不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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因みにブレンは教会からの扱いに辟易している為、あまり良い印象を懐いていません。




不屈の体現者 211

第二百十一話 六課設立の理由

 

 

ブレンが六課から去った後、はやてはなのはとフェイトを引き連れて聖王教会へと向かう。

 

レリックやリンクスへの対抗組織として設立された機動六課。しかしそれは表向きの話であり、真の理由は今から会う人物、聖王教会の騎士『カリム・グラシア』のレアスキルによる予言が発端であった。

 

『管理局システムの崩壊』

 

地上本部の襲撃も含めたその予言ははやて達だけでなく、地上本部に所属するレジアス中将やブレン少将にも告げられたのだが、彼らはソレを一蹴し、真に受ける事は無かった。

 

レジアス中将はその手のレアスキルなどを毛嫌いしているが、それ以上に予言の内容から間接的に自分達地上の者が無能だと言われた事に激怒し、協力を拒否。

 

ブレン少将はそもそもからして予言等を妄言とみなしており、カリムとの対談で放った言葉は今も彼女の耳に残っている。

 

 

『ふむ予言、予言か。 生憎と私はその様な妄言に付き合っている程暇では無い。そもそも君の能力の的中率は場末の占い師程度の物だろう? いや、例えその能力が的中率100%で確定した未来を告げる代物だったとしても私はその様な物を認める訳には行かない。未来とは確定した物では無く、予言などと言う物は幾らだって覆す事の可能な物だ。我々が潰えるなどと言った予言が出た所で、そうならない様に地上の者達は血を流し、命を懸けているのだ。その魂、その意志が無駄に終わると言う予言を、地上の将であるこの私がどうして認める事が出来ようか? 我々地上の者が君達教会の者の見ている地平を理解出来ぬ様に、君達も我々の見ている地平は理解出来ん。それは本局や海と空の者にも言える事、余り我らを甘く見ないで貰いたい』

 

 

ブレンは元々自分を神聖視する聖王教会を煩わしく思っており、その事を失念していた彼女は自分達が現人神として居る男の機嫌を損ねてしまった。

 

しかしその直後にはやてやクロノの協力を取り付ける事に成功する。六課設立時にはブレンも協力してくれたものの、協力は其処まで、有事の際に自分の戦力として使うつもりで有っても我々に手を貸すつもりは無いだろう。

 

憂鬱そうに溜め息を零すカリム。彼女はブレンの正体を知る人間の一人である為、ブレンの機嫌を損ねた事を未だに後悔していた。

 

 

彼女が彼の事を知ったのは聖王教会の地下深く、限られた人間のみが訪れる事の出来るその場所に安置された一枚の石碑に描かれた彫像だった。

 

世に太陽信仰を広めた開祖、ソラールの手掛けた作品。其処にはこう記されていた。

 

『その者、太陽の王。彼は神が統治する世界を終焉に導いた英雄であり、親愛なる我が友である。その神威が敷く理は『不撓不屈』不死の英雄が神によって与えられた『神の世界の薪となる定め』を跳ね除け、神格を得た姿。あの火を掌握したと言う事は神へと至る事であり、その事にきっと彼は嘆き悲しむだろう。しかし歯がゆい事に私は我が友を救う資格を持っていない。一度折れてしまった私では彼を救う事は出来ない。 彼は人間の意志の心の魂の強さを示した不屈の神、その理の元となった渇望は『決して折れるものか』人間の精神の強さを信じ、それを自身の持つ最大の武器として、常に逆境に立たされながらもその生涯を戦い抜いた。『化け物を殺すのは何時だって人間だ、人間で無ければならない』これは我が友の座右の銘であり、戦における信念である。恐らく彼は今この瞬間を我等人類の手によって敗れる事を切望しているだろう。願わくば我が友を救う者が現れる事を願おう。そしてその為に彼の偉業を此処に刻み込もう。太陽万歳!!』

 

聖王教会のトップシークレット。口外禁止のそれを知る者として、ブレン・シュトッフと言う男は何よりも特別な存在だったのだ。

 

過ぎたことは仕方ない、カリムはそう思い直し、はやて達を迎え入れる準備に移って行った。

 

 

 

 

ーーーーその頃、機動六課隊舎にて。

 

 

ブレンから再会の約束として月明かりの大剣を手渡されたヴィヴィオはそれを片時も手放さなかった。ブレンから預かった物だからと言う事もあるが、それ以上に彼女の中では月明かりの大剣と言う聖剣は重要な意味合いを持っていたのだ。

 

通常のクローンとは違い、ある程度の知識や記憶を持っている彼女の中で、此の聖剣は右に並ぶ物の無い最強の聖剣、故に大切な代物であるし、無くす訳には行かない。

 

使命感めいた物を顔に貼り付けた少女。彼女の面倒を病み上がりのエリオを筆頭にキャロ、ルーテシアの三人で見ていたのだが、その裏でデスクワークを済ませたRDがヴィヴィオを見つめていた。

 

 

ブレンが六課から去る際に彼はとある任務を言い渡された。病院で与えられた任務も遂行できるか分からないと言うのに、舌の根が乾かない内から二つ目の仕事。『相変わらず人使いが荒いっすねぇ』と彼が愚痴を零したのも無理は無い。

 

RDに与えられた任務はヴィヴィオの護衛。優先順位としては六課の仕事の方が上なのだが、如何にもブレンには嫌な予感がある様で、有事の際には彼のデバイスに搭載された『グラインド・ブレード』と呼ばれる兵装の使用も許可された。

 

『グラインド・ブレード』OW(オーバード・ウェポン)と呼ばれる規格外兵装の一つであり、使用者のリンカーコアを強制的に暴走させ、それを動力源に起動する。

 

グラインド・ブレードは構造的には6基の特大チェーンソー型超振動ブレードを円環状に並べたものであり、ガトリングガンの様に刀身を回転させながら相手に吶喊し、轢殺する代物。その昔ブレンが交戦した転生者の使用したデバイスに搭載されていた物の一つで、転生者の撃破後に長らく埃をかぶる事となったが、ミッドチルダへの企業連進出の際にブレンが修理を依頼。扱える人間がRD以外に居なかった為、今では全てのOWは彼専用兵装となっている。

 

(一応この部隊に出向になった時にグラインド・ブレードだけは積んできたっすけど、コレは一回他のOWも積み直す必要があるっすかねぇ)

 

 

彼の脳裏に浮かんだのは一人の少女。あのべらぼうに強い白銀の娘。彼女を始末するにはコレだけでは足りないだろう。それにブレンから言い渡された任務の事もある。

 

RDは平穏とは程遠い生活に溜息を吐き、壁に凭れながら楽しげにしている子供達の声に耳を傾けて行くのであった。





不死の英雄伝 〜舞台裏〜

NGシーン RDの本名と元カノ?

ーー病院のベッドの上、ブレンによる治療後ーー

RD(しっかし、ギンガも美人になったっすねぇ、出会った頃はまだ子供っぽさが残ってたけど、すっかり大人になって……)

スバル「RD……、あの、ちょっと良い?」

RD「スバルっすか? 良いっすよ〜」

スバル「じゃあ、その……、RDの本名とギン姉の事何だけど……」

RD「うーん名前っすか? …………まあ別にスバルとティアになら」

スバル「やった、じゃあ次はギン姉の事だね?」

RD「ギンガは……、まぁ、色々あったんすよ……」

スバル「? えっと、だからその色々を聞きたいんだけど……」

RD「スバルの親父さんのお陰で恋人には慣れなかった関係っすかね、絶妙なタイミングで毎回横槍が入ってムードもへったくれも無かったっすからねぇ」

スバル「そうなんだ……(じゃあ私にもまだチャンスはある、かな?)」

RD(………スバルにしろティアにしろ、なーんで俺みたいなクソッタレに好意を抱くんすかねぇ)
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