東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 たくさんの感想を毎回いただきまして、ありがとうございます。

 もう五か月目に入るこの東方饅頭拾転録ですが、個人的にここまで続くと考えてなかったもので、びっくりでございます。


 私事ではありますが、明日は会社へ宿泊予定ですので更新はありません。

 感想の返信も遅くなりそうな予定ですが、きちんと読んで返信します。

 それではお楽しみください。


物部布都の日記 ν月

ν月(´ε`; )ウーン…日

 

 最近青娥殿がよく出かけておる。

 

 芳香も一緒に連れて行くから、危ない所にでも行っているのであろうか?

 

 先日も青娥殿が我に仙境に関して聞いてきた。

 

 この辺りに仙境なんてそうは無い。

 

 いくつか覚えておるが、新しい場所なんてそう出来るわけでもなかろう。

 

 下地がある土地もいくつかあったと聞いておるが、それでも仙人がそこに住んでから長い年月が必要になるはずじゃった。

 

 それは青娥殿も理解しておるじゃろう。

 

 どうしたんじゃろうな?

 

 

 

 

 

ν月(´゚д゚`)エー日

 

 青娥殿が帰ってきた時に、少々悔しそうな顔をしておった。

 

 どうやら素質のある人間の勧誘に失敗したとのことじゃった。

 

 青娥殿が勧誘に失敗するのも珍しい。

 

 話を聞くと男と言う事じゃったし、青娥殿は美人じゃから大抵の男はホイホイ付いて来るそうなのじゃがな。

 

 どうも、人里で何度も話を聞いたことのある人間らしい。

 

 妖怪を撃退したとか、鬼と殴り合っているとか、逸話の多い男じゃったが、話には尾ひれが付くものじゃし、意図してそれを流しておるのなら小物も良い所じゃと思い、放置しておったが……。

 

 青娥殿の反応を見ると、噂に偽り無しと言う所じゃろう。

 

 彼女が目を付けたならすぐに仙人の道に来るじゃろう。

 

 先達として我も仙人の基本を教えてやろう。

 

 

 

 

 

ν月( ´・ω・)y-~ エト…日

 

 今日も青娥殿は勧誘に失敗したようじゃった。

 

 昨日から拗ねる青娥殿と言う珍しいものを見ておるのじゃが、今日は芳香を抱きしめながらブツブツと文句を言っておった。

 

 どうも、冗談で芳香をダシにして勧誘したらしいが、逆に説教を受けたようじゃな。

 

 中々に高潔な精神を持っておるな。

 

 結構知っておる者も多いが、仙人は欲を抑える必要がある。

 

 色欲などが代表的じゃな。

 

 じゃが、色欲を抑えられる人間なんぞ、そう居らぬ。

 

 政敵を失脚させるにも美人局というのは有効的じゃった。

 じゃが、それが効かぬ相手は決まって、色欲を超えるほどの欲を持っておった。

 

 決意、もしくはそれに準ずるものじゃな。

 

 その男、若い身空で色欲を超える決意を持つなど並大抵なことではなかろう。

 

 青娥殿から勧誘の助力を頼まれたことじゃし、件の男をこの目で見てくるかの。

 

 

 

 

 

ν月(`д´)ケッ日

 

 あの者の資質はとんでもないのう。

 

 話を無視されて、大人気も無く波紋を使って全力で追いかけてやったわ!

 あの驚く表情は愉快じゃったな!

 

 じゃが、あの男の波紋の呼吸はどうなっておるのか?

 

 不動の姿勢で丸一日呼吸を続けるという修行もあった。じゃがあの男動きながら波紋を変わらず練り続けておった。

 

 我の波紋の倍以上は練っておったし、我以上に長い時間、呼吸を続けていた。

 

 我も尸解仙になったばかりじゃし、青娥殿ほどの波紋は使えぬ。

 しかし、あの男の波紋は異様じゃ。

 

 いや、波紋ではなく波紋の使い方かの。

 

 木の幹から幹へ飛び移り、岩場を縦横無尽に走り回り、湖の上を地上と同じように走り抜ける。

 

 最終的に空中で追いかけっこをしていたのじゃが、あの飛び方は全身に負担がかかるはずじゃ。

 それを意に介さずに飛び回って、平気なんじゃろうな。

 

 波紋で痛みを和らげて、負荷がかかった全身も波紋で癒しておるのじゃろうな。

 

 仙人の技で人間に負けた。

 

 ああ、やっぱりこうして書いているだけでも腹立たしいのじゃ!

 

 

 

 

 

ν月( ;゚∀゚)アララ…日

 

 青娥殿が海原殿の家を教えてくれた。

 

 昨日相当悔しい思いをしておったから、気遣いじゃろうな。

 

 ありがたく家に行ってみると、まさに仙境じゃった。

 

 いや、正確には違うのじゃろうが、何百年も仙人が住んでいる地、そこと同じぐらいの聖域が出来ていた。

 

 随分前に来た時は普通の荒れた家屋があっただけじゃったのにな。

 

 しかし、家に行ったら何とも言えない生き物がおった。

 

 海原殿に許しを得て抱かせてもらったが、あの触り心地はクセになる。

 

 そんな素晴らしい生き物がここにはいっぱいおった!

 

 抱き締めておると他の娘達も擦り寄って来て、我の肩に乗ったり、膝に乗ったりと可愛いことこの上なかった。

 

 しかも、夕飯まで御馳走になってしまい、海原家を堪能して戻ってしまった。

 

 帰った時に青娥殿に説教を食らってしまった。

 

 参護殿の愚痴が大半じゃったが、我が楽しんでいる間に青娥殿は芳香の修復をしておったのじゃし、仕方がないの。

 

 

 

 

ν月ヾ(゚Д゚ )ォィォィ日

 

 昨日の説教を思い出してちょっと涙が出たが、誰にもバレてはおらぬだろう。

 

 仙人の説明をした後、再びゆっくり妖怪なる者達と一緒に戯れた。

 

 青娥殿が直々に色仕掛けをしておったが、海原殿は相手にしておらなかったな。

 

 かなり慣れているのか、上手に躱して説教しておったな。

 

 全部躱されたら、次は紙に絵を描いて置いたモノを順番に見せながら説明し始めた。

 説明を聞いていると思わず我も仙人になりたくなったが、よくよく考えれば我も仙人じゃったな!

 

 しかし、あれだけの色仕掛けと説明を受けても揺るがない決意か。

 

 強敵じゃな。

 

 

 

 

 

ν月(+o+)日

 

 昨日、青娥殿に八つ当たり気味に怒られた。

 

 確かに、我も海原殿を説得せずにずっとゆっくり妖怪と戯れておったが、あれは絶対に八つ当たりじゃった!

 

 確かに、小さい羽の生えたゆっくり妖怪を三人ほど相手にしてずっと戯れておったけど!

 お菓子をあげて、食べる姿を眺めて癒されておったけど!

 

 あんなに怒ることは無いじゃろう!

 

 青娥殿は太子様に助力を乞うらしい。

 

 太子様なら、あの男の本質を読めるじゃろうな。

 

 気になる。

 

 あの色に堕ちぬ決意はどこから来るのか?

 

 こうして考えれば、あの男は下手な仙人よりも仙人らしいのかもしれぬな。

 




 最近、色々な新人さんや好きな作者さんが面白い小説をたくさん上げてくださっていて、個人的にすごくうれしいです。

 東方・ネギま・なのは・ゼロ使の四大転生小説ジャンルなんて言われてた頃が懐かしいですね。

 四ジャンルとも未だにすごい勢いがありますし。

 新しい人気ジャンルもできてて嬉しいですね。


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