東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 投稿でございます。

 R指定で投稿した官能編は、エロくないと言う評価をいただきました。

 うーん、本番が無くてエロと言うならあんな感じだろうと思いますが、やっぱり足りないようですね。

 要望で他の二人分を希望する人もいたので、シレッと追加するかもです。


稗田阿求の日記 Π月

Π月( ´ー`)フゥー...日

 

 仙人からのスカウトが毎度毎度良く来る。

 人から外れることに対して、参護さんの姿勢はずっと一貫していた。

 

 今必要ない。

 

 つまり、必要があれば人から外れる覚悟があるという事。

 

 萃香もパチュリーさんも長い時を生きる人たちで、参護さんが人から外れて長く生きることに肯定的なのでしょう。

 

 だけど、私は彼が人間を外れる時の理由が分かってしまう。

 

 人里やゆっくり妖怪達が危険になるなら、参護さんは人から外れるだろう。

 そして、私を何よりも大切にしてくれている。

 

 不謹慎かもしれないけど、それがとっても嬉しいのだ。

 

 そして同時に、とてつもなく切ない気持ちになる。

 

 幻想郷縁起を記し続ける使命を帯びている身で、私の寿命は三十年前後。

 

 普通の人達の半分ほどで死んでしまう。

 その代わり、百年ほど経ったら転生し、再び幻想郷縁起を記す。

 

 残りも十数年しかないんですよね。

 

 

 

 

 

Π月∑(・∀・; )マジデッ日

 

 最近は朝と晩にお風呂を沸かすようになっています。

 

 朝一番にお風呂に入れるというのは贅沢ですね。

 

 薪や燃料をどこからかゆっくり達が持ってくるので、困らないのは嬉しい。

 

 竹の炭は節をしっかりと取っていれば暴発することも無く燃料として使える。

 つまり迷いの竹林は燃料の宝庫なのです。

 

 しっかりと乾燥させないといけませんけどね。

 

 今日も参護さんが上半身裸の状態で起きてきた。

 やっぱり上半身を舐められていたようで、そそくさと風呂場に向かっていった。

 

 ここ半年以上これが続いていれば、いい加減説教の内容も尽きるというものだ。

 

 それに彼女の愛情表現だと分かると、それだけ愛が深いのだと分かる。

 

 ゆっくり達に参護さんの着替えやバスタオルを運んでもらい、私は家事に専念できた。

 

 こうしてゆっくり達と暮らすことに慣れてきて、参護さんと一緒に暮らして、やっぱり幸せを感じますね。

 

 

 

 

Π月( ゚д゚)ウム日

 

 理解している。

 参護さんが人から外れる選択をする時は、ゆっくり妖怪達の為か私の為だって。

 

 だから、私は最初に参護さんに話した時には人間でいてほしいと願った。

 

 だけど、萃香とパチュリーさんに私室で話し合った。

 

 私が三十歳前後、波紋を習得したと仮定しても四十前後で死ぬこと、次に私の転生体が生まれるのが大体百年後。

 百年間は彼岸であっちの仕事を手伝いつつ、次の転生の時期を待つことになる。

 

 二人とも大切な友人だ。

 参護さんと出会わなければ、こんな関係になることも無かっただろうけど、それでも私の記憶の中でもこんなに色々な要素を持った友人が居ただろうか?

 

 幻想郷縁起の観察対象で、友人で、恋敵で……。

 

 たぶん、一生以上に長い付き合いになるだろう人達。

 

 そこに参護さんがいてくれたら、どれ程幸せか。

 

 参護さんと一生以上の長い間を過ごすことが出来たら。

 

 二人に説得されて、気付かされた。

 

 自分の勝手で参護さんを人里の盾の様に扱って、その上また私の勝手で彼に人を外れた道を進ませるのか?

 そう考えて、彼には人として生きてほしいと言った。

 

 だけど、友達の説得で目が覚めた。

 

 もっと一緒に居たい。

 

 

 

 

Π月|゚Д゚)コソーリ日

 

 参護さんに私の正直な気持ちを伝えた。

 

 昨日の今日で意見が変わった私を怪訝そうな表情で見てたけど、しばらくすると私が真剣なのを理解したのか、転生後の種族を考えてくれた。

 

 まぁ、そこで私たちの意見は分かれたんだけどね。

 

 私は人間に近い仙人、萃香は同じ種族の鬼、パチュリーさんも同じ種族の魔法使い。

 

 さすがにここはみんな譲れないのか、三人がそれぞれ推している種族の宣伝をして一日が終わった。

 

 参護さんも悩んでいるみたいだし、すぐ出す結論でも無いでしょうからゆっくり待ちましょう。

 

 

 

 

 

Π月∑(゚д゚ノ)ノウワッ日

 

 昨日、罪悪感とか義務感とかそういうものから解放されたからでしょう。

 

 遠くから参護さんを見ているだけで、胸の奥があったかくなるのを感じる。

 前は罪悪感が前に出ていたから、どこかで悲しい気持ちがありました。

 

 でも今は、こんなにも姿を見るだけで、会話するだけで、幸せだ。

 

 ゆっくり達がなにやら一生懸命文字を書いていた。

 

 何を書きたいのか分からないけど、きっとこんなに一生懸命になるのは参護さん絡みですよね。

 

 練習に付き合ってあげましょう。

 

 

 

 

 

Π月(*´ω`*)ポッ日

 

 一日ゆっくり達の字の練習に付き合った。

 

 一番時間がかかったのは、生まれたばかりの小悪魔のゆっくり妖怪で、難なくスラスラと書いて見せたのは霊夢さんのゆっくり妖怪だった。

 

 ゆっくり霊夢は一番存在感が強くて、自我も強いから当然と言えば当然なのでしょう。

 

 夜に紙の束を参護さんの机に置くだけ。

 

 色々な字体で書かれた『ありがとう』。

 

 参護さんが、一生懸命彼女達を護ってきたことへのお礼。

 きっとこれからも護るという誓いを聞いた彼女達のお礼。

 

 私もいつかお礼をしないとね。

 

 

 

 

 

Π月( ゚д゚ )クワッ!!日

 

 私のワガママで参護さんが人外に転生する時を、私が死んだ後にしてもらった。

 

 もしかしたら、初めてわがままを言ったかもしれない。

 

 前までは、罪悪感のせいでそんなことはとんでもないって考えてました。

 でも、それを伝えた時の参護さんは、気のせいでなければホッとしていて、うれしそうで、私も少しうれしいって感じました。

 

 九代目でこんなにも幸せで、こんなにも転生後の不安が少ないなんて、初めてですね。

 

 萃香、パチュリーさん。

 ありがとうございます。

 

 参護さん、救ってくれて、好きにさせてくれて、本当にありがとう。

 

 これからもよろしくお願いします。




 最終回じゃありませんよ?

 いや、書いてて。
(あれ? 最終回かいてたっけ俺?)
 ってなりましたけど、参護日記に続いて、阿求日記もそんな雰囲気。
 萃香でどうなるか……。

 あ、『実は私は』を12巻まで揃えました。

 甘酸っぱいの好きです。

 次は『聖☆おにいさん』揃えたいですね。

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