漸く、待ちに待ったリリカル編です。
二、三日の休息?
何故か逆に落ち着かなくって………。
主人公、一目惚れするの巻。
不屈の体現者
第一話 英雄の再臨
不死の英雄によって終焉を迎えた神の時代、しかし今となっては遠い遠い昔の話。
神ですら、最早英雄が存在して居たのか分からぬ程の気の遠くなる時間が流れたある日、一人の神がある思い付きをする。
『転生者』
彼らを使い、再び世界を我らの手に堕とす。
神の統治する世界を再び創る為に、彼等を起点に神の影響力を人の世へと。
しかし、神はこの理の中の人間を利用する事は出来なかった。
世界の壁は其れ程厚く、例えば、神の世界から穴を開けて干渉しようとしても人の世界その物に阻まれる。
人でない彼らは、人の為の世界に拒まれるのだ。
ならば如何するか。
その答えは、理の外に居る人間を連れて来れば良いと言う事だった。
此れならば、彼らの魂を利用する事ができ、且つその存在は人間。
人の世に紛れ込ませる事も可能だろうと、愚かな神は考えた。
計画は順調、集めた魂も百年の修行によって強くなった。
此れで世界を手中に収めれば、己は低級神から最高神まで格上げされるだろう。
愚かな神は、此れから訪れるであろう自身の栄華に思いを馳せながら転生者を送り込んだ。
順風満帆、小石どころか砂粒一つ道を塞ぐ物が無いように思えていた。
だがしかし、嗚呼悲しきかな。
その行為は、長らく眠っていた不死の英雄の逆鱗に触れてしまう。
ーーーー薄汚い神の尖兵達よ。
ーーーー君らに罪は無いが。
ーーーーその存在その物を私は許さない。
ーーーー魂の一欠片すら此の世に残しはしない。
ーーーー我が怒りの炎で滅却されると知れ。
私が彼と初めて出会ったのは五歳の時でした。
お父さんがお仕事で大怪我をして、お母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも、みんな忙しいそうで、良い子にしてなくちゃいけなくて。
一人で大丈夫だから、なのはは良い子だから、自分にそう言い聞かせて公園で一人ぼっちで居た時でした。
もしも、そこで彼と出会っていなかったら、きっと私は壊れていたと思います。
彼は何時の間にか目の前に居て、俯いていた私の顔を覗き込んでいました。
腰まで伸びたサラサラな銀髪。
肘から先の無い左腕。
包帯に覆われた右目。
表情が読み取れそうに無い顔。
そして、強い意思を覗かせる翡翠のような左目。
その彼の姿に、私は目を奪われました。
怖くありませんでした。
不気味さはありませんでした。
不思議な事に、私は彼の事を太陽のように暖かい男の子だと感じました。
その翡翠の目を見つめられていると心が暖かくなって、折れそうな気持ちが消えて、もっと頑張れるって思いました。
彼はじっと私の目を見つめ、やがてその唇を震わせました。
「嗚呼、なんと素晴らしい娘なのだろうか」
「今にも折れてしまいそうで、潰えそうな繊細なその心」
「しかし、その魂の輝きは何よりも眩しく、誰よりも美しい!!」
「君は、君こそが!!、私が待ち望んでいた存在なんだ!!」
「ふぇ?、えっと、あの、もしもーし?」
急に色んな事を言われて、私は少し混乱してしまいました。
そんな私の混乱など御構い無しに、彼は本当に、本当に嬉しそうに私の手を取って、こう続けました。
「貴女に恋をした」
「どうか、貴女の前に跪かせて頂きたい、花よ」
「そして、もし許されるならば貴女の側で、貴女を支えさせては頂けないだろうか?」
「隻眼隻腕の私だが、全身全霊で貴女を守護する騎士となる事を誓いましょう」
「ええっと、あの……」
「取り敢えず、お友達からで……」
これが私と彼の初めての会話で。
高町なのはの大切な大切な思い出です。
短めですが導入部です。
神様化した彼の口調は私、普段の生活では俺、となります。
転生者?トラックに跳ねられて穴に落ちて転生したよ?