久々に彼の登場でさぁ(白目)
主人公なのに影が薄い主人公とは如何に(震え声)
第百九十七話 ホテル・アグスタ
骨董美術品オークションが開かれる『ホテル・アグスタ』、取引許可の出ているロストロギアも多数出品される為レリックと誤認したガジェットや裕福層をターゲットにした者達の襲撃が考えられる、機動六課は其処の護衛任務に付いていた。
ヘリ内部で八神はやてのミーティングが開始される、現状で分かっている情報からガジェット開発者及びにレリック収集者がジェイル・スカリエッティである事、そしてそのバックボーンが財団と呼ばれる組織である事、可能性の段階だがこれらはほぼ確定事項である事。
「ーーーーとまぁ以上や、直接的な捜査はフェイト執務官が担当するけど、一応覚えておいてな?」
「私達隊長陣は内部の警護、前線はみんなに任せるから気を抜かないでね?」
『はい!!』
「……ところでシャマル先生、この箱って?」
そう言ってキャロは足元にある箱を指差す、シャマルはその質問に『隊長たちの、お仕事着』と笑顔で答えていた。
ーーホテル・アグスタの上流階級の人達で賑わうオークション会場、その中に彼は居た。
銀の短髪、左右の色の違う瞳の美丈夫、神懸かり的な美しさを持ったその男は手持ち無沙汰気味に会場内を歩いている。
すれ違う女性はその整った顔立ちに見惚れ、男性はそのカリスマ性に圧倒される、タキシードを着こなし一通り会場内を見回った彼は煩わしい視線から逃れようと廊下へと移動する。
(やれやれ、何処もかしこも人だらけだね、胡麻擦りも多いしやはりドーリー君を連れて来るべきだったかな?)
呆れたように肩を竦める男、若き少将『ブレン・シュトッフ』はとある用事の為にこのホテルに足を運んでいた。
(流石に許可証付きのロードラン時代の遺物が数点出品されるのだから私が出席しない訳には行かない、かと言って彼女を連れて来ると隊が機能しない……、一癖も二癖もある連中しか居ないからな、おかげで隊の方は大丈夫だろうが問題は此方だ)
そう、今回のオークションには骨董品としてロードラン時代の遺物が多数出品される、この情報は完全に参加者のみにしか伝えられていない為、機動六課は其れ等が出品される事は愚か、ブレンが此処にいる事すら伝えられていない。
何事も起こらなければ良いが……、彼がそう思っていた矢先、会場の外で十年来の友人と出くわした。
丁度自販機の前で飲み物を買っていたユーノの表情は会いたかったが最も会いたくない者と会ったようなよく分からない表情を浮かべて顔を覆っていた。
「やあユーノ一年ぶりだね、元気していたかい?」
「…………畜生、この厄病神め、どうして此処に居るんだよ」
「久々に会った友人に酷い言い草だな、いくら私でも傷付くよ?」
「胸に手を当ててよーく考えてごらん? 君のいる場所は必ずトラブルに見舞われて居るからね? 後その鋼のメンタルはその程度じゃ傷一つ付かないだろ」
「………………全く身に覚えが無いな」
視線を横へ向けユーノの抗議の視線を見ないようにするブレン、お互い肩書きによって中々会う事が出来ていなかったが、変わりない事に安心してどちらとも無く笑いが漏れる。
「ふふっ、まあ元気そうで何よりだよブレン、所であの有能な秘書さんは何処に? てっきり君の側に毎日居る物とばかり思っていたけど……」
「流石に今回は私一人で出向いても大丈夫だろうさ、出品される物は一応はドラゴンウェポンの様だけどそこまで強力な物では無いからね」
「『飛竜の剣』だっけ? アレ本物だったんだね、成る程それ関係で此処に来たのか」
「現代でソウルの業を使えるのは私だけだからね、握った感覚は他のドラゴンウェポンと同じ物だったし、その力も発揮する事が出来た、あれは本物だよ」
「…………やっぱり厄介事の匂いしかしないなぁ」
「飛竜の剣以外にもゴーレムアクスや伝道者の三又槍等、少々特殊な武器も放出するんだ、そんな事は当たり前だろ?」
「……だからお立ち台に立つのが嫌だったんだよ」
ブレンはため息を吐いているユーノの隣で缶コーヒーを購入してそれを飲みながら、人の事をさもトラブルメーカーの様に扱うユーノに否定の意をぶつける。
「まあ待てユーノ、今回は機動六課が護衛任務に着いているし、私も飛竜の剣やその他の特殊な武具が落札された瞬間に隊の方へ戻るつもりだ、きっと何もないさ」
「馬鹿野郎、そう言うのを世間一般ではフラグって言うんだよ、大体ロードラン系列の物は最後の方だし飛竜の剣は大トリなんだ。途中退席出来る訳が無いし、基本的に君は毎度毎度トラブルに巻き込まれてるんだ、何回君の乗る船や飛行機が沈められたか数えていないのか? きっと今回もホテルがしっちゃかめっちゃかにされるに決まってる!!」
「その時はその時だ、君も腹を括れ」
「…………こりゃあ駄目だ」
がっくりと肩を落とすユーノ、フォローしようかとも思ったが口を開けば開くほどユーノが疲れるような気がした為、ブレンはコーヒーを一気に飲み干しそれ以上口は開かず渋々会場へと戻って行った。
ーーーー再び場面は戻りオークション会場、警備の為にドレスに着替えて参加者に混ざる隊長達、見目麗しい姿で男性の視線を釘付けにしている彼女達はその視線を気にすることなく周辺の気配や変化に気を配っている。
『中は大丈夫見たいだよはやてちゃん、結構厳重だしコレなら多少のトラブルには対応できる』
『廊下周りも大丈夫、不審物や不審者は見当たらないよ』
『ありがとうな二人とも、ほな引き続き警戒をお願いするな』
念話を使用した報告、今はまだ何の動きも見られない為、はやてはほっと息を吐いて胸を撫で下ろす、なのはは引き続き会場内を歩いて回り、フェイトは会場の外を見て回る、はやては会場全体を見渡せる場所から目を皿にして全体を監視している。
最近の御時世の所為か、過激派のテロを警戒して緊張感に包まれているはやて、そんな彼女を丁度すごすごと帰って来たブレンは発見する。
緊張し過ぎて肩に力が入り過ぎていると感じたブレンは、気配と足音を完全に殺し、ゆっくりと彼女の背後に忍び寄ると、背筋を指先でゆっくりとなぞる。
「ひゃん!?」
「ふふ可愛い悲鳴だね、はやて」
「は? え? なんでブレンくんが??」
「実演販売、と言った所かな? 財政難気味の管理局がロードラン時代の武具を多少吐き出すからさ」
「そんな情報初耳なんやけど?」
「それはそうさ、オークションの参加者にしか伝えていないんだからね」
そう言ってはやての隣に立つブレン、悪戯が成功しはやての肩の力を適度に抜く事が出来た事に気を良くしたのか、上機嫌となる。
はやては久々に想い人に逢えた嬉しさ半分、この場面でこの人に出喰わすと言う事は即ちそう言う事なのだろうと悟り、天を仰ぐ。
「六課設立以来屋敷には帰って無いからなぁ、実に二、三ヶ月ぶりで会えて嬉しいんやけど、この場所では会いたなかったわ……」
「君も私を厄病神扱いするのかい? 誰も彼も私の事を好き勝手に言い過ぎじゃないかね?」
「マグリブ解放戦線によるクラナガンテロ、複数の過激派組織による空港火災、他にも色々あるやないか、あながち間違ってへんで?」
「…………好きでトラブル体質で居る訳じゃ無いんだが」
深い溜息を吐いたブレンはそのままはやての手の甲に口付けを落とし、はやてに向かって『ドレス、似合っているよ』と言ってから見回りをしているなのは達に会いに行った。
ロードラン時代の特殊武器の実演販売、ラインナップは以下の通りです。
・ゴーレムアクス
・伝道者の三又槍
・亡霊の刃
・飛竜の剣
その他の通常武器
・サイズ
・銀騎士一式
・アストラの直剣
・タワーシールド
・亡霊のギザギザ刃
激レアな亡霊の刃も出品してるし、お好きな装備に入金してね!!