東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 どうも、オルカです。

 ココの所、饅頭拾転録に更新が集中しているのは、この話を今月中に、しかもできるだけ早く終わらせるためです。

 年末年始なのに、2月更新はさすがにダメだと思いますしね。

 バレンタインデーとかのイベントもありますし。

 と言う訳で萃香日記です。

 あ、明日は会社に泊まりなので更新はありません。


外伝 伊吹萃香の考察 いつかの年末年始

12月29日

 

 そろそろ、酒蔵の酒が良い感じになってきているから、味見をするのが日課になっている。

 

 年々おいしいお酒になっていくから、そのうち銘酒になって幻想郷に広まりそうだね。

 

 参護も阿求もバタバタしてたから、なんだろうと考えたら、年末年始の準備だった。

 

 そういえばそんな時期だったねー。

 

 勇儀の所に飲みに行ったり、天界でゴロゴロしてたから忘れちゃうところだったよ。

 

 参護が言っていたけど、幻想郷は催し物なんかの風習が強く残っているとか言っていた。

 

 節分の時期に玄関先に飾る柊鰯。

 この風習もあって、その時期は鬼は肩身が狭いんだけど、参護は節分自体しない。

 

 私の為に柊鰯を飾ることはしないし、豆まきもしない。

 この時期は豆自体が食卓から姿を消すのだ。

 

 そういう所も参護の魅力だと思う。

 

 うちの家族が帰れなくなるから節分はやらないよ?

 だって!

 

 今思い出しても胸にキュンってくるよ。

 

 

 

 

 

12月30日

 

 しめ縄をゆっくりレミリアとゆっくりフランが一生懸命飾りつけしていた。

 

 見ていたら、フヨフヨプニプニとしている姿が、似ていると思った。

 

 ゆっくり霊夢を下にして、ゆっくり小悪魔を乗せて、その上に小さめのミカンを乗せて完成。

 

 鏡餅ならぬ、鏡ゆっくり。

 

 咄嗟の思い付きだったんだけど、参護が思いの外ツボにはまったようだった。

 

 初めて見た時は、腹を抱えて耐える様にプルプルとうずくまってたし、何とか立ち直った後も思い出したように噴き出すようになった。

 

 ありゃ、今日一日立ち直れないかもしれないね。

 

 そば打ちをしている最中に、阿求やパチュリーに見えない様に、鏡ゆっくりを見せてみたら、また笑いを堪えるように震えながらそばを打っていた。

 

 あっぱれ!

 

 不意打ち鏡ゆっくりを今日一日やり続けた結果。

 

 参護のアイアンクローを食らったけど、後悔はしていない!

 

 

 

 

 

12月31日

 

 参護はあれだね。

 家で一番料理ができるという事実。

 

 年越しそばはとてもおいしかった。

 

 温かいだし汁に風味の効いたそば。

 具材も山菜を主に使って、天ぷらを別皿に置いておくという気遣い。

 

 もし、仮に参護が阿求にではなく、あの吸血鬼とかに出会い、触れ合っていたなら。

 きっと執事服が似合う感じになったのかもしれない。

 

 今度、あのメイドに執事服が無いか聞いてみようかな?

 

 すっごく見たい。

 

 ああいう、しっかりとした服装で、給仕なんかしてる姿はきっと似合うだろうな。

 

 よし、阿求やパチュリーに相談して近いうちに、参護の着せ替え祭りでも開こうかな?

 

 執事服だけじゃない。

 

 あの本だらけの場所ならいろんな服の目録もあるだろう。

 

 それらを内緒で作って、私達で着替えさせて楽しむ。

 

 ……悪くない気がする。

 

 これは本格的に検討の余地ありだね。

 

 

 

 

 

1月1日

 

 初詣は霊夢の神社に全員で行った。

 

 賽銭がたくさん入る日だから霊夢の機嫌も良かった。

 

 まぁ、私が天狗の住む山に入るのは面倒になりそうだという事で、守矢は却下されたんだけどね。

 

 こっそり参護が甘酒を持たせてくれたのはうれしかったな。

 

 なにしろ、初詣に行く前から酔っぱらうのはよろしく無いとお酒取り上げられてたし。

 

 終わってすぐに、見つかっても良い訳の効く甘酒を渡すなんて本当に気が利くね。

 

 やっぱり、パチュリーや阿求に相談して昨日の計画を進めて行こうかな?

 

 絶対執事服似合うと思うんだけどなぁ。

 

 参護は細く見えるけど服の内側は鍛えられている。

 

 鎧の様な筋肉って訳じゃない。

 

 効率の良い付き方。

 自分がどう動くか、大体使う筋肉を知っている上での鍛え方。

 

 若い身空で一人暮らしをして、仕事をして、人里の中で交流を図って、どうすれば信用されるかを考えて実践する。

 

 もしかしたら、参護は頭の方もすごいかもしれないね。

 

 なにしろ、三人の魔女相手の魔法講義を今の所受け切っているのだから。

 

 今年もいい年になりそうだね。

 

 

 

 

 

1月2日

 

 餅が美味い。

 

 餅米を大量に使って、沢山の餅を用意していたんだけど……。

 

 凄い量になっていた。

 

 参護はそれをいろんな料理にしていた。

 

 特に、赤いソースを使ったぴざっていう餅料理は中々おいしかった。

 

 他にも、油を敷いた鍋に餅を置いて、弱火でじっくり両面焼いて、仕上げに醤油を鍋に入れて軽く焦がした一品は好き嫌いが分かれそうだったけど、美味しかった。

 

 油で表面がカリカリになっている部分と、醤油でトロッとしている部分。

 この二つの触感がたまらない。

 

 まぁ、醤油を焦がすから洗い物は大変らしいけどね。

 

 外の世界では二十歳で元服、成人として扱われるらしい。

 

 それを十三歳で一人で生活できるほどの自活力と妖怪と戦える程の実力の両方を持っていた。

 

 本人が言うには、家の方針と兄の特訓があってこそだと言っていた。

 恐ろしく強いが、不器用な兄だと。

 

 阿求が言うには最初は兄の話はしたがらなかったそうだけど、今は結構するようになったと思う。

 参護の心境に何らかの折り合いが付いたのかな?

 

 きっと、気付かなかったことに気付いたんだろうな。

 

 人間は分かり合うのに手間取る種族だからね。

 

 

 

 

 

1月3日

 

 参護の祖父母の家の郷土料理なる物が美味しかった。

 

 細かい具で、お茶漬けを食べている様にズルズルと食べられる。

 

 しかも餅を入れていると、その細かい具を餅が絡め取って餅と具材を一緒に食べられる。

 

 煮干し出汁だねこれは。

 

 いやぁ、お酒に合うねぇ。

 

 参護が料理上手なせいで、ちょっとした味とか工夫とかが分かるようになった。

 

 出汁の味もちょっとなら分かるようになった。

 

 前は食べられればOKみたいな所があったんだけどな。

 

 今は、参護がどんな工夫をしたか。

 それが気になって、ついつい探しちゃうのが困りものだね。

 

 

 

 

 

 

1月4日

 

 年末年始は、参護とこうしてゴロゴロできるのが嬉しいね。

 

 眠っている参護の太ももを枕に横になったけど、それに釣られてパチュリーが反対側の太ももに、阿求が参護の腕枕を堪能した。

 

 ちょっと羨ましいけど、参護に甘えてる阿求を見るのも、実は私の楽しみだったりする。

 

 二人とも可愛いんだよ。

 

 そこにゆっくり達が加わって私得な光景が広がるわけだ。

 

 長時間枕にしていたせいだろうけど、参護の両足と右手が痺れて動けなくなっていた。

 

 こうなったらやる事は一つ。

 

 服の中に手を突っ込んで、人肌の暖を取ろう。

 

 パチュリーも楽しそうだったし、阿求は遠慮していたのでちょっと誘導してあげた。

 

 二人とも満足気な表情をしていたね。

 

 突っ込んだ手を少しウットリと胸に抱いている阿求を見たけど、見て見ぬふりをしてあげた。

 

 ちょっと気持ちわかるしね。

 




 残すは、パチュリー日記だけ!

 参護さんって、ハイスクールDHの時点で高校2年生相当の年齢です。

 なのでハイスクールDHにゲストに行く参護さんは高校2年相当の年齢で登場する予定です。

 チートの片鱗を書ければいいなぁ。

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