漸く隊長達のイベントが消化出来ました。
ススもその内出しますが、暫くはまた平和タイムです。
第百五十八話 作戦の結末
大王の大剣の力を使って身体の怪我を完治させた後、辺りに散らばる武器達を回収してから隊長達が潜入している研究所へと向かう。
隊長達が生きていればそれに越した事は無い、その場合彼らは通信に出る事の出来無い状況だった、と言うだけの話で終わる。 だが、万一誰一人生き残りが居ないのならば、せめてその亡骸だけでもミッドチルダに埋葬してやりたい。
十中八九全滅ないしそれに近しい状態だろうが、ジャミングや交戦中の可能性も捨て切れない以上、憶測でしか判断が付かないのでどの道確認に行く必要がある。
砂漠の砂に足を取られながらも暫く歩き続け、目的地まで到達したのだが、其処には正に地獄絵図と言うに相応しい光景が広がっていた。
研究所周辺には隊員達やマグリブ解放戦線の者達の成れの果てが転がり、砂は血に染まっている、誰の物か分からない臓物が腐臭を漂わせ、彼方此方から人間が焼ける独特の匂いが漂っている。
周りを見渡せばグレネードやガトリング砲、ロケットランチャー等の質量兵器が使用された跡がある、アマジーグが質量兵器を使っていた事から、他の仲間達も質量兵器を保有しているとは思っていたが、まさかこれ程とは思わなかった。
一通りの戦死者を確認した後、その死体の山を踏み越えて研究所内部へと入ったのだが、此方は更に凄惨だった。
天井にまで飛び散る血痕が戦闘の激しさを物語り、力尽くで首を引き千切られた様な亡骸を始め、心臓を抉られている者や正中線に沿って両断されている者、壁に磔にされて絶命している者など、数えればキリが無く、何より殺害方法の毛色が違っていた。
質量兵器を搭載した無人機の残骸が周辺に幾つか残っているものの、この大虐殺を行える代物では無い。
この無人機達はマッスル・トレーサー、通称MTと呼ばれている物で元々は作業用として作られていた物だったが、財団の手によって軍事用に再開発され、数多のテロリストや管理外世界に販売されている代物だ。
俺も何度か交戦したが、基本的にMTは重火器を使用した攻撃を行う物なので彼らの殺害法と一致しない。
付け加えるならば、この無人機達は隊長達の手によって盛大に破壊された跡が残っている、壁もブチ抜かれているのでクイントさんが張り切っていたのだろう。
あの三人ならば質量兵器相手であろうと遅れは取らないだろう、寧ろ他の隊員達を守る余裕すらあるだろうから彼らの死因は此奴等では無い。
となると、残る可能性は俺が仕留め損ねたジョシュア=オブライエンや彼の様な傭兵、この研究施設で作られていた戦闘機人、俺を殺す為に作られたナインボール・セラフの三つ、この分だと隊長達の生存は絶望的だろう。
奥へ奥へと進むにつれ、次第に破壊痕が激しくなって行く、様々な所で火の手が上がり、スプリンクラーが起動する中にその人は立っていた。
クイント・ナカジマ、シューティング・アーツの使い手でありその実力は折り紙付き、隊の仲間からは『明るくて強い姐さんタイプ』と言われて慕われていた。
彼女は自分に子供が出来なかったからか、やたらと俺を子供扱いする困った人だったが、例の一件で色々と溜め込んでいた俺を常に気に掛けてくれていた。
「………………ちゃんとした御礼、言えなかったな」
彼女は立ったまま、拳を振り抜いた体勢で絶命していた。
拳の先を視線で追って行くと、壁に大穴が開いている、何者かと交戦し、殴り飛ばした所でその命が尽きたようだ。
クイントさんの遺体は発見出来たが隊長とメガーヌさんの姿が不思議と見当たらない、火の手が回る限界まで探して見たものの結局発見出来ず、仕方無くクイントさんと惨殺された隊員達の遺体だけを施設内から運び出し、外に転がっている者達を選別しながら隊員の死体を一ヶ所に掻き集める。
ドッグタグを一つ一つ確認して行き、隊長とメガーヌさん以外の遺体が揃っている事を確認した後、作戦の結果をレジアス中将に報告する。
俺の報告を受けた彼は重く息を吐き、無言のまま通信を切った、通信越しではその表情を伺い知る事は出来ないが、相当に堪えている事は此方にも十分伝わって来た。
親友が死亡したにも関わらず作戦は失敗、その心中は如何なる物か……。
大人モードを解除し、中将からの指示を待つ事三十分、彼から此方に折り返し連絡を受けた。
若干声は枯れていたが人の上に立つものとして弱味を見せる訳には行かないのか、何事も無かったように俺に帰還命令を下す。
『貴様は今すぐに帰還しろ、隊員の遺体は此方で回収する』
「……了解」
『……貴様にも思う所があるだろうが、砂漠の狼を撃墜した貴様に万一があった場合、此方の士気に関わる問題になる』
「…………自分の持つ肩書きが、周囲にどれ程の影響を与えるかは重々承知しています」
俺が陸に配属となってからと言うもの、陸の人員不足が大幅に解消されて行っている。
それ程太陽信仰は幅広く、そして根深く広まっており、それに比例して俺の持つ肩書きは重みを増して行く。
慢性的な人手不足に悩まされている管理局にとって、俺は正に金の卵を産む鶏、状況が状況だった為にアマジーグ達と交戦する事になったが、本来ならこの戦場に投入したくは無かっただろうな。
何故なら、もしも俺がアマジーグに敗北する事があれば管理局全体の士気が落ちる事は勿論、俺の絶命と共になのはも同じ運命を辿る事になり、フェイトやはやて、守護騎士の面々の士気もどん底になるだろう。
そうなれば反体制勢力を抑えることが出来なくなるのだが、俺がアマジーグに勝ったとしてもまた別の問題が現れる。
この星を中心に各主要地域を襲撃し、勝利を収め続けていたアマジーグはその過程で一個大隊を単騎で壊滅させたと噂されている。
真偽の程はともかくとして、それ程の強さの男を同じく単騎で撃墜した男を恐怖せずにいられるか?と言う点と、実力だけで無く発言権すら得てしまうような功績を手に入れた彼が次はその矛先を此方に向けない保証はあるかと言う点だ。
単騎で魔王を倒した勇者は民衆に受け入れられるかもしれないが、倒せと言った王はそうやすやすと勇者を受け入れる事は出来無いだろう。何故なら彼は自分と同じ人間、万一野心が芽生えてしまえば第二の魔王となるからだ。
仮に、清廉潔白だったとしても魔王より強い勇者を所有しているというアドバンテージが圧力に変わり、要らぬ反感を買う可能性もある。
二つとも極論のような物だが、時空管理局と銘打った組織なのだから上層部も馬鹿ばかりではない。今回の一件で身の振り方を考えなくてはならなくなったな。
俺は面倒な肩書きの所為で思うように動く事が出来ない事に嘆息しながら帰還。後の事は向こうに任せて俺は自宅へ真っ直ぐに帰り、漸く其処で涙を流すのだった。
滅茶苦茶今更ですがこの作品はstsに向かうにつれAC要素が強くなって行きます、と言っても敵として出て来て貰うだけなのでしっかりと死んで貰いますが、その関連で敵はバンバン質量兵器使ってきますので『管理局の法? 何それおいしいの?』状態になります。
ですので、原作キャラも状況次第では止む無くリンクス達を殺害する事になるかも知れませんのでお気を付け下さい。