今回、今までのほのぼの路線とは打って変わって一部グロ注意。
第百四十二話 狂気の研究
プロジェクトF、正式名称『プロジェクトF.A.T.E』、記憶転写型クローンを作り出す事を目的とした研究だ。嘗てはプレシア・テスタロッサが携わり、フェイトを作り出したプロジェクト。
今では生命を冒涜する様な真似をしているこの研究は違法となっており、クロノの命令で俺はその禁を破っている研究所に潜入している、任務の目標はプロジェクトFを再び研究している者と出資者の素性を調べる事と、機械音痴な俺でもデバイスに命令すればハッキング位は可能なのだからと、決定的な証拠データを手に入れる事だ。
非戦闘員しか居ないこの場所での探し物は比較的簡単に終わり、この日の為にデバイスの性能を強化してあるのでデータの吸い出しもスムーズだった。天井裏から研究室の一角に忍び込み、パソコンにデバイスを差し込み息を殺して待つだけの仕事、荒事よりは楽だ。
しかし、たった一つだけ吸い出したデータの中にどうしても気になる単語が記されていたので更に調査を続行する事にした。
『新暦66年 6月 ジェイル・スカリエッティが我々に齎した『神秘の細胞』を使用したクローン製作は難航中である。この細胞を直接人体に投与した場合、拒否反応が起こると共にその姿を異形へと変貌させた後にその対象の自我を崩壊させながら潜在能力を開花させる事は以前から知られている事ですが、クローンを使用した場合も同じ結果でした。 唯一違う点が、異形となった者が自我と共にその体組織を崩壊させて行く点です。クローン製作後に細胞を投与した場合と、クローン製作時に細胞を投与した場合の二通り試しましたがやはり結果は変わらず、この結果から『神秘の細胞』に適合出来る人間は地道に探し出す必要があります。 その証拠に、本人と何一つ変わらない性能と記憶を持った『サンプルN.T』『サンプル F.T』『サンプル H.Y』を全て失い、細胞も使い切りました。やはり人形は所詮人形です、いくら『財団』の資金が無尽蔵であられても、この細胞自体がクローンを拒否している以上どうする事も出来ません。今後の御采配をお願いいたします』
『ジェイル・スカリエッティ』『財団』『神秘の細胞』、クロノに指定された情報は手に入れたが、奴らが研究している『神秘の細胞』と呼ばれている謎の物体の事を更に調べなくては帰るに帰れない。
末端の施設のに其処までの証拠は残されては居ないだろうし、神秘の細胞とやらも使い切られたらしいが研究資料位は奪取しなくてはならないだろう。
デバイスにデータの吸い出しをさせながら、『ジェイル・スカリエッティ』と『財団』と言う二つのワードについて考える。
先ずは『ジェイル・スカリエッティ』、彼は確かロストロギア関連や違法医療行為等で広域指名手配されている男だった筈、その無限とも呼べる欲望であらゆる全てを知らなくては気が済まないと言う性格らしく、どのような代償を払ってでも知識欲を埋める事を至高とし、道徳や倫理が決定的に欠落していると言う。
次に『財団』、彼らは謎に包まれた存在だ。彼らは数年前に何の前触れも無く現れ、管理世界に進出、地球の企業連に通じる科学力で瞬く間に成長し、今では管理局に次ぐ影響力を持った組織となった。
にも関わらず、彼らについて判明している事は代表の声とその科学力のみ、財団と言う名称も誰が付けたのか分かっていない。
デバイスが吸い出した情報に目を通すと、俺に喧嘩を売る内容が続々と露わになる。少なくともこんな研究をしている以上、彼らが頭がイカれた連中だと言う事は分かっていたつもりだった、しかしその認識は甘かった。
『あの白衣の男、ジェイル・スカリエッティ、彼が我々に与えて下さった『神の毛髪』から得られた細胞にはまだまだ謎が多い、遺伝子を調べても唯の人間の遺伝子であり、才能の欠片も感じられ無い、しかしこの毛髪からクローンを製作する事が出来ず、出来上がってもフェイト・テスタロッサのような不良品ばかり。その後、気まぐれで細胞を培養してラットに投与した所、体長が数千倍に肥大して同僚を数人食い殺された。 この事がキッカケでこの『神秘の細胞』には生物を進化させる力が備わっていると仮定、これを用いれば人間の手で神を創り出せる可能性がある、これからも調査を続行する』
『サンプルN.T 高町なのはの細胞から作り上げたパーフェクトクローン。記憶、性格、才能の全てを引き継ぎ本物と比べても何の遜色の無い個体であり、神秘の細胞に適合する可能性が最も高く、人工の神を作り上げる事が出来ると期待されていた。 神秘の細胞を投与後、体組織の変貌と崩壊により二十四時間もがき苦しんだ後、恋人の名前を泣き叫びながら全身が破裂、その後一時間は培養液内で生存させられたが更に培養液内で破裂して死亡』
『サンプルF.T プレシア・テスタロッサの作り出したクローンを量産、この個体も又前記の個体と同じく非凡であった為、神秘の細胞を投与するも直後に全身の細胞が液化、全身が溶けて行く事に恐怖し、母と姉の名を呼びながら死亡』
『サンプルH.Y 夜天の主人にして歩くロストロギア、この個体の再現にサンプルN.Tの数十倍の資金と時間を掛けて製作した為、一縷の望みに掛けたものの失敗、細胞投与後全身の骨が捻れ首がもげ飛んだ、徐々に捻じ曲がってゆく身体に絶叫し、半狂乱しながら守護騎士の名を叫び続けて死亡』
なのは達とはもう四ヶ月程連絡を取れていないのでこの任務が終われば地球に帰るとクロノに宣言していたのだが、逆に帰る訳には行かなくなった。
此奴らを根絶やしにしない訳には行かない、末端だろうと情報を知らなくても、関係者は例外無く皆殺しだ。 でなければなのは達に害が及ぶ、この腐れ外道共は俺のなのは達を実験材料として使い捨てる。
粗方の情報をデバイスに吸い出すように指示した後、他の研究所の場所を検索させながらデバイスから混沌の刃を取り出し、研究員を皆殺しにする為に研究室から出るのだった。
その一時間後、この研究所は血の海に沈む。
宣言通り、研究員は老若男女問わず皆殺しとなり、命乞いすら斬って捨てたブレンは殺した者の血液と脂を使い、壁に血文字を描いて行く。
『貴様らが売った喧嘩だ、例外無く全て殺す、誰一人生かして返さん』
壁に描かれた血文字の戦線布告、研究所の監視カメラ映像を別の施設から眺めていたスカリエッティは狂気を含んだ笑い声を上げ、財団は歪んだ笑みを浮かべる。
この出会いと衝突が後に大きな波乱となって世界を大きく二分し、数多くの血が流れる結末となるのであった。
マジキチ×マジキチ=超マジキチ(白目)
この世界のスカさんマジで頭が逝かれてます。