不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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後日談は丸々カット。

今回から現在開始。

記憶操作が出来無い為、すずかはなのは達と永遠の友情を結び、ブレンとは一応生涯添い遂げると言う約束を取り付けました。


しかしブレンにその気は無い上、なのはにしか興味が無いから殆ど口約束状態と言う……。


イベントの準備等の為に今日は一話だけです。



不屈の体現者 20

第二十話 物語の始まり

 

 

今朝は妙な夢を見た。 その内容とは一人の少年が嘗て俺を殺しに来た少年と同じような魔法を使って、何かと戦っていると言う物だった。

 

ただの夢にしては妙に現実的で、長年の勘からこれから一波乱起きるような気がしてならなかった。

 

「杞憂ならそれに越したことは無いんだがな……」

 

朝食を済ませ、なのはと共に学校へ向かうスクールバスへ乗り込んで行く。 奥の席には既にアリサとすずかが座っていて、此方に手を振っている。

 

二年前のあの誘拐事件は、俺たちの関係に大きな変化を与える物だった。

 

先ずはアリサ。彼女はあれ以降少々俺を避けていたのだが、暫くすると彼女は持ち直したようで『友達に敬語は要らないからその喋り方辞めなさい』と言ってくれた。

 

次にすずか。 彼女との関係が一番変化し、一族の掟で俺と生涯を添い遂げると言う話になっているのだが、俺は正直なのは以外の女性にあまり魅力を感じない為どうした物かと悩んでいるが、今は数少ない友人として仲良くしている。

 

最後になのは。 俺はてっきりあの一件で嫌われたと思っていたのだが、不思議な事に以前より親密になった。

 

但し、彼女に『もう二度と誰も、何も殺さないで』と泣きながらお願いされたので極力殺しをする事は無いだろうが、あの転生者との戦いが残っている以上いずれ破ってしまう約束をするのは辛かった。

 

そうして今は昼休み、屋上でなのは達と食事を取っている。

 

教室で言われた『将来について』自分の未来についてのテーマだが、それは俺にとっては無意味な話題だった。

何故なら俺の目的は転生者の完全排除であり、二度目の生を謳歌すると言う訳では無いのだ。

 

なのはに恋をして『彼女と共に何時までも在りたい、俺の手で誰よりも幸せにしたい』と心の底からそう思っているが、神格を持つものが何時までも世界に干渉しているのは俺自身の過去の否定となる、許される事では無い。

 

 

そんな悩みの連鎖を断ち切ったのは、なのはとアリサの声だった。

 

 

「ブレンくんは、将来の事どうするの?」

 

「なのは、どうせブレンの事だから『俺は君の騎士だからね、君の側にずっと居れればそれだけで充分だよ』ってこっぱずかしい事を人前で平然と言うに決まってんじゃない」

 

俺が口を開く前にアリサに先手を打たれてしまい、喉元まで出かけて居た言葉を飲み込んでしまった。 なのはも墓穴を掘ったという表情をしながら頬を染めて俯いている。

 

すずかが『まぁまぁ』と場を仕切り直しながら、改めて俺に先ほどの質問を向けて来た。

 

 

「改めて、ブレンくんは将来の事、どう考えているのかな?」

 

「…………願わくば、なのはを愛して守り抜く男としてずっと側に居たいね」

 

俺は叶わぬ願いと知りながら、結局先ほど飲み込んだ言葉を口にした。

 

 

放課後となり、彼女達と共に塾へ向かう道を歩いていると『声が聞こえた』と言って急になのはが走り出した。

 

急いで後を追うと、其処には一匹のフェレットが倒れていた。

 

 

なのは達はそのフェレットに気を取られているようだったが、俺が気になったのは魔力の残滓。

大分散っては居るが、真新しい魔力が漂っている所を見るとこの場所で戦闘があったのだろう、周辺の草木にもその跡は残っている。

 

 

「ちょっと、ブレン!!、ぼーっと突っ立ってないで動物病院くらい探したらどうなの!!」

 

「……あぁ済まない、近くにある動物病院なら知っているから案内するよ」

 

考え込んでいたらしく、そこをアリサに叱咤されてしまったがちゃんと病院までみんなを案内する。

 

『ケミカルダイン動物病院』

 

以前シフの狂犬病予防の注射を打ちにきた場所だが、存外設備や腕も良く値段も安い、更にドックフード等のペット用品も一通り高品質な物が揃っていた為、なんとなく覚えていた場所だ。

 

 

診察の結果、衰弱はしているが生命に別状は無いとの事。

 

胸を撫で下ろした彼女達に時計を指差し、塾の時間に遅れそうだと教えるとみんな慌てて走り出した。

 

彼女たちが玄関に向かった隙に、フェレットに視線を合わせる。

 

「君が何処から来たかは知らないが、あまり彼女達に迷惑を掛けないでくれよ?困っているなら俺が手を貸してやるからさ」

 

彼からは制御された魔力を感じる事から唯の野生動物では無い事が分かる、それに彼の瞳には理性の光が見えるので俺の言葉も理解しているだろう。

 

彼が頷き、再び眠りについたのを確認してから、俺は彼女達の後を追うのだった。





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