なのはとのデート回、漸く次回からstsですよ、長かったなぁ(白目)
第百八十二話 デート 高町 なのは編
私が強制的に少将と言う地位に着かされてから数日間はバタバタとしていたが、ある程度ひと段落ついたのでクラナガンの自宅に帰宅している。
広い屋敷に一人で居るのはあまり好きでは無いが、休日は一日だけ、とても地球に帰っている暇は無い。
それに、昨日は仕事中だと言うのに錯乱したフェイトがルーテシア作の物と思われる脅迫状擬きを持って私のオフィスに突撃して来た、その対応に時間が掛かり結局日付が変わるまで残業する事になってしまった。
あの子が彼処まで過保護になるとは思わ……プレシアさんの血は争え無いと言う事か、将来実子が出来た時に彼女は一体どうなってしまうのやら。
そんな事を思いながら、深夜と言う時間帯に自宅前の玄関に到着したのだが、屋敷の中から明かりが漏れている、不審に思いながらも警戒心だけは残しつつ玄関の扉を開ける。
「お帰り、ブレンくん」
「えっ? ああ、た、ただいま?」
扉を開けた先にはエプロン姿のなのはが立っていて、私の事を笑顔で出迎えてくれた。
腕時計で時間を確認すると、時刻は二時を回ろうとしている所、こんな時間まで起きて待っていてくれた事は嬉しいが、それ以上に何故彼女が此処に居るのか気になった。
「ちょっと遅い時間だけどご飯にする? それともお風呂にする? 」
「いや、何で君が此処にーー」
「勘、かなぁ? 何となくブレンくんが疲れて帰って来そうだったから色々準備して待ってたんだけど、迷惑だった?」
所謂女の勘、と言う奴なのだろう、彼女は俺の事になると凄まじく勘が働くから基本的に隠し事など出来無い、…………後が怖いのでするつもりも無いが。
結局私は軽く夜食を取った後、シャワーを浴びてからそのまま寝室に直行、なのはに添い寝して貰いながら深い眠りに就いて行った。
眠りに就いたのは日付が変わってからなので翌日、と言うのもおかしな表現だが、折角の休日なのでなのはを連れてクラナガンの繁華街を歩き回っている。
これと言った目的は無く、建ち並ぶ店を覗いたり、クレープやアイスと言った甘い物を買い食いしながら他愛無い話をしながら歩くだけ、時折家電屋で食い入る様に品揃えを確認しているなのはに手を焼きながらも何時も通りのなんでも無い時間を過ごして行く。
洒落た店に連れて行こうとも思ったが、なのはの方から普段通りで良いよ、と言ってくれたのでその言葉に甘えさせて貰った、のだが……。
「なのは、もう三十分は家電と睨めっこしているよ? そんなに気に入ったのなら私が購入してあげるけど……」
「大丈夫ブレンくん、性能とかを見てるだけだから」
(そう言う意味で言ったんじゃ無いんだけどなぁ……)
彼女の頭の先から爪先まで、人格から仕草に至るまでありとあらゆる全てを愛しているが、事家電に関しての時だけは俺の理解の範疇を超える事がある。
個人的には家電など何れも同じだろうに、と思わなくも無いが、うっかり口にしようものならなのはの熱い営業トークが始まり、家電量販店の中を引きずり回される事になる為、滅多な事は口にでき無い。
とは言え、真剣にあれこれと見比べているなのはの姿を見ているだけでも私は十分幸せな気分に浸れるし、疲労も吹き飛んで行くから問題無いのだが、少しは構ってくれても良いのでは? と思ってしまう。
デートそっちのけになってしまったなのはに不貞腐れながらそっと周りを見回して行くと、ある一角にデカデカと『地球産コーナー!!』と書かれたPOPが貼られた場所があった。
『どんな物体でも忽ち蒸発!! 超高性能電子レンジ、
『神にしか切れない糸を紡ぎ出す!! 超高性能ミシン、カンダタ・ストリング!!』
『これ一本で5,000キロカロリー!! スーパーゲル状デロドロンドリンク!!』
地球のキワモノの中でも更にキワモノな物ばかりだ、よく販売しようと思ったな……。
なのはの側で遠巻きにその商品達を眺めていたのだが、他の客の一人が気になったのかご自由にお試し下さいと書かれた展示品を使用して見たようだ。
先ず、その人は電子レンジの中に偶々持っていたパンを放り込んで温めを開始したようだ、パンが回り出して数秒後、小さな爆発音と共に袋ごとパンが蒸発した、果たしてあれは日常生活の中で使用出来る代物なのだろうか?
唖然とその光景を眺めていたその人は、気を取り直してミシンに手を伸ばす、備え付けの布を縫い付けていったのだが、此方も数秒で布地がズタズタになってしまった、どうやら糸の斬れ味が凄まじいらしい。
最後に、その人はご自由にご試飲くださいと置かれていた『スーパーゲル状デロドロンドリンク』を口にしたのだろうが、口を押さえてトイレに向かって駆け出して行った。
私は今見た光景を忘れる事にし、そのコーナーに向かおうとするなのはの手を引き、お腹が減ったと言う名目で強引に店を出た、あの三つはまだまだ氷山の一角、あのコーナーは地球ですらイロモノ扱いされている商品の墓場になっているような気がしたのだ。
逃げるように家電量販店を飛び出した私達は、近くの食事処でなのはの家電トークをBGMに昼食を堪能した後、また二人でブラブラと街を歩き出す。
幸せな時間、何時迄もこうしていたいが、昇進してしまった事で私には彼女に伝えなければなら無い事が出来てしまった、今朝からその事を何度か言おうとしていたのだがタイミングを逃してばかりで、気が付けば既にお昼、このままでは確実に言いそびれると判断した私は、雑談を打ち切ってその言葉を口にする。
「なのは」
「……何かな、ブレンくん」
「今の私は、どう言う訳か少将と言う地位になってしまった、此れからはプライベートの時間も少なくなると思う、だから多分今までの様に私は君の側に居る事が出来なくなる」
「…………うん」
「お飾りの将とは言え、人の上に立つ立場の人間が公私混同してはなら無いだろ? だから、ごめん」
「その話し方も、その一環だよね」
「ああ、私は不死の英雄である事を辞めた、しかし私を取り巻く環境は私に不死の英雄である事を望んでいる、拒否しても否定してもそれは変わらない、ならば私はもう一度不死の英雄としてこの地で生きようじゃないか、不本意だけど、これは私が背負っている物の一つだからね……」
その言葉で、なのははすっかり黙ってしまったが、本題はこれからだ。
「と言う訳でなのは、中々すれ違いが多くなりそうだからいっその事中学卒業したらみんなで私の屋敷に住もう、そうすれば今までと状況は変わら無いし、寧ろ人目を気にする事無く好きなだけ引っ付いていられるからね」
「私達は始めからそのつもりだよ? ブレンくん」
「えっ? じゃあさっき黙り込んでたのは?」
「少将って事は秘書さんが居る訳だよね? 美人さん?」
あっ、不味い、これは非常に不味いパターンだ、気が付いた時には逃げられ無い様に腕の関節をきめられてる、正直に言うしか無いな、これ。
「お、俺の秘書は『キャロル・ドーリー』って言うスーツが似合う年上の美人さんです、めちゃくちゃ有能でバリバリ働いてくれます、はい」
「へー、そうなんだー、後口調が戻ってるよブレンくん? 如何したのかなー? 何をそんなに緊張してるのかなー?」
冷や汗が止まら無い、なのはの目が一切笑っていない、別に俺と彼女はそう言う関係じゃ無いし、何より彼女の性格は色々アレなので私の趣味じゃ無い、けど嫉妬モードのなのはにはそんな言い訳は通用しない。
「じゃあホテルに行こっか、忘れられ無くしてあげる」
「まだ昼間だよ!?」
「じゃあ夜までしようね」
サヨナラ私の休日……。
不死の英雄伝 〜舞台裏〜
NGシーン 有能な人材
ブレン「嗚呼、太陽が眩しい……」
ドーリー君「徹夜ですか、閣下?」
ブレン「まあね、君のお陰で彼女に寝かせて貰えなかった……」
ドーリー君「それはそれは、御愁傷様です」
ブレン「済んだことだからもう良いよ、それより今日の予定は?」
ドーリー君「閣下、私から一言だけ彼女さんへ伝えて欲しい事があります」
ブレン「?ああ、構わ無いよ?」
ドーリー君「『こんなダメ男、私の方から願い下げです』そう伝えておいて下さい」
ブレン「…………私は君の上司じゃ無かったかい? ドーリー君」
ドーリー君「それはそれ、これはこれです」