東方饅頭拾転録 【本編完結】   作:みずしろオルカ

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 お待たせしました。

 パチュリーの日記を持って、今回の外伝を終了します。

 次の更新は、おそらくハイスクールDHの参護さんゲスト回ですかね?

 次回からはハイスクールDHの方になります。

 官能編はもうちょっとお待ちください。



外伝 パチュリー・ノーレッジの日記 いつかの年末年始

 

12月29日

 

 年末年始。

 

 私は特に紅魔館と海原邸の両方に居を構えているから、この時期は忙しい。

 

 参護さんやレミィは気を使ってくれているけど、私だって紅魔館や海原邸の一員だし、やるべきことはしっかりとやりたい。

 

 そういうわけで、紅魔館の手伝いと海原邸の手伝いを両方こなしていた。

 

 とは言っても、紅魔館はレミィや妹様が吸血鬼だから初詣なんかはできないし、そもそも行事ごとをするような趣味も無かった。

 でも、参護さん達と交流が始まってからは、細かい行事なんかを楽しんでいる。

 

 年末の大掃除なんかもその一つ。

 

 ただ、掃除なんかは咲夜と妖精メイドが毎日してくれているので、大掛かりにする必要もないのだ。

 

 気付きにくい部分を掃除してあげる程度で済む。

 

 後は、咲夜が事前に参護さんと共同で行っていた年末年始の料理レシピの開発。

 これで紅魔館は年末年始というイベントを迎える。

 

 レミィは行事って楽しいわねっとワクワクしている様子だったし、咲夜もレミィの楽しそうな姿を見るのが嬉しいらしい。

 

 妹様もイベントごとに参加して、紅魔館内を盛り上げていた。

 姉妹での触れ合いも増えてきているようだし、イベントがきっかけで姉妹仲も良好になっているようだ。

 

 

 

 

 

12月30日

 

 紅魔館の大掃除を手伝った後に、海原邸に行ったのだけど、参護さんが笑いを堪えながら料理をしていた。

 

 大体は普通なのだけど、いきなり思い出したように、笑いを堪える様に肩を震わせ、五分ほど耐えるような仕草をしてから、再び行動に戻る。

 

 それを一日繰り返していた。

 

 阿求に何があったか聞いたところ、鏡ゆっくりという一発芸を萃香とゆっくり達が披露してから、ツボにハマったようだ。

 

 ここまで長引く程に彼のツボにハマったという事にちょっとびっくり。

 

 何度かこっちを見てから、噴き出しているから、たぶん萃香の奴が何かしてるのかしらね?

 

 なにしろ、さっき参護さんからアイアンクローを食らっていた。

 

 結構暴れてたから、相当痛そうだった。

 

 

 

 

 

12月31日

 

 参護さんの作ったそばを紅魔館の皆に届けて、咲夜の料理を海原邸に届けた。

 

 さすが、咲夜の料理は海原邸でも非常に喜ばれた。

 

 咲夜はお世話になっていますからこれぐらいは当然ですっと言っていたが、参護さんの料理知識から外の世界の調理法を吸収しているのが楽しいようだ。

 

 命蓮寺に鐘を突きに行くことになった。

 

 レミィ達は流石に来なかったけど、初日の出前まで屋根の上でまったり過ごすらしい。

 私は参護さん達といるようにした方が良いと言われて海原家で行動している。

 

 結果報告をよろしくって言われたけど。レミィは本当に何を期待しているのかしら……。

 

 命蓮寺は妖怪も多く、除夜の鐘を突きに行く場合は阿求の護衛をしなければ、危険だ。

 

 普通の人間でも危ない状態なのに、阿求はもっと危険ね。

 

 海原家で戦闘能力を持たない彼女は私達の護衛対象。

 参護さんと萃香と交代で護衛する。

 

 まぁ、あの命蓮寺の連中が境内で不祥事を許す訳もないでしょうけど、事前の報告と警戒は当然の行為だろう。

 

 参護さんの代わりが私達には居ない様に、阿求の代わりも私達には居ないのだ。

 彼女を死なせる訳にはいかないのだから。

 

 

 

 

 

 

1月1日

 

 初詣は博麗神社。

 

 皆でお賽銭をしたからか、霊夢の機嫌は異様に良かった。

 

 あと、おみくじも引いた。

 

 私は【中吉】。

 中々悪くない運勢だった。

 

 萃香はいつの間にか、甘酒を上機嫌で飲んでたし、参護さんがこっそり持って来てたのかしらね?

 

 初詣も終わって、家で温まっていた時、ゆっくり妖怪達が結構冷えていたので暖炉や薪ストーブが暖まるまで私達が抱き締めたりして温めていた。

 

 皆暖まったあたりで、私のゆっくり妖怪が記憶同期を求めて来たので、受け入れた……。

 

 あの娘、またしてもやってくれる……。

 

 参護さんの服と素肌の間に入り込んで温まっていたようで、その時の感覚がダイレクトに私と共有してしまった。

 

 参護さんの匂いも、暖かさも、全部今さっき体験したように、鮮明に同期してしまった。

 

 いい匂いだった。

 温かくて安心できる心地だった。

 

 しかし、完全に不意打ちでそんなことをされたのだ。

 

 思わず悲鳴を上げる所だった。

 

 その後はいつも通り、全力で揉みしだいてやった。

 阿求から微笑ましい物を見る目で見られていた。

 

 

 

 

 

1月2日

 

 今日は主に紅魔館でレミィ達と一緒に過ごした。

 

 レミィと妹様がやたらと、参護さんとのコトの進み具合を聞いてくる。

 

 そういえば、レミィも妹様も最近は恋愛小説と一緒に奥にある官能書籍の棚からも何冊か借りて行ってたわね。

 

 知識を得ると今までの日常からもその知識に類する現象を抽出しやすくなる。

 

 病気の知識を得たら、その知識からどの病気かを推測できるようになる。

 

 新しく覚えた漢字を人里なんかで良く発見するような感覚。

 

 たぶん、恋愛小説や官能小説から得た知識と設定が、参護さんと私、阿求や萃香と合致する部分があるから、興味が尽きないのだろう。

 

 私達の仲に興味を持っているのは悪い事じゃないけど、下衆の勘繰りって言うのも面白くは無いわね。

 

 と言う訳で、ちょっと過激な内容を教えておいた。

 

 顔を真っ赤にしながら興味深げに聞いていたレミィ達だけど、さすがに咲夜には止められた。

 行為について詳細に教える前にだ。

 

 顔を真っ赤にして動じている二人を見るのも楽しかったけど、咲夜に怒られてまで続けるものでもないし……ね?

 

 

 

 

 

1月3日

 

 大きな鍋でたくさんの具材を煮込む料理。

 

 参護さんに言われて、レミィ達にお裾分けするために、咲夜を呼んで半分ほど分ける。

 

 和のテイストは紅魔館ではあまり出されない食事だ。

 

 レミィが洋風の食事を好むというのもあるし、名前からわかる様に西洋出身の妖怪が多い。

 咲夜はレミィが付けた名前だけど、彼女も西洋系の容姿をしている。

 

 だから、どうしても洋に偏った献立になる。

 まぁ、洋の料理の種類だけでも相当多いから、特に問題ないのだけど。

 

 それ故か、和の参護さんの料理は物珍しさも手伝ってか、人気が高い。

 

 今回の汁物は咲夜が気に入っていたから、近々レシピ教えて貰いに来るんじゃないかしら?

 

 海原邸は紅魔館と扉を介して次元を繋げているから、出入りは自由。

 むしろ、紅魔館の中に海原邸がある様な状態ね。

 

 なにしろ、最近は海原邸で眠ってたら、小悪魔に起こされる。

 

 紅魔館で本を読んでたら、私のゆっくり妖怪が隣に居た。

 

 なんてことが普通にある様になったわね。

 

 一応、双方の家の住人に許可を得ることが条件になっている。

 

 でも、近いうちに出入り自由になりそうな雰囲気ね。

 

 

 

 

 

1月4日

 

 緩やかな時間。

 参護さんの膝枕を堪能しながら、みんなでまったりとした時間を過ごした。

 

 本を読んでいる時間は私の人生の一部。

 

 参護さんと過ごしている時間はなんだろう?

 食事や睡眠の様な必要な時間かしら?

 

 萃香と私が膝枕を、阿求が腕枕で眠った。

 

 参護さんの胸の上には代わる代わるにゆっくり達が乗っては堪能、乗っては堪能している。

 

 日がすっかり傾く程に堪能した私達。

 

 起き上がった時には、参護さんが両足と片腕を痺れさせていた。

 

 萃香が手を服の中に入れて遊んでいたので、私も便乗。

 

 和服は結構簡単に手を滑り込ませられるからいいと思うわ。

 

 阿求も一緒に楽しめたし、あの娘参護さんの体温を感じた後、嬉しそうに両手を胸に抱いてたしね。

 

 腕枕って結構密着するから、阿求も本当に嬉しそうだったな。

 




 官能編をやたら催促して来る友人にワロタ。

 そして、また真面目なトーンで
「下手にオリキャラとの関係性が純愛染みているからほのぼのしてしまうんだ! お前の長所はそこじゃない! ラブラブでも鬼畜でもいいから、エロさを!!!!」
 と言われました。

 いや、なんでそこまでエロさを求めるのか……。

 官能編は少し待ってくださいね。
 なんか、別にもう一つR指定作品欲しいって言われてるから、構想中です。

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