不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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ユーリちゃんによる一方的な蹂躙が始まりましたね(白目)

でもこれ、魄翼使ってないんですよね(震え声)




不屈の体現者 127

第百二十七話 神速の槍

 

 

「理解しましたか? これが私と貴女達の絶対的な差です」

 

 

瞬く間に三名が戦闘不能となり、誰もがシステムU-Dの圧倒的強さに戦慄している中で彼女の声だけがやけに周りに響いている、これは己の強さをまざまざと見せ付けることによって相手の心を圧し折り、無駄な抵抗を終わらせようと言う彼女なりの気遣いから出た一言だった。

 

「私には弱者を甚振って悦に浸る趣味は無いので、早く諦めてくれると嬉しいのですが……」

 

 

地面に横たわる三人と、それを治療しているシャマルとなのはを一瞥した後、システムU-Dは悲しげに目を伏せながらそう続ける。 しかしその言葉の後、デバイスに組み込まれた竜狩りの槍を展開したレヴィが、切先をシステムU-Dへと向けて一歩前へと歩み出る。

 

 

「ふふん、生憎だけど僕らの辞書に『諦める』なんて言葉は存在しないんだ。 確かにお前の能力は完璧に見えるけど、僕とお母さんには通用しない!! そう、何故なら!!」

 

その瞬間、レヴィは加速と共に時を止め、停止した世界の中で全速力を込めてシステムU-Dを殴り飛ばす。 再び時が動き出した直後、その場から吹き飛ばされたシステムU-Dは、目を白黒させながらレヴィを見つめていた。

 

 

「お前は僕達に何をされたか分からないからだ!!」

 

システムU-Dの能力は正に最強と言っても過言では無い力を持っている。 しかし、相手の魔法、技、魔力の変換資質に至るまで、ありとあらゆる物を一次元上へと昇華させて使用できるその能力であっても、いくつか抜け道があった。

 

一つ目は、レヴィやフェイトのように時間を停止させて、その間に攻撃を仕掛けるという事。

 

この場合、システムU-Dは攻撃を受けると同時に技や魔法を覚える事は出来るのだが、その技なり魔法なりが『どう言った手順を踏んで発動しているのか?』『どんな力を持っているのか?』と言うことを理解する事が出来ず、覚えたそれらを使用する事が出来無い。

 

彼女の能力は、『見て』『受けて』『理解して』初めて形として『覚える』事が出来る。

 

例えるならば、ある人が他人の愛車に憧れ、同じ物を手に入れた。しかしその人は免許を持っておらず、自分の手に入れた車の動かし方はおろか、何に使うのかすら分からない。 無茶苦茶な話だが、今のシステムU-Dはこう言った状態なのだ。

 

シュテルのルシフェリオンブレイカーを覚えた際も、正面から彼女の熱収束を見て、その一撃を真っ向から受けて、そして構造を理解して、技として習得した。

 

だが、時を止められてしまうとそれらが出来ず、彼女の能力が不発に終わってしまった、という事だ。

 

 

二つ目は、彼女の能力が受け専門の力だという事。

 

攻撃を受け止めて肌でそれを理解する彼女の能力では、味方に掛けるようなブースト魔法や回復魔法と言った補助魔法は覚えられない。 勿論、実際にそれらの魔法を肌で感じれば覚える事は可能だが、味方への補助魔法を敵に使うものは居ないだろう。それと、これと同じような理由で彼女は時間を止める方法を覚える事が出来無い。

 

何故なら、レヴィやフェイトの時間停止能力はデバイスの補助を受けて加速した結果、周りが止まって見えると言う代物であり、世界その物を停止させている訳では無いからだ。

 

最後に、彼女は魔法や技術は覚えられても、武器の性能は覚えられ無いという事。

 

当たり前と言えば当たり前の話なのだが、なのはのレイジングハート然り、フェイトのバルディッシュ然り、派生強化された武器の炎や雷、月明かりの大剣の光波や竜狩りの槍の雷の槍等は例外無く覚える事が出来無い。

 

 

従って、時を止める事ができ、且つ魔法や技を使わなくてもデバイスの性能だけで何とか戦えるレヴィとフェイトはシステムU-D相手には非常に相性が良かった。

 

 

「さあ、お前なんか僕とお母さんだけでけちょんけちょんにしてやるからな!! (まあ、僕は未来のお母さんみたく一時間も二時間も時間を止める事なんて出来無いんだけどね。 出来て十秒二十秒位かな? でもめっちゃくちゃしんどいんだよね、これ……。 今はハッタリかましてるけど殴った感じもすっごく硬かったし、そもそもあの子やっつけるまでに何回も時間止めてたらこっちがバテちゃうから、此処は一旦ディアーチェ達から此奴を引き離して時間稼ぎに徹するべきかな?)」

 

『という訳でお母さん、僕達が時間稼ぎしてその間にシュテるん達の回復とディアーチェ達の頭脳班で何とか勝つ方法を考えて貰うって事でどうかな?』

 

『うん、分かった。 じゃあ精一杯時間稼がないとね?』

 

 

フェイトとの念話を終えて笑顔で返事を返したレヴィはそのままディアーチェへと念話を飛ばし、時間稼ぎを買って出る旨を伝えると、時を止めながらシステムU-Dの両脇をフェイトと一緒に抱き抱えながら可能な限り距離を引き離し、時間が再び動き出す前にシステムU-Dの側を離れておく。

 

 

何時の間にか二対一になっていた事に再び驚いているシステムU-Dだったが、直ぐさま冷静さを取り戻し、シグナムの紫電一閃で習得した炎の変換資質を使って拳に炎を纏う。

 

 

「二人だけとは正気ですか? いくら攻撃が見えずとも、戦って行く内に何らかの糸口を見つけますよ? そうなってしまったら、私は攻撃を貴女達に一回当てるだけで済みます。 それでもやりますか?」

 

「例えそうだったとしても、私達は君には捕まらないよ」

 

「そもそも、僕とお母さんは元々そういう戦闘スタイルだしね。 仮にもしそうなっても、僕は僕らしく笑って死んでやる、立ったまま、前を向いてね」

 

これは、レヴィの戦いにおける矜持だった。

 

どんなに絶望的な状況でも、次元の違う敵相手でも、決して怯えたり恐怖したりせず、笑って前を向いて、明るく振る舞いながら戦う事。

 

そうすれば、きっと道が開けると信じているから。

 

 

「最強な僕が良い事を教えてやるよ、『勝つ事』て言うのは何も『敵を倒す』って事と同じじゃ無いってね!!」

 

 





不屈の体現者 〜舞台裏〜

NGシーン マヌスの誤算


マヌス「どうだ? カップラーメンより早く三人脱落だ、我が彼方此方弄くり回したから相当な強さであろう?」

ブレン「…………別に私の場合魔法は手段の一つなのだから、それを使わなければ良いだけの話で、彼女との相性は悪くないんだが」

マヌス「あっ……」

ブレン「と言うか私はそもそもアインハルトのように派手な技も使わないからな、システムU-Dだったか? 私の前では彼女は唯の異次元的な強さの幼女でしか無い。 スペック的な強さが異常なだけならやりようによっては十分に勝てる」

マヌス「 」

ブレン「寧ろ闇術だのなんだのを使う貴様の方が相性最悪だろう? ゴキブリ並みに嫌われているみたいだし、あの子達が負けたら必然的にお前が次のターゲットに……」

マヌス「我、急用を思い出したから帰る」((((;゚Д゚)))))))

ブレン「貴様が張った結界だろう、それを消したら貴様はシステムU-Dに瞬殺されるぞ?」

マヌス「あれ? もしかしなくとも我詰んでる?」

ブレン「仮に私を倒せたとしても、間髪入れずにサシでアレと戦わなくてはならないからな」

マヌス「\(^o^)/<オワタ」
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