そろそろ200話の大台が見えて来ましたね(白目)
200話になったら又記念に未来組で小話でも作ろうかな(震え声)
第百六十九話 デート 八神はやて編
街中を腕を組みながら歩くはやてとブレン、今日は動物園に行く予定なのだが、ノリノリなはやてとは対照的に、ブレンはあまり乗り気では無かった。
と言うのも、一度幼少の頃にブレンの情操教育と言う名目で動物園に連れて行って貰った事があるのだが、当時のブレンはなのは第一の性格であり、檻越しの動物達が万一にもなのはに危害を加えない様に高町家の誰にも気付かれずに脅して回った過去があるのだ。
その結果、その動物園は閉園に追い込まれ、飼育されていた動物達は軒並み対人恐怖症を植え付けられた。
やってしまった以上は仕方ないのだが、彼はそう言った事が合った手前どうにも動物園や水族館と言ったレジャー施設が苦手であった。
そんな彼が何故その手の施設に行く気になったのか、それは以前ルーテシアを連れてその手の施設を回った事があり、その時の話が彼女の口から八神家で上がったからである。
「いや〜、ブレンくんは不思議とこう言った場所に行こうとせえへんかったからなぁ、なんや新鮮やな」
(……何もかもを忘却していた頃だったとは言え、我ながらやり過ぎたと反省している出来事だったから出来れば近寄りたくは無かったんだけどね)
ルーテシアを連れて行った時は大声で泣き喚いたり、髪の毛を束で毟り取ったり、足で首を締めると言う行為で盛大に抗議してよこしたので無視する事が出来ず、渋々連れて行く事になったのだ。
しかも、件の妹様は動物園に着いた途端に船を漕ぎ始め、一通り周り終わる頃には涎と鼻ちょうちんを出して爆睡しており、ブレンの背中は唾液でベタベタになっていた事も合わさって動物園自体にマイナスイメージしか抱けない。
しかし、何時迄も暗鬱な気分で居てははやてに申し訳無いし、何より毎度毎度問題が起こる訳は無いだろうと高を括っていた彼は気分を切り替えて動物園を楽しむ事にした。
そうして足を踏み入れた動物園『キサラギ・アニマルパーク』、此処はオープンしたばかりの施設で色々と気合いが入っているらしい。
入場の際にスタッフの人から頂いたパンフレットには『他には無い生物達が君達を待っている!!』と言う謳い文句が描かれており、中々期待出来きそうだ。
はやてはキサラギと言う名前が入っている事に顔を引きつらせていたが、動物園と銘打っている以上、ゲテモノは出てこないだろうと思い直し、ブレンの腕に自分の腕を絡めて行く。
そんなはやての意気込みも虚しく、初っ端に観えた檻の中に信じられ無い物がブチ込まれて居るのを発見し、思わず硬直してしまった。
彼女の目に映った物は河童、緑の肌をして甲羅を背負い、頭に皿を乗せたそれは檻を揺さぶりながら手を伸ばし、目が合ったはやてに向かって助けを求めていた。
「か、河童ァ!?」
「ヌゥアアーーー!!……プリーズ……ヘルプミー……」
「な、なぁ、ブレンくん? 気の所為か分からんけどあの人私に助け求めてへん?」
「気の所為じゃ無いかな?」
「えっ? いや、あの、助け求めて……」
「気の所為だって、第一河童が喋る訳無いだろ?」
「プリィィイズ!!」
「いやいやいやいや!! バッチリ助け求めてきてるから!! 懇願する眼差しでコッチ見てきてるから!! あからさまに何か実験された跡が残ってるから!!」
「…………河童君、君は此処の生活が頗る気に入っているね? ならば私とはやてのデートの邪魔をする必要も無い筈だ……違うかね?」
はやてが河童の事を気にしている事が癪に触ったのか、デートを妨害された事が気に入らないのか、ブレンは底冷えする様な冷たい声を出しながら指向性を持たせた濃密な殺気を河童にぶつけ、言外に『Yes or dead』の選択肢を押し付ける。
元神の尋常ならざる殺気に当てられた河童は頷く事しか出来ず、先ほどの態度から一変、檻の中の生活がとても気に入っている素振りを見せ始めた。
「さあ、問題は無くなったよはやて?」
「…………河童さん、強く生きてな、私には何もできんみたいやわ……」
急に河童が大人しくなった事に、ブレンが何かやったのだろうと辺りを付けたはやてだったが、ブレンの声のトーンが非常に低く、一人称も『私』になっており、目も座っていた。そんな彼の変化にも関わらず、河童を助けようとして変に子供っぽいブレンを拗ねさせてしまうと折角のデートが台無しになってしまうので、はやては河童の助け声を聞こえなかったフリをしてその場から立ち去った。
河童の其の後が気になりつつも、若干臍を曲げているブレンを宥めながら動物とは名ばかりのクリーチャーだらけの園内を散策する事数分、『トロルコング(自社製品)』と書かれた檻の中に居る四本腕のゴリラらしき何かからはやてに向かって何かが投げ付けられる。
はやてがその物体に反応するよりも早くブレンが投擲されたそれをパンフレットではたき落し、殺気と敵意を振りまきながらトロルコングの群れを睨み付ける。
はやてが何気無くその物体に目を向けると、そこに広がっていたのは大便、所謂ゴリラの糞であった。
「うぇ!?」
素っ頓狂な声を上げてその場から飛び退いたはやてであったが、人垣が分かれる程の殺意と敵意を放っているブレンが檻の中に乗り込もうとしているのを発見し、慌てて背後から羽交い締めにして彼の蛮行を止める。
「待てぇい!! あかんて!! 私は気にしてへんから許したりーな!!」
「……離すんだはやて、君が許したとしても私が許しはしない」
「此処は動物を見て楽しむ場所やで!? リアルモンスターハンターやらかす場所とちゃうんやで!?」
「私は自分の女に手を出されておめおめと引き下がる男では無い、あの低脳な猿共に私の逆鱗に触れた事を後悔させねばならん!!」
「ああぁ、もう!! ほら、次の動物を見に行くで!!」
はやては動物の些細なイタズラに本気でキレているブレンを引きずり、何とか彼を休憩所まで連れて行った。
「はぁ、はぁ、まったく、ブレンくんは、少し、私らの事になると沸点低くないか?」
「……自覚はあるよ」
「まあ、そんだけ私らは愛されとるちゅー事やから許したる」
ほんなら気を取り直してこのクリーチャーばっかりの謎動物園を楽しもか、そう言ってはやては再びブレンの手を引いて園内を散策するのだった。
不死の英雄伝 〜舞台裏〜
NGシーン 些細で大きな問題
ブレン「ところではやて、前々から思っていた事があるんだけど、良いかな?」
はやて「ん? なんや、言うてみ?」
ブレン「いや、さっき羽交い締めにされた時に背中に君の胸が当たってさ」
はやて「ふんふん」
ブレン「……なのはやフェイト達に比べてなんと言うか、ボリュームが」
はやて「あん? なんやて? 何が言いたんや?」←ドスの効いた声
ブレン「いや、はやても並み以上なのは分かるけど、その、なんと言うか、物足りなさが……」
はやて「あっはっはっは、ブレンくんは命知らずやなぁ」←チョークスリーパー
ブレン「……ッ!!……ッ!!」
はやて「このまま締め落としてお持ち帰りしたるよって覚悟しぃ、そんで二度とそんな口聞けへんようにしたる」