マテ娘達の行ったドラングレイグはダクソ2とは似て非なる物とお考え下さい。
主に不死の呪いが存在せず、その代わりにマヌスの欠片が猛威をふるっている世界です。
これ以外はダクソ2と同じです。
第百十一話 親子喧嘩?
本来の目的を無視して過去の時代の母親に喧嘩を吹っかけたシュテル、訳も分からないまま恋人を寝取らせて貰うと宣言されたなのは、両者は同時にデバイスをセットアップし、バリアジャケットを展開する。
挑発に乗りながらも冷静に相手を見据えていたなのはは、ここで彼女に対して幾つかの疑問が生まれた。
(この子、何処と無く私に似てる……、顔立ちは勿論、デバイスやバリアジャケットも、それに表情もブレンくんにそっくりだ。 本当に何者なんだろう?)
レイジングハートを握りしめ、その切っ先を目の前にいる自分に良く似た少女へと向ける、相手も全く同じタイミングで杖を突き付ける。
「私の名はシュテル、訳あって姓は名乗れませんが、戦いの作法ですので名だけでも名乗らせて頂きました」
「私の名前はなのは、高町なのはだよ」
「えぇ、存じ上げております(実のお母さんですしね)」
「私が勝ったらその辺も含めて色々話して貰うよ」
「構いませんよ。勝てたら、ですが」
この瞬間にお互いに会話を切り上げ、話している間にチャージしていた砲撃を発射する。砲撃同士はぶつかり合い、その中間で大爆発を引き起こす、その際に巻き起こった爆煙と衝撃波で互いを見失う。
なのはは一度後退してシューターを展開しようとしたが、それよりも早くシュテルが爆煙の中から現れ、なのはに杖を叩きつける。 なのはは多重障壁を展開して防御したものの、シュテルのデバイスに接触した障壁が燃え上がり、無数の障壁を次々貫通させて行った。
なのはが驚愕する間も無く胸に叩き込まれる組み打ち、肺の中の空気を全て吐き出させられたなのはは、レイジングハートで殴り返すも、振るった杖をパリィされる。胴が開き、無防備となったその瞬間にシュテルによる踵落としがなのはに叩き込まれ、体勢を崩した隙に地面まで投げ飛ばされる。
アスファルトの地面に叩き付けられたなのはは、シュテルの行動を確認する事をせずに転がりながらその場から離れる。 不死の英雄の記憶を覗いていたからこそ取れた行動だったが、それが幸いし彼女はシュテルの追撃を回避する事に成功した。
先ほどまで彼女が居た場所にはシュテルがデバイスを深々と突き立てて居る、槍状になったデバイスはアスファルトを融解させながら根元まで沈んで居る。なのははシュテルがデバイスを引き抜く前に体勢を立て直し、その手足をバインドで固定し動きを止める。
一撃で沈めようと、なのははディバインバスターを放とうとしたのだが、発射直前になって両足が何故か凍り付き、思わず発射を中断してしまう。そして、砲撃を中断する事で春先だと言うのに周囲の気温が真冬のように身を切る寒さとなっている事と、シュテルのデバイスを中心に地面が凍結している事に気が付いた。
「私だけが一方的に貴女の事を知っていると言うのも不公平な話ですので、一つ私の得意とする事を御教えしましょう」
「得意とする事?」
「はい、私の得意技は『熱を吸収し、攻撃エネルギーへと変える』と言う事です、熱源さえあれば私は決して貴女に打ち負けません」
シュテルは凍り付いたデバイスを引き抜き、足の止まったなのはに杖を突き付ける、杖先には周囲一帯から吸収された熱が収束されており、圧倒的な強さを感じさせていた。
「私の勝ちですね、高町なのは」
「まだ、私は負けてないよ」
「生きていれば、負けじゃないと言う事ですか……。そう言われると思いましたので、このまま撃たせて頂きます。 ルシフェリオンーーーー」
シュテルがその熱線を射出しようとした時、上空から一人の少女が猛スピードでシュテルに接近し、飛び蹴りを後頭部に炸裂させた。
「こんの、大うつけがぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「あう。い、いきなり飛び蹴りとは穏やかではありませんよディアーチェ」
「穏やかも糞もあるかぁぁぁぁあ!! 本来の目的も忘れおって、お主は何をするつもりだったのか申してみよ!!」
「高町なのはを倒し、私が彼女と入れ替わります!! 髪は伸ばせば良いですし、愛想が悪いと言う自覚はありますが無駄にニコニコしてればきっと誤魔化せるはず!!」
「無理に決まっておろうが!! 与太話は其処までにしてさっさと我らの目的を果たしに行くぞ!! 早く供せい!!」
「目的? 何を言っているのですかディアーチェ、お母さんからお父さんを寝取る以上に重要な事はありませんよ?」
「へっ? お母さん? 私が!? …………ちょっと待って、ブレンくんを私から寝取るって言ってたけど、シュテルの話からすると君は私とブレンくんの間に出来た娘って事になるんだよね!?」
「あっ」
「大馬鹿者!! 自ら出自をバラして如何するのだ!? タイムパラドックスと言う言葉を知らんのか!!」
「ディアーチェ、まだ色々誤魔化せたにも関わらず貴女のその言葉で止めを刺したような物ですよ?」
「こ、この、自らの事を棚に上げおって、元をたどればお主がーー」
「えっと、あのー、もしもーし? ダメだ聞こえてない、口論が終わるまで待とう」
ああ言えばこう言う、シュテルの屁理屈とそれを片っ端から論破して行くディアーチェの説教の応酬、熱い口論となっている二人を尻目にレイジングハートを使って氷を溶かして行くなのは、バインドをしてしまうか否かを悩みながら取り敢えずフェイト達に連絡を入れる事にしたのだった。
次回、プレシア・テスタロッサ、水色の娘を誘拐する(白目)