主人公の身体はダークソウル編最終話の身体をそのまま子供にまで戻した物です。
人間の身体ですので成長しますし、一応殺せます。
魂が死ななければ意味がありませんが。
第二話 転生者
我に返った時には遅く、目の前の少女は若干どころでは無い引き方をしていた。
恋と言う感情を持ったのは初めてで、思わず思いの丈をそのまま口にしてしまったが、彼女は普通の人間、半分も中身を理解できてはいないだろう。
「……………ごほん」
「えっと、友達から、で良いんだよね?」
「え?う、うん」
「一つ、聞いても良いかな?」
「えっと、大丈夫、だよ?」
物凄く、彼女の態度がよそよそしい。
アルトリウスやマヌスと戦った時以上に心が折れそうだ…………。
恋とは不可思議な感情だな……。
気を取り直しながら、何とか彼女に質問を投げ掛ける。
「友達って……どうやってなるのかな?」
彼女は唖然とした顔をしている。
ソラールとは特に考えもせずに友となっていたが、改めて考えてみると、誰かと友人となる方法が分からない事に気が付いた。
いや、それどころか常識と呼べるものが根こそぎ欠落してしまっている。
「友達のなり方、だよね」
「そんなの簡単だよ?」
彼女は名前を呼んで、と俺に教えてくれた。
「私、高町なのはです」
「君のお名前は?」
「なま、え?」
「名前、名前か……」
それは非常に困る答えだった。
名前など使い物にならなかったし、そもそもそんな物はとうの昔に忘却してしまっている。
しかし、名前を彼女に教えなかった場合、此処で縁が切れてしまう……。
考えろ、考えるんだ、この恋を成就させる為に!!
「ぶ、ブレン」
「ブレン・シュトッフ」
何とか名前を捻り出したが、正直笑えない名前だ……。
洒落にしては皮肉を通り越して悪意しかない。
しかし彼女は目を瞑りながらその名前を反芻している、それだけで心が満たされて行くのを感じる。
俺の過去は、振り返れば戦いばかりでこう言った感情とは無縁だった。
だからだろうか?
この一時が、堪らなく幸福に感じるのは。
「ブレン君だね、うん覚えた」
「じゃあ次はブレン君の番だよ?」
「私の名前を呼んで?」
「……なのは」
「うん」
こうして、花のような笑顔を向けるなのはと、俺は無事に友達となる事が出来た。
それと同時に、俺は胸の内で誓いを立てる。
必ず彼女の笑顔を生涯守り続け、何者にも汚させないと。
その後、俺となのはは夕暮れまで遊び、彼女は元気が出たと言って笑顔で手を振りながら帰っていった。
それを見送り、目的を果たすために薄汚い転生者共の捜索を開始する。
ソウルからアルトリウスの聖剣を取り出し、その剣に篭った魂を呼び出す。
灰色の大狼 シフ。
嘗てはそう呼ばれていたが、今は俺の剣の一つ。
彼を呼ぶのは問題無いのだが、神獣である彼をそのまま召喚してしまえば周囲の人間に影響が出てしまう。
そうなれば、人間だった時の身体を触覚としてこの世界に降ろした意味が無い。
彼の格が落ちてしまうが、使い魔として召喚させて貰おう。
刃を握り、その傷によって出てきた血で、刀身に術式を刻んで行く。
粗方術式を製作し終えた後に魔力を流し込み、彼を現界させる。
俺の身体が子供な為か、シフもつられて仔犬になってしまったが、その強さに変わりは無いため問題は無い。
久々に会った彼の頭を撫でながら、転生者の匂いを探して貰おうとした時だった。
「ここみたいだぜ!?」
「ちょっと隼人!!、まだ志郎が来てないでしょ!!」
「そう言うなよ鈴、あの修業馬鹿は今頃魔法球の中だろうからどうせ間に合わないって」
「だからってッ!!」
「あぁアレか、愛しい愛しい志郎が居なけりゃやる気ねぇってか?」
「だっ、誰が志郎が好きですって!?」
いきなり現れて騒ぎ出している男女。
普通なら仲の良い友人同士に見えるのだろうが、残念ながら俺にとっては彼らはそうは見えない。
否、それどころか彼らは人間にすら見えず、穢らわしい塵の塊。
アレが転生者か。
成る程、醜いな。
彼らは俺の視線に気が付いたのか、真剣な表情で俺を見据える。
「そんな事より、見ろよ」
「彼奴が神のじーさんが言ってた”歪みの元兇”みたいだぜ?」
「そう見たいね、じゃあちゃっちゃとあの踏み台を倒しちゃいましょ」
「魔力の制御も出来ていないし、さっきみたいにいきなり大量の魔力を放出されちゃ心臓に悪いし」
聞き間違いだろうか?
彼らごときが俺の首を取ると吐かしたような気がするが。
あの放浪者ですら俺の首を取れなかったと言うのに、あのような塵の塊が俺を殺すと言ったのか?
「無知蒙昧とは、この事か」
「君たちは、本気で私を殺せると思っているのかね?」
「哀れ過ぎて、失笑すら出ないよ」
「生憎と、俺たちは神様のところで百年修行してきたんだぜ?」
「そういう事、私たちはあんたみたいに、力の上に胡座なんかかいてないのよ」
彼らは其々紅い槍と黄金の剣を私に向けている。
双方共、凄まじい魔力が篭っては居るが……。
「まあ、良い」
「私は今最高に機嫌が良いんだ」
「だから、塵のように死なせてやろう」
ブレンシュトッフ。
ドイツ語で燃料。
転生者二人の特典はゲイボルグとエクスカリバー。