不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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不屈の体現者 113

第百十三話 剣と拳

 

(ど、どうしましょうヴィヴィオさん!? いきなりヴィヴィオさんのお父様に見つかるとは思いませんでした)

 

(お、落ち着こうよアインハルトさん!! 下手なことをしなかったら多分パパだって何もしない筈だから!! パパのやる気が満々なのもきっと気の所為だから!!)

 

「お姉さん達、話し合いは終わったかい? だったら早く目的を吐いてくれないかな? こっちもきな臭い事が起こってるからあんまりお姉さん方に構っていられないんだ」

 

 

妹達が各々好き勝手に動いている中、アインハルトと共に真面目に闇術師探しをしていたヴィヴィオはブレンに足止めをされていた。

 

ブレンからして見れば、最近マヌスのような気配が再びこの街に現れ、それを探し回っている彼女達は不審人物にしか見えず、この二人がマヌスに関係する何かを企んでいる可能性があると踏んでいた。尤も、対峙して声を掛けた時点でそのような事をする人間では無いと分かったので、戦う気はさらさら無い、しかし何者かに唆されている可能性もあるので無視する訳にもいかない。

 

取り敢えず混沌の刃を構えて脅しを掛けているのだが、どうにも話が纏まっていない様子、早く吐いてくんないかなぁ、などとブレンが焦れ始めた頃、何を思ったのかアインハルトがブレンに対して拳を構えた。

 

 

(こ、こうなったら、ヴィヴィオさんのお父様を倒して逃げるしかありません!! このままでしたら手足を切り落とされて世にも恐ろしい拷問を受けてスリーサイズから好きな人まで洗いざらい全部吐かされるに違いありません!! その後は裸にされて同人誌見たいな展開にーーーー)

 

(アインハルトさん!? 色々考え過ぎておかしな方向に進んでますよ!? 後手降ろして!! じゃないとパパが本気になっちゃうから!! 手足切り落とされて拷問されちゃうからぁ!!)

「…………構えたって事はやる気で良いのかな? そっちのお姉さんは止めてるみたいだけど」

 

「やりましょう!!」

 

「アインハルトさぁぁぁぁん!?」

 

「……俺が勝ったら洗いざらい吐いて貰うよ」

 

「はい、分かりました。スリーサイズから何にから全てお教えします、ただし此方が勝ったら貴方のスリーサイズから何から全て教えて貰います!!」

 

「違うよね!? 違うよねアインハルトさん!! 落ち着きましょう、一回落ち着きましょうよ!! ほら深呼吸して?」

 

「ひっひっふー、ひっひっふー」

 

「それラマーズ法だから!! 出産の時の奴だから!!」

 

「愉快な、お姉さん達だね……」

 

やる気がどんどん無くなって行くブレン、しかし銀髪の女性の方は錯乱しながらもやる気満々、一度二人纏めて倒してしまった方が早いと判断した彼は問答無用で斬り掛かった。

 

身を低くし、踏み込みと同時に放たれる居合い斬り、錯乱していたアインハルトだったが、煌めく銀閃を前に正気を取り戻し、ヴィヴィオを抱き抱えて後ろへ飛び退き、紙一重で回避する。バリアジャケットの胸元が斬り裂かれてしまったが、そのおかげでアインハルトの頭が冴えてきた。

 

 

(冷静さを失っていたとはいえ、踏み込みも、抜刀の瞬間も全く見えなかった……、目に映った刃物に身体が反応出来なかったら今頃胴が泣き別れになっていた……)

 

(凄い、気が付いたら斬られてた。ううん、斬られてる事にすら気が付けなかった、多分不意を突かれただけじゃ無い、一度私達の視界から外れて死角に消えた後、呼吸の合間を突いて斬り掛かったんだと思う。 私だったらカウンターどころか反応すら出来なかった…………。やっぱりパパは怖いほど実戦慣れしてる、私とは戦いに関する価値観が違うんだ……)

 

 

二人は息を呑み、冷や汗を流しながら目の前の少年の恐ろしさを実感する。 アインハルトは短く息を吐き、拳を構え直してブレンから目を逸らすまいとする。ヴィヴィオもアインハルトと同じように拳を構え、真っ直ぐにブレンの目を見つめる。

 

 

(未来ではヴィヴィオさんのお父様と拳を合わせる機会など皆無、この際ですので私の拳が何処まで不死の英雄に届くか、挑ませて頂きます!!)

 

(…………パパの強さは相手の隙を付いて自分の流れに持って行く事を徹底している事、格上相手だったとしても石ころ一つ、視線一つで流れをひっくり返す事、その手腕、全力全開で勉強させて貰います!!)

 

(二人の目付きが変わった、やる気になったと言うより戦って何か掴もうとしているような目だな、それでいて勝つつもりでいる…………、どちらにせよ彼女達には事情を聞かなければならないし、乗ってみるか)

 

 

無言で対峙する両者、ブレンは二人が異常に自分の一挙一動を警戒している事を利用し、敢えて分かりやすく居合いの形を取る。 先の居合いが鮮烈に焼き付いている二人は否が応でもその居合いを警戒させられる。二人が十分警戒した所で再び居合い斬りを敢行する。

 

刀の柄を握って一つ、その状態から踏み込んで二つ、最後に踏み込んでから抜刀して三つ、以前あの放浪者に指摘された動きを見せて金髪の女性へと斬り掛かる。

 

斬り掛かられたヴィヴィオは落ち着いてその動きを見極め、カウンターを合わせようと拳を引き、そのまま突き出そうとした所でアインハルトが二人の間に割って入る。 彼女は先ほどの居合い抜きと違い、一挙一動が手に取るように分かったと言う事から、彼は何かを企んでいると察し無理矢理割って入ったのだ。

 

アインハルトのその予想は当たっており、ブレンの狙いは鞘打ちによるカウンター返し、動きのばらけている居合いを放つ事でカウンターを誘発し、無防備となった身体に鞘打ちを叩き込むつもりだった。

 

 

「覇王ッ!! 断空拳ッ!!」

 

「ア、アインハルトさん!?」

 

アインハルトの振り下ろした手刀、それは文字通り空を断ちながらブレンに襲い掛かる、ブレンは囮の為に抜刀しかけていた混沌の刃を納刀し、柄を使って上段から振り下ろされた手刀を弾き返す。 身長差によって多少押し込まれてはしまったが、上手く弾き返す事に成功し、彼女からの追撃や、もう一人の女性の攻撃を警戒して真後ろに大きく飛びのく。

 

 

(丸っきり戦いを知らないと言う訳では無い、か。これは下手をすると足元を掬われそうだ)

 

 

血払いをするように混沌の刃を一閃、仕切り直した後、目の前の二人をどう攻略するかと言う事に頭を捻っていった。

 




不屈の体現者 〜舞台裏〜

NGシーン 子供の不満 2

シュテル「と言う訳で、私は貴女の娘です」

なのは「う、うん、それは分かったけど、もしかしてシュテルって私の事嫌い?」

シュテル「いえ、全然。 大好きですよ? ですがそれ以上にお父さんをお慕いしているだけです」

なのは「良かった……、嫌われて無くて」

シュテル「一つ不満があるとすれば、二人ともいちゃつきすぎです、行ってらっしゃいのちゅーは勿論、お帰りなさいのちゅー、おはようのちゅー、おやすみのちゅー、もう三十路なんですから落ち着いて下さい、夜の営み用のバニーガールとかチアガールのコスプレも厳しいと思うのですが」

なのは「そ、それは私に言われても」

シュテル「まったく、これに懲りたら『明日仕事だから』とか『今日は疲れてるから』とか言って拒否して下さいね? 暫くそれが続いた頃にそれとなく私が捏造したユーノ司書長との浮気の証拠をお父さんに見せますから」

なのは「うん決めた、自重しない」

シュテル「何故ですか!! それでは私の若い身体をお父さんが求めないでは無いですか!!」

なのは「だからだよ!?」
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