不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

25 / 224

『午後のニュースです、先日キサラギアニマルクリニックによって全壊したケミカルダイン動物病院ですが、本日正午に無事再建され、通常業務に戻ったとの事です。今回の一件について医院長は『キサラギには我々の手によって然るべき鉄槌が下されるだろう』とコメントしております』


不屈の体現者 25

第二十五話 シリアルXVI

 

 

あの後、アリサやすずかは車による迎えがあった為か先に帰ったらしく、告白や果たし状の処理をするのをわざわざ一人で待っていてくれたなのはと一緒に家路についていた。

 

暫く二人で他愛無い話をしながら歩いていると、急になのはが意を決したかのような顔で俺にこう問いかけてきた。

 

 

「ねえ、ブレンくんは私の事をどうして好きになったの?」

 

 

俺は彼女の質問の意図が理解出来ず、思わず答えに詰まってしまったが、気を取り直して正直に答える。

 

 

「君の美しい魂の輝きと優しい心に惹かれたのがきっかけだね、文字通りの一目惚れだったよ。その後、君と生活するようになってから益々『高町なのは』と言う存在に惚れ込んでしまった、と言う訳さ」

 

「…………ねえ、ブレンくん。私もーーーー」

 

 

彼女が何か伝えようとした瞬間だった。

 

何処かでジュエルシードが発動したのだろう、膨大な魔力を感じ、なのはと顔を見合わせる。

 

どうやら彼女もこの魔力を感じ取れたようで、ユーノに向かって念話を飛ばしている。

 

 

『ユーノくん!!今のってもしかして!?』

 

『うん、きっとジュエルシードだ!!僕も急いでそっちに向かうよ!!』

 

 

その後は魔力反応を辿りながら現地で合流し、ジュエルシードの発現地点であろう神社の階段を駆け上がって行く。

 

 

其処には気絶した女性と、今まさにその女性を食い殺さんとしている巨大な化け犬が居た。

 

女性に被害が及ぶ前にソウルから黒い火炎壺とナイフを取り出し、化け犬の前に先ず火炎壺を投擲、それをナイフで撃ち抜いて彼の鼻っ面で起爆させ、彼の行動を阻害する。

 

犬の形を保っている為、多少は効果があると判断したのだが見事に予想は的中と言った所か。

 

 

突然の闖入者に怒りを露わにしている化け犬は、威嚇する様に俺たちへ雄叫びを上げ、その鋭い爪を武器に斬りかかってきた。

 

月明かりの大剣を部屋に置いてきてしまっている為、混沌の刃をソウルから取り出し、彼の斬撃を回避しながらその四肢をどう斬り落とそうかと考えていると

後ろからユーノの声が聞こえる。

 

それに合わせて目の前の化け犬の鼻を義手で殴り付けて大きく距離を離させて、彼の話に耳を傾ける。

 

 

「あの思念体は恐らく生物を取り込んでいます、物理的な攻撃は取り込まれた者にまでダメージを与える事になります!!」

 

「成る程ね、じゃあ俺が足止めをするからなのははトドメはよろしくね?」

 

「え?ブレンくん一人で大丈夫なの?」

 

「まあ、なんとかするさ」

 

 

実際問題、物理的なダメージを与えてはいけないとなると魔術しか思い付かないのだが現在記憶している闇術は魔力に物理的な重さを加えた物、今回出番は無い。

 

物理的なダメージを与えずに済むものは、俺の手持ちでは月明かりの大剣しか無く、あれは現在自分の部屋、あの化け犬を相手にするには盾くらいしか使いようが無さそうだが、今回に限ってはそんな物は逆に邪魔になりそうだ。

 

混沌の刃の峰打ちも考えたが、やはり鈍器になり得る以上万一を考えると殺してしまう可能性がある。

 

 

となると、徒手空拳とナイフや火炎壺といった小道具による交戦が強いられるな。

 

 

ソウルからナイフと中身の火薬を減らした火炎壺を取り出し、制服のベルトに装備しながら、足元の小石を化け犬の顔に目掛けて蹴り付け、注意を引き付ける。

 

顔に小石を蹴りつけられた彼は怒りのままに境内の地面を抉り、顎が外れんばかりに大口を開け、涎を垂れ流しながら俺に向かって噛み付いてきた。

 

彼をギリギリまで引きつけ、口の中に火炎壺を放り込んで顎を閉じれなくし、そのこめかみを義手で殴り付けて軽い脳震盪を与えてその場で鑪を踏ませ、腰からナイフを抜き取る。

 

いつもなら此処でナイフを眉間に捩込むのだが、なのはとの約束で殺生は御法度となっているため、彼の瞳に挑発するようにナイフの刃をチラつかせる。

 

獣の本能なのか彼がそれに反応したのを確認してから彼の目の前を一閃し、その場から大きく飛び退かせる。

 

傷を与えるつもりは無い、それよりも俺の事を脅威と思わせるのが重要なのだから、挑発するような行動を見せ付ける方が効果的だ。

 

完全に俺の事しか目に映らなくなったのか、装備の展開を済ませたなのはに気が付かず、彼女に背を見せている。

 

なのはの準備が終わったのを確認し、アルトリウスの大盾を取り出し、その場で構えながら彼の攻撃を誘う。

 

俺を挽肉にしようと彼が全力で叩きつけた前足をパリィし、その場で転倒させる。

 

其処になのはの封印魔法が直撃し、ジュエルシードの封印が無事完了した。

 

「ブレンくん、怪我は無い?」

 

「俺に怪我は無いよ、ただーー」

 

「どうしたの?」

 

「義手がちょっとヤバげかな?今度直して貰わないといけなさそうだ」

 

あの化け犬の体表は意外に硬く、殴りつけた際に義手の拳を痛めてしまった。 長い間使っていたからかボロが出て来始めていたのは気付いてはいたが、こうもあっさりイカれるとは………。

 

ユーノが乾いた笑いを零しながら俺に向かって冷静なツッコミを入れる。

 

「いや、流石にあんなのを殴りつけたら何だって壊れるよ……」

 

「そうか?まあ、壊れたのは仕方ない。士郎さんには人助けの際に転けて破損したとでも言っておこう」

 

 

その発言に対してのなんとも言えない視線を二人から浴びながら、今度こそ家路に付くのだった。





ユーノの災難 パート1


ユーノ「ねぇブレン、物凄くやぶ蛇な気がするけど、気になってる事があるんだ、聞いても良いかな?」

ブレン「?なんでもどうぞ」

ユーノ「君、武器を何処から出し入れしてるの?」

なのは「あ、それ私も気になってたんだ、ねぇブレンくん教えてくれないかな?」

ブレン「ソウルの中にしまってるんだよ」

なのは「ほえ?ソウルって……なに?」

ユーノ「えっ?何、どこから出してるって?」

ブレン「いや、ソウルから……」

ユーノ「えっ?何、どこから出してるって?」

ブレン「いや、だから……」

なのは「ゆ、ユーノくん?ちょっと怖いよ?」

ユーノ「それが出来たら生きるロストロギアだよ?神の業だよ?もう一回聞くけど何処からだしてるの?」

ブレン「そ、ソウルから」

ユーノ「あ”ん”だって〜〜〜っ‼︎⁉︎耳が遠くて聞ごえ”ね”ーよー‼︎‼︎」(ナマハゲフェイス+ドスの聞いた声)

ブレン「…………ふ、服の裏です」

ユーノ「そうだよねー、いやー冗談が下手だよブレン」(笑顔)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。