トラブルメーカーアリシアちゃん!!
トラブルホイホイブレン!!
二人合わさるとブレンの心労がマッハになりますね(白目)
第百六話 アリシアの悪巧み
雪の降るとある休日、テスタロッサ家の一室にフェイト、アリシア、はやて、アリサ、すずかの五人が集まっていた。
「ふっふっふ、みんなに集まって貰ったのは他でもない、ブレンの事だ」
なにに影響を受けているのか、黒幕めいた喋り方をしながら他の少女達に向かって話掛けている、彼女達もアリシアの雰囲気に飲まれたのか、空気を呼んでそのテンションに乗ったのか神妙な表情で彼女の言葉に耳を傾けていた。
「最近ブレンとなのはが今まで以上にいちゃついていると言う事案が発生してるんだよね、これは実に由々しき問題だよ。ペディグリーチャムで買収したシフの話を聞くと、もう二人はアイコンタクトだけで会話が出来るレベルなんだって」
(姉さん、何時の間に……)
「で? 此処に私達を呼んだ理由は何よ、アリシア」
「まあまあ、慌てない慌てない、お母さん!!」
鳴らない指ぱっちん、カッコつけて居るようだが全然様になっていない。しかし天井の板が外れ、其処から病人とは思えない軽やかな動きでプレシアが降りてきた。 …………天井裏に設置されているカメラは見なかったフリをするのが吉だろう、少女達は皆同じ思いだった。
「はーい、アリシア。 例の物持って来たわ!!」
「おー、よしよし良い子良い子」
大の大人の頭を子供が撫でる光景、微笑ましい家族の一ページなのだろう、プレシアが涎と鼻血を出している事以外は、しばらくアリシアの撫で撫でを堪能したプレシアは、手に持っていたホワイトボードを設置し、フェイトに抱き着き頬擦りとキスをしてから退室して行った。
嵐のような親バカが去った後、アリシアは一つ咳払いをして仕切り直しをすると、ホワイトボードにさらさらと文字を書いていった。 其処には『議題!! 釣った魚に餌をやらないブレンをどうやって籠絡するか』と書かれていました。
「この星はともかく、ミッドチルダは税金さえ払えば一夫多妻が認められてるし、なのはから許可も貰ってるから大丈夫!! さあみんなでブレンを攻略しよう!! という事ではい、八神君!! 何か良い案無い?」
何時の間にか用意していた伊達眼鏡を掛けたアリシアが、指差し棒ではやてを指していた、指されたはやては胸を張り、堂々とした感じで立ち上がる。
「ふふん、アリシアちゃん、ええ判断しとるで。男たるもの、さしものブレンくんもハーレム願望の一つや二つ持っとる筈、それを刺激するには、ずばり、私ら全員で色仕掛けを掛けて理性を削るんや、こんな美少女達に迫られればブレンくんやって折れるやろ」
自分で自分を美少女と言うのは如何な物かと思うのだが、他に色々話し合った結果、はやての案以外に良さげな案が浮かばなかったようで、色仕掛けで行く方針に決まったようだ。 尚、彼女達には諦めると言う言葉は無いようである。
最近フェイト達からのボディータッチが非常に多くなっている、フェイトが顔を赤くしながら手を繋ぎに来たり、アリシアが背中に飛び乗ってきたり、はやてが露骨にパンチラを狙ったり、すずかが腕に抱き着いてきたり、アリサがあーんを敢行してきたりと前まではそれ程気に止めて居なかった筈なのだが、色々と心に余裕が出来たからなのか分からないが、妙にドギマギしてしまって仕方無い。 彼女達は皆美少女なのだからあまりそう言った事をされると、俺も色々と困る、主に理性的な意味で。 彼女達の事は嫌いと言う訳では無いし、寧ろ好きな方なのだが、俺にはなのはが居るし、恋人を差し置いて複数人の女性とスキンシップを取るのは不義理だろう。 だが意外な事になのははこの状況でもにこにことしているだけで何も言わない、その表情から察するに『一番が私なら別に構わないよ?』と言った意図が読み取れた、何が構わないのだろうか?
学校の帰り道、所謂恋人繋ぎと呼ばれる握り方をしているフェイトがチラチラと俺の顔色を伺っている、俺の反応を気にしているのだろうか? 背中にはアリシアが乗っており、小悪魔的な表情を浮かべながら頬擦りをして来ている。 捨て去ったハーレム願望が蘇りそうだ……。
その晩、なのはと一緒に湯船に浸かりながらここ最近の事を彼女に聞く事にした、どうにもなのはもこの一件に噛んでいるような気がしたのだ。
「ねぇ、なのは」
「ん〜? 如何したの、ブレンくん?」
「如何したのって、最近のフェイト達の事なんだけど……」
「いいよ〜、だってブレンくんの一番は私だから。 あっ、でもフェイトちゃん達以外の子はダメだからね!!」
「あ、あぁ」
勢い良く指を刺され、俺は思わず頷いた。 その反応を見てなのはも満足気に頷き、俺に抱きつきながらじっと顔を見つめ始めた。
「どうした?」
「ファーストキスってまだだったよね?」
「えっ? うん」
「じゃあ、それは禁止だよ? 私と済ませるまでは禁止」
「…………うん」
どうやら俺の意志は無いに等しい物らしい、みんながそれで納得しているなら俺も大人しく受け入れるべきなのだろう、自信は無いが。
抱き付いているなのはを抱き締め返しながら、本当に人生と言う物は何があるのかは分からんな、としみじみ思うのだった。
ブレンの日記
新暦65年 ○月X日
何だかハーレムが形成されつつある、ような気がする。
若気のいたりと言うか何と言うか、昔はその様な物も望んでは居たのだが、場所が場所だっただけにそのような妄想は即座に砕かれたので、今となっては恥ずかしい過去である。
話がそれたが、態度のおかしいシフをとっちめた所、どうやらなのはとアリシアの間で密約があったらしく、なのはを正妻に置いたハーレムを作る、と言う話が進められていたらしい。彼女達は俺の事を諦めきれないらしい、男冥利に尽きるとは思うのだが、それで良いのだろうか?
大人ブレンの日記
新暦79年 ○月X日
仕事から帰ると何やらリオちゃんがフェイトとシグナムに雷と炎の使い方を聞いていた。
ヴィヴィオに話を聞くと、どうやら彼女は自分の変換資質を持て余し気味らしく、参考になる話を二人に聞きに来たらしい。
『二人とも真面目に答えてくれないんだよ!!』
そう言ってぷりぷり怒っており、『そうだ、パパだったら何か教えられるよね!!』とキラキラとした目で聞かれ、リオちゃんコロナちゃんからも期待した目で見られてしまったので、張り切って教える事にした。
…………結果として『如何してそんな物騒な使い道ばっかりなの!? パパに頼んだのが間違いだった!!』と怒られてしまった、正座の状態でヴィヴィオに叱られたのは初めてだった。