但し、マテ娘達がブレンの娘なので、彼女も出自や性能が変わってます。ついでにマヌスの影響で闇堕ちしてたり(白目)
やり過ぎた感が半端じゃない(震え声)
まあ倒せなかったら倒さずに勝てば良いだけだしね。
第百二十六話 砕け得ぬ闇
マヌスの叫びと共になのは達の前に闇の泥の塊が出現し、その中から一人の少女が現れる。彼女は周囲の少女達に比べて頭一つ小さく、ウェーブの掛かった金髪と金色の瞳、へそ出しの長袖を着込んでいた。
邪神ですら手が付けられないと言っていた割には強さを感じない容姿、魔力量すら平均的な量しか感じられない少女。なのは達が困惑する中、邪神はその少女と自分達二人を結界で遮断する。
「これで我と貴様の一騎打ちに水を差す物はおらん、奴らも自分の身を守るだけで忙しいだろうよ」
「…………貴様は彼女達の実力を甘く見過ぎている、それにあの人数だぞ? いくらあの少女がーー」
「随分と平和ボケしたようだな英雄、それは数が質を圧すると言う言葉を覆した貴様が言う台詞ではなかろうに、まあ良い。気になるならば見ているが良いさ、ーーーーアレは格どころか次元が違う」
この直後、分断されたなのは達は一見普通の少女にしか見えない目の前の『システムU-D』と呼ばれた少女の力を思い知らされる事となる。
「…………ポイされちゃいました、散々弄り回した癖に手が付けられ無くなったら容赦無く捨てるなんて……昼ドラみたいです」
悲しそうに目を伏せながら緊張感の欠片もないセリフを吐いているシステムU-D、一応敵として差し向けられた筈なのだが話が通じるかも知れないので、代表してはやてが彼女との対話に望む。 元は彼女も闇の書の中に居たデータだ、もしかすればはやての言葉に耳を貸すかも知れない。
「えっと、し、システムU-Dちゃんで、ええんかな? 私は夜天の主人の八神はやてって言うんやけど……、ちょこっとお話したいんやけど」
「…………私もお話で済むならそうしたいのですが、邪神の所為でそうも行きません」
「えっとそこをなんとか……」
「今の私は理性で衝動を押さえられません、その辺りのタガをあの邪神が外して寄越した所為で全てを破壊しなくては気が済まない、文字通り全てを」
その言葉と共に彼女から息が詰まるような密度の魔力が溢れ出し始める。そして、その破壊衝動から濃密な殺気がその場に居た全員に襲い掛かり、その身を竦ませる。 彼女の放った殺気は恨みや憎しみと言った感情の篭らない殺気、ブレンのそれと似通っているように思えるが、彼にとっての殺しが作業なのに対し、システムU-Dのそれは自分の欲求を満たす為の物、殺気の質が違っていた。
彼女の顔からは表情と言う表情が消え去り、生気の感じられ無い瞳と底冷えするような声で自分の存在意義を告げる。
「私は全てを破壊し、世界を破壊する、その先へ至る為に……始まりの火を手に入れる為に」
「…………始まりの火、ですか。聞き捨てなりませんね」
世界を破壊し、始まりの火を手に入れる。 システムU-Dのその言葉に真っ先に反応し、行動を起こしたのはシュテルだった。
シュテルはルシフェリオンを構え、辺りの熱を根刮ぎ収束してシステムU-Dへと杖先を向ける。 始まりの火を手に入れる為に、自分の父が血反吐を吐きながら創り上げたこの世界を破壊すると公言した彼女に対してルシフェリオンブレイカーを最大出力で発射する。
カードリッジのマガジン一つ分のロードと路面が凍結するほどの熱を奪って繰り出されたルシフェリオンブレイカー、その威力は砲撃の射線上に存在する物体を灰すら残さず蒸発させる力を持っている。
そしてその砲撃はシステムU-Dへと直撃し、その彼女の身を焼き焦がしながら大爆発を巻き起こす。
(直撃? 馬鹿な!? 彼女は避けるそぶりどころか身じろぎ一つしなかった。私のルシフェリオンブレイカーは一撃必殺の威力を持っている、見れば分かるはずなのに……)
静かな怒りのままに放った一撃だったが、そのお陰で彼女の頭が急速に冷えて行く。 そしてシュテルの疑問、何故避けなかったのか、爆煙の中から聞こえて来た一言によって答えは直ぐに分かった。
「『覚えた』」
「おぼ、えた?」
「『ルシフェリオンブレイカー』」
システムU-Dが手のひらをかざし、シュテルへ向かってルシフェリオンブレイカーを撃ち返す。 彼女の手から放たれた砲撃はオリジナルの威力を遥かに凌駕しており、咄嗟に障壁を張ったお陰で即死だけは間逃れたものの、いつ死んでもおかしくない虫の息となってしまった。
着弾の衝撃で出来上がったクレーター、その中で横たわるシュテルには目もくれず、システムU-Dはゆっくりと目の前の敵達に向かって歩き出す。
「シュテル!? 待ってて、今治療するから!!」
「私には夜天の書のように蒐集した力を扱う力はありません、ですが深淵の邪神によって『自分が受けた技を増幅して返す能力』を手に入れてしまいました。そうですねこの能力を『ポジティブフィードバック・ゼロ』とでも名付けましょうか。私はこんな力など要らないのに……あの邪神は本当に余計な事しか出来ませんね」
「ポジティブフィードバック……だと?」
「何か、知っとるんかディアーチェ?」
「……こんな経験はありませんか? 些細な言い合いが大喧嘩になってしまったという経験。相手に悪口を言われ、自分はそれより強い悪口で返す、すると相手は更に強く悪口を言う。 これの繰り返しでねずみ算式にエスカレートして行く……、簡単に言えばこれがポジティブフィードバック現象のようなものです」
「その通りです、『昆虫の変態』『排卵』『磁場の形成』、自然界にはあらゆるポジティブフィードバック現象が存在しています。 そして、この力は究極的にはビックバンへと向かって行く力なのです」
経験、才能、努力、発想、技術、そのあらゆる全てを度外視し、超越する次元の違う純粋な『強さ』、それこそが邪神すら手がつけられ無いと明言したシステムU-Dの恐ろしさであった。
しかしそんな彼女の四方から近接戦闘を得意とするメンバーが襲い掛かる。
「ハッ、そのポジティブなんとかがすげーのは分かったけどよ、どうせ真似っこ出来るのは魔法攻撃だけなんだろうが!! ぶち抜け!!ラケーテン!!」
「受けてみろ!! 紫電一閃!!」
「リボルバースパイク!!」
「覇王、断空拳!!」
四人の攻撃が一斉にシステムU-Dへと殺到し、最後の一撃で弾き飛ばされた彼女への攻撃は此れで終わりでは無い、時を止めたフェイトとレヴィが吹き飛ばされた彼女の着弾点へと先回りし、それぞれの大技を構える。
「いくら受けた技を増幅して返せると言っても、停止した世界なら話は別なはず。 行くよ、レヴィ!!」
「うん、合わせるよお母さん!!」
「撃ちぬけ、雷神!!」
「いくぞ!パワー極限!雷刃封殺爆滅剣!」
レヴィの雷刃封殺爆滅剣、複数の巨大な雷球が無数の剣となり、システムU-Dに殺到する。 それと同時にフェイトがバルディッシュに巨大な魔力刃を展開し、全力で一閃する。 二人の技が決まったと同時に停止していた時が動き出し、システムU-Dは地面を転々と転がって行く。
皆一様に手応えは合った。しかし、これで倒れるほど彼女は甘くは無かった。
「…………誰が、『魔法しか覚えられ無い』と言いましたか?」
「な、に?」
「『覚えた』」
地面を転々と転がっていた彼女が飛び起き、知覚できない速さでアインハルトの懐へと潜り込み彼女の身体へとその小さな拳を叩き込む。 繰り出される技は覇王断空拳、だがしかし、技が決まる前にもう一つ別の技がそこへ加えられる。
「『覇王断空拳』プラス『ラケーテンハンマー』」
「二つの技を掛け合わせた!?」
アインハルトの懐へ潜り込むと同時に片足を軸にしてその場で一回転、遠心力を殺さないようにその状態から覇王断空拳を上乗せしてアインハルトの腹へと拳に捻じ込んで行く。
殴り飛ばされたアインハルトは碌に反応する事が出来ずにその拳一つで全身の骨を砕かれ、微動だにしなくなった。
「アインハルトさん!!」
「これでもまだ、無駄な戦いを続けますか?」
圧倒的力を見せ付けたシステムU-D、彼女の口から告げられた降伏勧告にも似たそれは、彼女本来の争いを好まない性格から出た物だった。
しかし、この降伏勧告を受け入れる者は居ない。
「……当たり前、だよ。 どれだけ貴女が強くても、諦めなければきっと勝てる筈だから!!」
アインハルトへと駆け寄りたい衝動を堪え、拳を構えるヴィヴィオ。 彼女の脳裏には不死の英雄が戦い抜いてきた旅路が思い描かれている、彼にできたのだからその娘である自分達にも出来ないはずは無いと、彼女はそう信じている。
システムU-Dはヴィヴィオの決意が見える顔に、僅かに羨望の表情を見せたものの、すぐさまその表情も消え去り、冷ややかな視線を浴びせながら真っ向からその意見を叩き潰す。
「……虚偽の勇気を口にしない方が良いですよ? 『努力は報われる』とか…、『可能性はゼロでは無い』とか…、そう言った勘違いは弱者の自己暗示に過ぎないのですから……」
その言葉を証明する為にシステムU-Dはフェイントも打たずにヴィヴィオへと突っ込み、リボルバースパイクを紫電一閃と掛け合わせながら叩き込む。
愚直な一撃はカウンターの格好の的だったが、彼女が纏う炎の規模が大きく返り討ちになりかね無い為に断念、その場から飛び退く事でその一撃は回避出来たが、回避の瞬間にヴィヴィオに彼女の手の平が突き出された。 見れば燃え盛っていた彼女の炎は消え、その足元は急速に熱が奪われて行く事によって地面が凍り付いている。
「『努力』や『祈り』は『奇跡』の発生率にはなんの影響も与えません、アリが一匹騒いだ所で星の軌道は変えられないのと同じです。 いえ、それ以前にーー」
突き出された手のひらから放たれるルシフェリオンブレイカー、回避行動を狙われた砲撃だった為、ヴィヴィオは防ぐ事しか出来ず、ガード越しに熱線を浴びてしまう。
「ーー星はアリの存在にすら気づかない」
不死の英雄伝 〜舞台裏〜
NGシーン U-Dちゃんとお勉強
システムU-D「私は貴方達をアリに例えましたが、良く良く考えれば分かり辛いですね。 なので図にしてみました」(伊達眼鏡+スーツ姿)
全員『えっ、えぇぇ……』
システムU-D(女教師ver)「このホワイトボードに書いておきましたのでご確認下さい」つホワイトボード
『第1位 私 システムU-D すごくつよい すごくかわいい すごくかっこいい』
ーー運が良かったらなんとか出来るかもしれない壁ーー
『第2位 不死の英雄 頑張れば私を倒せるかも?』
ーーーー越えられない壁ーーーー
『第3位 みなさん 残念賞 勝つことはあきらめましょー』
ーーーー何があっても越えられ無いし、越えさせない壁ーーーー
『最下位 邪神マヌス ゴミ屑 カマドウマのカルパッチョ ウーパールーパーの佃煮etc…』
システムU-D(女教師ver)(ドヤ顔)
はやて「邪神、嫌いなんやな……」
システムU-D「汚いじゃないですか、アレ。私なら十秒で捻り潰せますよ?」
はやて「……はっ、ははは、は(勝てるんかな、これ?)」
システムU-D「?」