妹様の被害者が一人増えますやったね(白目)
第百八十一話 妹様とお友達
マグリブ解放戦線の残党が起こしたテロ、その際に使い魔と共に二名のリンクスを撃破した事からブレンは半ば強制的に将官となり、多忙な日々を送っていた。
あれから暫くの間はルーテシアも良く魘されたりしていた為、手の離せないブレンはなのは達に気分転換をさせてやって欲しいと頼んでいた。
これはそんな一日。
フェイトさんに連れられて、私は今時空管理局の本局に来ている、今はあんまりこの場所に近寄りたくなかったけど、フェイトさんがどうしても合わせたい人が居ると言うので渋々付いて来た形だ。
私は戦いと言う物を何処か甘く考えていた、前はあんまり気にしていなかったけど、兄さんとお風呂に入った時も兄さんの身体は古傷だらけだった、戦うと言う事はつまりはそう言う事だったのだろう。
自分らしく無い、ウジウジと物事を考えている自分にそう自嘲していると、どうやら目的の人物が到着したようだ。
「お久しぶりです、フェイトさん!!」
「うん、久しぶり、エリオ」
その時、私に電流が走った。
燃えるような赤い髪、柔和な笑顔と優しそうな雰囲気、何よりイケメンである、コレは
先程までの憂鬱加減が嘘のように晴れて行き、どうやって彼で遊ぶかと言う事に思考を巡らせて行く、我ながら現金な物だ。
後にエリオは語る、この時猛烈に嫌な予感が全身を駆け巡って行った、と。
「始めましてエリオくん!! 私はルーテシア・アルピーノ!! 長いから超すーぱーすぺしゃる美少女ルーテシア・アルピーノ様で良いよ」
「うわぁ…この子強烈なキャラしてる…」
「何か失礼な事言った?」
「あっ、いえ、なんでも無いです」
「じゃあほら、名前を呼んで? さぁ!! さぁ!!」
「る、ルーテシア、ちゃん?」
「ちっちっち、『超すーぱーすぺしゃるうるとら美少女』と様付けが抜けてるよ、エリオくん」
「増えてる、増えてるから」
「もー、男の子でしょ!! 細かい事気にしちゃダメだよ!!」
「えっ、えぇ……」
何この子、兄さんよりも面白い。
最近のあの人は慣れてきたのか、あまり面白い反応を返してくれなくなってきた、その点エリオ君は合格だ、反応も面白いし、これは例の計画を発動するべきだろう。
(見た目は私のストライクゾーンど真ん中、反応もバッチリ、将来の事は分からないけど好青年間違い無し、決まりだね)
(何だろう、凄く悪寒が走るぞ……)
背筋を震わせるエリオ、獲物を見つけた様な肉食動物の様な瞳でエリオを見つめるルーテシア、そんな様子の二人を微笑ましく眺めているフェイトだったが急に通信が入り、慌ただしく退出して行った。
「ふ、二人っきりだね、エリオきゅん」
「エリオきゅんは辞めて、ルーテシアちゃん」
「えっ、じゃあ、何て呼べば良いの?」
「普通で良いから、普通で」
「じゃあ普通くん、フェイトさん行っちゃったしこれからどうしようっか」
「そこはかとなく罵倒されてる気がするから普通くんも辞めて?」
「じゃあ何て呼べば良いのさ!!」
「普通に名前で呼んでよ!!」
「エリオきゅんで駄目出し出したのはエリオくんじゃん!!」
「今ので良いんですよ!! 今ので!!」
「もー!! エリオきゅんは我儘だなぁ」
「ちがーう!! そっちじゃ無い!! 後の方!!」
「普通くん、で? 此れから如何するの?」
「駄目だ……勝てる気がし無い……」
「うんうん、合格だよエリオくん」
「……あ、ありがとうございます(何が合格なのかは聞か無いでおこう)」
がっくりと膝をついて項垂れているエリオ、その様子に満足したルーテシアは彼の手を引いて街へと繰り出して行った。
仲良く? 手を繋いで街中を歩く二人、静かにしていれば美少女なルーテシアに手を引かれているエリオは、先ほどのギャップも相まってルーテシアの横顔に見惚れていた。
が、その至福の時も彼女が口を開くまでの話だった。
「さー!! エリオくん!! バッチリエスコート期待してるよ!!」
「えっ?」
「えっ?」
「…………僕がエスコートするの?」
「うん、だって私土地勘無いし」
「…………じゃあ僕らは何処に向かってるの?」
「んー、分かんない」
「分かんないって……、じゃあ此処は何処?」
「さあ?」
「えっと……それってつまり、僕達迷子?」
「うん、そだよ」
「ど、如何するのさ!?」
「んー、如何にかなるんじゃ無いかな? いざとなったら携帯で連絡すれば良いし、フェイトさんなら飛んでくるでしょ」
最終手段としては少将とか言うとんでもない地位になってしまった兄さんを使うという手があるけれど、あんまりやるべきでは無いだろう。
(まっ、書き置きは残してあるし、大丈夫でしょ、ペンが無かったから横に積まれていた廃棄予定の古雑誌を切り貼りした所為でちょっと脅迫状チックになっちゃったけどねー)
「うぅ…フェイトさん心配するだろうなぁ……」
「大丈夫だって、それよりこの状態を楽しもうよ、ね? 人生明るく前向きに、だよ!!」
「そう言う物なのかなぁ……」
「そもそもこんな美少女とのデートなんだからそんなにしょぼくれてちゃダメだよ」
「で、デート!?」
「今回は私がお金出すからエリオくんは私を楽しませてね?」
そう言って振り向きざまにエリオへと明るい笑顔を見せるルーテシア、またもその笑顔に見惚れてしまったエリオだったが、今度は別の意味で顔を赤くする事になる。
ルーテシアがエリオに微笑み掛けた瞬間、少々強めの風が吹き、ルーテシアのスカートを捲り上げた。
精神年齢の高いルーテシアの下着は同年代の子供達に比べて大人びており、それがバッチリとエリオの目に焼き付いてしまった。
ルーテシアはパッとスカートを抑えたものの、時すでに遅く、顔を真っ赤にしたエリオとしっかりと目が合ってしまった。
「エリオくん、見た?」
「み、見て無い、です!!」
「何色だった?」
「大人な黒、って違うんです!! これは、その……」
「…………ラッキースケベ」
「うぐっ」
この出会いの後、エリオは後の人生も含めて散々ルーテシアに振り回される事となる。
不死の英雄伝 〜舞台裏〜
NGシーン 置き手紙
フェイト「ゴメンね二人とも、仕事終わらせてきたよって、アレ? 居ない」
フェイト「手紙?」
フェイト「何々、『エ、り、オ、ハ、預、か、ッ、た』」←新聞の文字を切り貼りした脅迫状のアレ
フェイト「ゆ、誘拐? ど、ど、ど、どうしよう!! ぶれーん、ぶれーん!!」←時間止めながらブレンの元へダッシュ