不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

198 / 224

200話も目前ですね(白目)

未来組のアホ祭りか、総帥密着取材二十四時の何方かを記念にしようかと思います。


不屈の体現者 198

第百九十八話 無人ネクスト

 

 

「嫌っすよ!! オレはもう隊舎に帰るっす!! この何時もの悪寒は閣下が側にいる証拠っす!! トラブルの前触れっす!! 聞いてないっすよ〜!!」

 

「あ、RD、ちょっと落ち着こう、ね?」

 

「死にたく無いっす〜!!」

 

 

自分の背後で騒いでいるRDとそれを宥めているスバル、何時ものような騒ぎだが、どうにもそれを止める気になれない。

 

自分の戦闘スタイルは一朝一夕で伸びる物では無いのは理解している、教官の訓練も理に適った物だし身体への負担は少ない。

 

しかし、成長しているのかと言われれば首を傾げざるを得ない、特に私の場合は側にいる天才の所為でその思いは顕著だ。

 

 

ーーRD、ブレン・シュトッフ少将の率いる特殊部隊『カラード』出身のエリート。

 

実験部隊として様々な状況戦場に送り込まれて居た上に、『アリーナ』と呼ばれる場所で毎週の様に行なわれる格付け戦を行っており、やる気を見せないが彼の才能は本物だ。

 

彼のアリーナランクは中堅程度、本人曰く『高過ぎても低過ぎても厄介ごとに放り込まれたからこの位置に居るんすよ〜』との事だ、その言葉を聞いた瞬間ぶん殴った私は悪くない。

 

ともかく、その中堅程度の実力であっても今の私達より遥かに強い、初出動時の動きを見ればその事は明らかだ。

 

それに比べると私はどうなのだろうか? ちびっ子達の様にスピードを持っている訳でも、強力な召喚獣を呼べる訳でも無い、スバルの様なパワーも無ければRDの様に十分な経験を積んでいる訳でもない。

 

自分の役割は理解しているつもりだが、それでもやはりここ最近は自分が非力に思えて仕方なかった。

 

 

何度目になるかわからない溜息を吐いていると、如何やら騒ぎが収まった様で背後から聞こえていた喧騒が聞こえなくなっていた。

 

チラリと背後を見れば色々と諦めた表情を浮かべていたRDと視線がぶつかる、その瞬間彼は私に違和感を感じた様で、私に向かって念話を飛ばして来た。

 

 

『なーに黄昏てるっすか? 戦いが怖くなったならオレと一緒に明日を目指して脱走するっすよ〜!!』

 

『……あんたと逃避行なんてのは考えただけでゾッとするから遠慮させて貰うわ』

 

『あらら、振られちゃったっすね、まあどうせ下らない事を考えてたんすよね? 才能がどうとか、そんな感じの事』

 

『…………別に、そんなんじゃないわよ』

 

『ティアナちゃんは嘘をつく時に右指の先が少し動くっすから分かりやすいっすよ』

 

 

ーーーーコレだ、私がこの男と自分を比べてしまう理由。

 

自分の専売特許だと思っていた戦況把握能力や洞察眼、その二つを武器にして此処まで勝ち上がって来たのにこの男は私のそれを軽く超えてしまう。

 

ーーーー本当に、その才能が羨ましい。

 

無意識に私は右手をポケットに入れ、RDから見えない様にしていた、長い付き合いのスバルにですら指摘された事の無かった癖、自分にそんな物があったのかと内心で思っていると、再びRDが口を開く。

 

 

『まあ、さっきのは冗談っすけどね』

 

『…………は?』

 

『単にカマかけただけっすよ、参謀なのにこの程度の引っ掛けに釣られるなんて、先が思いやられるっすね〜!!』

 

『………………そうね、その通りかもね』

 

『本当に大丈夫っすか? 何時もなら此処で一発張り手か回し蹴りをかます所っすよ?』

 

『……任務中だからよ、後で覚えときなさい』

 

『…………なにかあったら、ちゃんと周りに打ち明けるっすよ』

 

 

そう言い残してRDは念話を打ち切った、彼からの追及から逃れることが出来たと安堵すると同時に悩み事を見抜かれた苛立ちが捲き起こる、本当に自分はどうしてしまったのだろうか?

 

 

そんなことをティアナが思っていた矢先、シャマルから全員のデバイスに向かって敵襲を知らせるアラートが鳴らされる。

 

今回の敵戦力はガジェットが複数機、MTが見られない事から前日から張り込んでいた副隊長達とリィンフォースだけで十分対応出来るとティアナの横から敵戦力の確認を行っていたRDは判断し、『今回は閣下のトラブルホイホイは発動しなかったんっすね!!』と諸手を上げて喜んでいた。

 

 

既に楽勝ムードを漂わせているRDに呆れながらも、戦場を把握する為にホテルの玄関の屋根に登ったティアナは次々に守護騎士達の手で破壊されて行くガジェットを眺め、その実力の違いに歯嚙みしていたが、彼女の頭脳はガジェットの動きに違和感を感じていた。

 

 

何だろう、こう、何とも言えない感じだけど巧妙に福隊長達が分散させられて行って居る様な……。

 

次々と頭数を減らして行くガジェット、戦況は優位に立って居る筈なのに私の背筋には薄ら寒いものが張り付いている、癪だけども下で哨戒をしているRDの方へ視線を向けると、彼も又その感性でその何かを感じ取っていた様で、再び私に念話を飛ばして来た。

 

 

『ティアナちゃん、上から俯瞰した感じ何か変わった所は無いっすか?』

 

『勘違いや思い過ごしで説明が付くレベルだけど、福隊長達が少しづつ位置がバラけていってる、シャマル先生もそれに気が付いてるっぽいから大丈夫だとは思う』

 

『戦場に''絶対''とか''大丈夫''って言葉は無いっすよ、案外狙われているのはオレ達の方かもしれなーーッ!! ネクスト!?』

 

RDとの念話が打ち切られた瞬間、近くで大きな爆発音と黒煙が巻き上がる、慌てて下を覗き見ると青いネクストが大型のブレードを振るってRDと鍔迫り合いをしている所だった。

 

私は声を上げずにデバイスを構え、ネクストへと狙いを付ける、アイコンタクトでスバルに背後からネクストを強襲する様に指示、私は私で不意打ちを受けた所為でライフルの銃身で鍔迫り合いに持ち込まされたRDに当たらない様に露出しているレーザーブレードの刀身を特殊な弾殻を持った弾で狙い撃つ。

 

 

刀身の横っ腹に弾頭が捻じ込まれ剣筋が僅かにズレた瞬間、RDは膝でネクストの左腕を弾き上げ、ショルダータックルを叩き込むと同時に右に横っ飛びする。

 

その瞬間私の隣からスバルが飛び降り、ネクストの上空から拳を叩き込もうとする。

 

太陽を背にして拳を振るっているスバルは視認し辛く、センサー越しであろうと直視は出来ないはず、小技ではあるがかなり有効な手、ネクストの恐ろしさと言う物を知っていたつもりの私達は一撃入ったと確信していたが、それは違った。

 

無機質なバイザーがスバルの姿を捉える、その瞬間彼の左腕の大型のブレードが幅広い刀身の姿から細長い姿へと変わり、それをスバルへと一閃。

 

 

落下中の軌道変更が出来るタイミングでは無い、私がその左腕を狙い撃ちにして軌道を逸そうにも逸らす頃にはスバルはもう…………。

 

そんな絶望感に支配されかけていたが、先ほど鍔迫り合いから抜け出していたRDが壁を足場に三角飛びをし、落下中のスバルを横合いから掻っさらう様に抱きとめてブレードの射程から皮一枚で逃れることが出来た。

 

ブレードの一閃で背中を軽く斬った彼はスバルを横抱きにしながら冷や汗を流し、安堵のため息を吐きながら口を開いた。

 

 

「ふう、今回ばっかりはオレの経験の差って奴すかね、アレは無人機っすから人間の神経は持ってないっす、あのままだったら輪切だったすよ、スバルちゃん」

 

「あ、ありがとう……」

 

「お礼なら今度の休みにデートっすね」

 

「で、デート? 私なんかと?」

 

「あんたら、そう言う話は終わってからにしなさいな」

 

「ははーん、さてはやきもちっすか? 良いっすよ、スバルちゃんの次はティアナちゃんがデートしてくれ……OK冗談っす、だから銃口を下げるっす、二人だけじゃアレに勝てないっすから冷静になるっす、びーくーるっすよ」

 

 

この状況でRDが何かふざけた事を抜かした様な気がしたが、銃をチラつかせたらしっかりと黙ってくれた、彼なりの気遣いだったのだろうが、今はそれよりも目の前の無人ネクストの方が重要だ。

 

三対一になったお陰か、青いネクストとは睨み合いに似た膠着状態となった、目の前のそれは通信妨害用のAMFとECMが搭載されている様で、他のみんなとは連絡が付かない。

 

 

「ねえRD、ネクストってデバイスだった筈よね? 無人機ってのはどう言う事よ?」

 

「人工的に作った学習装置代わりの脳みそと動力源代わりのリンカーコアを乗っけただけのデバイスをティアナは''有人機''と言えるっすか?」

 

「…………無理、ね」

 

「何度か戦った事があるっすけど動きが気持ち悪いのなんの、人間じゃ無理な軌道する上にセンサーや魔力探知に引っかからないステルス持ちっすからね、めちゃくちゃ面倒っす」

 

「どうしろってのよ……」

 




壁殴り代行始めました

スタッフがRDの家の近く
の家の壁を無差別に
殴りまくります!
1時間¥1200~
24時間営業 年中無休
  __
  / )))   _
`/ イ~   (((ヽ
(  ノ      ̄Y\
| (\ ∧_∧ | )
ヽ ヽ`(´・ω・)/ノ/
 \ | ⌒Y⌒ / /
  |ヽ  |  ノ/
  \トー仝ーイ
   | ミ土彡/
   )   |
   /  _  \
  /  / \  ヽ
  /  /   ヽ |
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。