次回からマグリブ残党編に入りますのでほのぼの?は一旦終わりです。
第百七十六話 デート フェイト・テスタロッサ編
ロードラン一周旅を終えて暫くした頃、フェイトからデートに誘われた。
彼女は『如月グランドパーク』と言う遊園地のペアチケットを持っていた、何でもこのテーマパークに足を踏み入れたカップルは幸せになれると言うジンクスがあるとか。
「だから…、その…、ブレンと幸せになりたいなぁ……って」
俺はそう言ったジンクスは信じないのだが、顔を赤らめているフェイトの様子を見ると彼女は信じて居る様だ。
キラキラとした瞳をしているフェイトの夢を壊すのもどうかと思ったので、俺は素直に彼女の誘いを受けてフェイトと二人でこのテーマパークに足を踏み入れたのだが、如月の名を冠する遊園地にしてはまともな事に驚いていた。
「意外に普通のテーマパークだ……」
「ブレンはどんな遊園地を想像してたの?」
「AMIDAが闊歩してたり、よく分からない生物が蠢いていたり、トンデモアトラクションだらけの遊園地」
「あ、あはは、流石の私もそんなテーマパークには行きたくないかなぁ……」
「だから俺もおかしいな、と思っていたんだ」
そんな事を話しながら園内を歩いていると、一組のカップルの写真が飾られているのをフェイトが発見した。
「ねえ、見てブレン」
「うん?」
「あの人達結婚するんだって、素敵だよね」
それは恋人にアイアンクローを喰らった男性の写真で、ハートマークの縁取りをされて『結婚します!!』と書かれている、この男の気は確かなのか? そしてフェイト、これが素敵って君は実は加虐趣味者だったのか? まさかアイアンクローが羨ましいと言う様な意味なのか?
しかもその隣には両者の詳細なプロフィールが掲載されており、女性の方は『初めて出会ったのは小学生の時』『意識し始めたのはいじめっ子から助けて貰った時』『将来の夢はお嫁さん』等詳しく書かれている、男性の方はと言うと『以下略』とだけ書かれていた、不憫な……。
『私達の挙式は如月グランドホテルの鳳凰の間、別名鯖の味噌煮で行なう予定です』と記されている、重ねて言うがこの男気は確かなのか?
「結婚式かぁ……、ねぇブレン、大人になったら絶対に挙げようね!!」
「…………少なくともこのテーマパーク以外でね」
一生記憶に残るであろう人生の晴れ舞台が『鯖の味噌煮』で行われるだなんて最悪にも程がある、俺は自他共に認める変人だが流石にコレは無い。
羨望の眼差しで変人カップルの写真を眺めているフェイトを連れてその場を後にした俺は、彼女が変な影響を受けないように近くにあったアトラクションを楽しむ事にした。
「ほらフェイト、折角遊園地に来たんだからアトラクションを楽しもう」
「うん、じゃああのお化け屋敷に行こうよ」
そう言ってフェイトが指差した先にはお化け屋敷があり、入り口の直ぐそばにあの変人カップルの写真が飾られていた。
写真のすぐ側には『此処で彼は結婚を決意しました!!』と大きく書かれており、男性が身を固める決意を促す効果が有りますと宣伝されていた。
「行こ? ブレン」
「…………敢えて何も言うまい」
下手なコメントをすれば確実に傷を負う一文な為、黙ってフェイトの指示に従い、そのお化け屋敷の中へと入って行った。
お化け屋敷内部は薄暗い照明の中、卒塔婆と墓石が立ち並び、辺りには何かの骨が散乱していた事もあり中々の雰囲気を感じる。
フェイトは入ったものの、思った以上に怖かったのかさっきからずっと俺の腕に抱き付いて離れようとしなかった。
確かに、自分の彼女のこの様な姿を見れば結婚に対する意識が高まるのも頷ける、あの男も丸っきり変人と言う訳では無かった様だ。
フェイトの事を気遣いながら一歩一歩暗い道を歩いていると、首が捻じ切れた人や身体が二つに折れ曲がった人、正中線に反って頭を斧かなにかでカチ割られた人などが俺達を脅かしていたのだが、フェイトは恐怖のあまり彼らに気が付いていない様だった。
フェイトが上げる可愛らしい悲鳴を楽しみながら歩き回る事数十分、途中で冷たい手に首を絞められたり、足を掴まれたりしながら出口まで到着した。
「こっ、怖かったね、ブレン」
「そうだね、頭がザクロ状態になった男とか、腰が折れて身体の畳まれていた人とか、首が捻じ曲がっていた人とか中々のハイクオリティだった」
「……えっ?」
「途中で首を締められたり、足を掴まれたりと凝った演出もしてくれた様で俺は十分満足できたよ」
「……ねぇブレン、そんな人達居なかったよ?」
「えっ? 墓石と卒塔婆の間に居ただろ?」
「は、墓石も、卒塔婆も、無かったよ?」
あからさまに声が震えているフェイトの様子から嘘を言っていない事が分かる、後ろを振り返ってお化け屋敷の中を覗いてみると、俺が先程まで見ていた光景とは全く違う光景が広がっていた。
「……俺は何を見ていたんだ?」
「……若しかして、幽霊?」
「……こう言う場所には集まるって言うしね」
まあ、本当に幽霊だったとしても斬ってしまえば済むだけの話だし、これ以上フェイトを怖がらせるのも可哀想なので冗談と言う事にしておいて別のアトラクションを堪能する事にした。
不死の英雄伝 〜舞台裏〜
NGシーン 怖がりふぇいとさん
フェイト「ねぇブレン、わ、私、今晩一人で眠れそうに無いんだけど……」
ブレン「フェイト、さっきのは冗談だと言っただろ? 今の事は他のアトラクションを回っている内に忘れるさ」
フェイト「そ、それでも忘れられ無かったら?」
ブレン「……前々からフェイトがしたいって言っていたプレイをしてあげる」
フェイト「頑張って忘れない様にするよ!!」
ブレン(フェイトの要望は毎回毎回エスカレートして行くからなぁ……出来れば忘れて欲しいんだけど、無理そうだなぁ)