達がすっごく可愛かったのじゃ! 抱っこするとプルプル震えて気持良かったのじゃ!」

 なんて言うものだから、目的を忘れてきたなと簡単に想像がついた。

 

 私が芳香ちゃんを治している最中に遊んでいたわけだ。

 

 別室でじっくりとお話をしたのは仕方ありませんわよね?

 

 

 

 

ν月ヾ(゚Д゚ )ォィォィ日

 

 護衛の芳香の代わりに昨日の失態を補わせるためにも物部様を護衛にして、海原様の家に行ってきた。

 

 昨日お話をし過ぎたのか、ずっと涙目だったが役目は果たせるだろう。

 

 色々と仙人の魅力を説明するため、色々と準備してきたけどまったく彼の心は動かなかった。

 

 最終手段で、こういう真面目なタイプは色が苦手な場合が多い。

 私もそれなりに容姿に自信があるから、初心な反応を期待して色仕掛けを試してみたのだけれど、まったくと言っていいほどに反応が無かった。

 

 服をはだけてみたり、胸を押し当ててみたり、艶っぽく囁いてみたり、色々したのだけれど参護さんは笑いながら全スルー。

 

 感触を楽しむとかしているなら、まだ女の魅力的な部分での自信が傷付くことも無かったのだけれど、笑いながら避ける上に、逆に説教されてしまった。

 

 ちょっと落ち込んでしまった。

 

 こうやって私が海原様を勧誘している最中にも、物部様はゆっくり妖怪達と戯れていた。

 と言うか、海原様の説得よりもゆっくり妖怪達と遊んでいる時間の方が長かった。

 

 ……今日もお説教かしらね?

 

 

 

 

 

ν月(+o+)日

 

 昨日はやりすぎてしまったかしらね?

 

 海原様が予想外に手強くて、物部様に八つ当たりの様な事をしてしまった。

 

 しかし、直接的な誘いはダメとなると、まずは仲間を集めることにしましょう。

 

 物部様はゆっくり妖怪達を気に入っているようですし、海原様を勧誘に成功すればその妖怪達と一緒に暮らせると説得して、蘇我様と豊聡耳様は仙人にふさわしい人間がいることを教えましょう。

 

 特に豊聡耳様は面倒見が良い方ですし、海原様の本質を見抜ける人物だ。

 

 その本質から上手く海原様に最適な勧誘方法を考え付くかもしれません。

 

 私の考えなんて承知なのでしょうが、海原様の実力や人柄に関しては一切嘘を言っていない。

 

 ならば、豊聡耳様も興味を持たれるでしょう。

 

 彼女以上に波紋を練れる人間なんて、たぶん幻想郷では海原様ぐらいだ。

 

 お話しすると非常に興味を持たれていたようですし、思惑通りといった所ですわ。

 

 さて、他にも心当たりに説得を依頼しましょうか。

 




 青娥さんマジ黒幕。

 と言う事で、そのイメージで書かせていただきました。

 布都ちゃん中々良いキャラしてますわ。

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