試験が原作よりもハードに、ブレンが居るから仕方ないね(白目)
第百八十四話 次世代を担う者達
新暦75年四月、ミッドチルダ臨海第八空港近隣廃棄都市街にて二人の陸士の魔導師ランク昇格試験が行われていた。
受験者二名の名は『スバル・ナカジマ』と『ティアナ・ランスター』、それぞれの思いを胸に上を目指す二人は非常にリラックスした状態で試験開始を待っていた。
「ん〜!! 良い天気だねティア!!」
「はぁ、子供じゃ無いんだから少しは落ち着いたら?」
「大丈夫だよティア、今日の私は絶好調だから!!」
そう言って相方に見せ付けるように高速で拳を動かして行くスバル、意気込み過ぎている為か早く身体を動かしたくてたまらない様子、そんな彼女の姿を見たティアナは、盛大に溜め
息を吐きながら握っていたデバイスのグリップでスバルの後頭部を小突く。
「痛いよ〜ティア〜!!」
「張り切るのも程々にしとけって事よ、試験中にスタミナ切れとか起こしたく無いでしょ?」
「むー、確かにそうだけど……」
「ほら、そろそろ始まるわよ」
ティアナのその言葉と共に、空中にディスプレーが展開され、銀髪の美女の姿が其処に映し出される。
『本日の試験官を務めるリィンフォース曹長だ、早速で悪いが挨拶は省略して試験前に本人確認を取らせて頂きたいと思うので御了承を願う、本日受験する両名は陸上警備隊第386部隊所属、スバル・ナカジマ二等陸士とティアナ・ランスター二等陸士で間違いないか?』
「「はい!! 間違いありません!!」」
『宜しい、では試験の内容の説明を開始したいと思う、質問等は最後に受け付けるのでそれまでは静聴をお願いするよ』
そう言って彼女は指を鳴らし、新たなディスプレーを開く、其処にはTARGETと描かれたガジェット等の映像が映し出されていた。
『今回の試験内容は此処に映し出されているTARGETの全機破壊と時間内に目的地まで到達する事の二点、ダミーターゲットに関しては一機破壊する度に減点となるので気を付ける事、撃破の方法や目的地到達迄の手段は問わ無いが、エリアオーバーをした際には即失格となるからその点も頭に置いておけ、そして最後に一点だけ注意事項がある』
そう言ってリィンフォースは別のディスプレーを開き、其処に試験会場全体を投影する。
『此処は四年前の大火災によって廃棄都市となっている、なので建築物の劣化等と言った点から
含む様なリィンフォースのセリフ、その事に引っ掛かりを覚えたティアナは即座に手を挙げ、その不測の事態についての疑問を質問する。
「不測の事態と言うのに見舞われた場合、例えば床や天井が崩れると言った物だった場合は対処のしようがありますが、建築物の倒壊等で行動不能になった場合はどうなるのでしょうか?」
『良い質問だが、
自分が投げ掛けた質問の答えを聞いたティアナは顎に手を当てながら暫し考え事をしていたが、一定の感覚で確認するように細かな部分を質問して行くが、これは別に彼女が理解力が無いと言う訳では無く、この試験が実力だけを判断する物では無いと言う事を最初の質問で理解していたため、臨機応変な対応を出来るよう頭の中のプランを多少変更する為の時間稼ぎをしているのだ。
そんなティアナの様子を察したスバルだったが、後ろ手に見えるティアナのハンドサインで『プランの修正完了』と言うサインが送られて来た為、あえて質問する事なく試験開始を待つ事にした。
『そろそろ質問も良いな? では健闘を願う』
全てのディスプレーが消え、試験開始までのカウントダウンが開始される、互いに視線だけを合わせて呼吸を合わせ、試験開始のブザーが鳴った瞬間、同時にスタートダッシュを切った。
そんな彼女達の事を上空のヘリ内から眺める二人の女性が居た、一人は『フェイト・テスタロッサ』もう一人は『八神はやて』彼女達はある目的の為にこうして金の卵である二人の試験を見学している。
「あの子達がはやてが目を付けている新人?」
「せや、二人ともまだまだ荒削りやけど将来有望な素質の持ち主や」
「動きに無駄も少ないし、ちゃんと最短ルートも探してる、良い子たちだね」
「そうなんやけどなぁ……、あの子ら陸やから……」
「? 何か問題でもあるの?」
「伸び代があり過ぎると、閣下の意地悪が始まってまうからなぁ……」
「あぁ、うん……そうだね」
今ここに居ない自分達の恋人、今は既に入籍している為名実共に夫となっているのだが、兎も角彼は陸の人間に対しての徹底したスパルタ教育を施している。
ネクスト、
「まっ、なんにせよお手並み拝見と言った所やな」
「そうだね、なのはも居るからあんまり心配はしなくても良さげみたいだしね」
そう言って彼女達はモニターに映る新人達の動きに意識を移して行った。
そして、上空の二人と違って別の場所から新人達の事を見守っている『高町なのは』、レイジングハートと共に新人達の行動を見ている彼女は、自分の隣で同じくその様子を眺めている夫に向かって溜息を溢していた。
「閣下、お仕事は良いんですか?」
「将軍にだって偶には
「…………彼女達は新人ですよ? まだ早いんじゃあ」
「新人だからこそ、さ。 戦場でいきなり襲われて何もできずに蹂躙されては此方としても困るんだ」
「私の教導はそうならない為の物ですよ、閣下」
「……睨むのは辞めてくれ、そう分かっていても経験と言うのは大事だ、君は教え子達に過保護過ぎる傾向がある、地味な教導を否定するわけじゃ無いが刺激を与え無い事には奮起し無い者だって居るんだよ」
それに、と若き将は前置きし、スムーズにTARGETを破壊して行く新人達を見つめながら『この程度の障害は越えて貰わなくてはこの先生き残れ無いさ』と溢し、通信機を起動する。
「ドーリー君私だ、彼女らは思った以上にやる様だから何時もの通り、『不測の事態』を起こしてやってくれ」
『了解しました閣下、それとサボりですか? サボりですね? ヒールで踏みますよ?』
「人聞きが悪いね、息抜きと言ってくれたまえ」
『奥方様の側で若い女を甚振る趣味をお持ちとは、いやはや何とも素晴らしいですよ閣下』
新人達が隣にいる夫のターゲットになってしまった事に軽い眩暈を覚えながらも、何とか気を取り戻して試験に集中するなのはは、願わくば新人達が折れてしまわない様にと、内心で手を合わせながら彼女らの無事を祈って行った。
既に入籍済み、家では尻に敷かれてますがちゃんと公私は分けていますので大丈夫です。