不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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『こんにちは午後のニュースです。先日未明、キサラギグループの新感覚ペット『AMIDA』が脱走しました。研究所員は我々の取材に対し『我々の管理にミスは無かった、ちゃんと柵で囲っていた為、空でも飛ばない限り脱走はあり得ない』とコメントし、ミスは無かったと主張しています。最近AMIDAに飛行能力を与える実験が行われていると言う噂がまことしやかに囁かれて居ますが?と言う質問に対し彼らは『実験は無事成功し、AMIDAは長距離飛行が出来るようになった』と答えています。彼らは何言ってんでしょうね?』


不屈の体現者 27

第二十七話 続・学校の怪談

 

 

今、私高町なのはは人生で一二を争うほど緊張しています。

 

何故なら、目の前には私の事を心から愛してくれている少年が居て、私は彼に告白しなければならないからです。

 

 

(ブレンくん、あったかくっていい匂いだったなぁ………じゃ無くて‼︎どうしよう⁉︎もしこの告白が成功したら私達って恋人同士になるんだよね?ぐだぐだにされるって言うけどそれに負けずに強引に押し切っちゃえばちゃんと思いを伝えられるよね?…………うん、頑張ろう‼︎)

 

 

私が彼の事を意識し始めたのは、多分あの誘拐事件からだと思います。 あの時のブレンくんの瞳は何処までも真っ直ぐに私だけを見つめていて、彼の言ってくれた全ての言葉に嘘偽りが無い事がハッキリと伝わりました。

 

 

『きっとこの人は私の事を理屈抜きでずっとずっと愛してくれるんだ』そう思うと、今までは『お友達』で満足出来ていたのにそれ以上の関係を望むようになり、彼の事を誰にも渡したく無いと思うようになりました。

 

(…………すずかちゃんには悪いとは思うけど、私はブレンくんが好き。今日此処で恋人になれるようにちゃんと告白しよう)

 

 

高鳴る心臓を抑えながら私は覚悟を決めて、ブレンくんへ思いを告げようとした時でした。

 

 

「貴様も‼︎其処の少女も‼︎私の前でイチャつく奴は皆死ねばいい‼︎」

 

 

その絶叫と共にこの学校の先代理事長が私達の間に、血涙を流しながら現れました。

 

出鼻を挫かれましたが告白と言う一世一代の勝負、この程度で屈する訳にはいきません。だって、この機会を逃してしまえば何時また告白が出来るか分かりませんから私は諦めはしない‼︎

 

 

「ブレンくん、私の思いを良く聞いてね? 私もブレーー」

 

 

するとどうでしょう、私が告白を強行するさっき吹き飛んだ筈の先代校長が半笑いで現れ、先代理事長を羽交い締めにしていました。

 

 

「校長⁉︎貴様、何をするつもりだ‼︎」

 

「いやいや、ちょっとお手伝いをね?」

 

「離せ‼︎離せぇぇぇぇぇえ‼︎」

 

「あれれ〜〜?告白が止まっちゃたよ〜〜ん?」

 

「……………………………レイジングハート、あの二人ぶっ飛ばして」

 

 

無理だ、この二人に挟まれた状態の告白なんて私には無理だ、と言うかこれが告白の思い出なんて絶対嫌だ。

 

完全に告白できる空気では無くなってしまったので、星になった二人を一瞥しブレンくんと一緒に校舎内へと入って行く。 ここからはユーノくんも合流するから、本当に告白ができなくなってしまった、早く七不思議を終わらせて不貞寝しよう。

 

 

さっきので七不思議の五番と六番が消費されたから、残る七不思議は三つ。

 

ブレンくんの提案では先ずは校長室まで真っ直ぐ向かい、校舎内に居るAMIDAを探し回ると言うことらしいです。

 

 

真っ直ぐに校長室に向かって行くと、天井からカサカサとと言う虫が歩くような音が聞こえているのに気が付きました。 私は恐る恐るそちらを向くと、天井一面にダニと蜘蛛を足したような子犬程度の大きさをした謎の生物が張り付いているのが目に映り、私は其処で気を失ってしまいました。

 

 

「ちょっ、なのは⁉︎なのはが気絶したよブレン‼︎」

 

「虫ケラごときが、私の女神になんと言う仕打ちをッ‼︎」

 

「待ってブレン、一旦落ち着こう?ね、ね?何をする気か知らないけど絶対に碌な事にならない筈だから‼︎」

 

ユーノの叫びを無視したブレンは、月明かりの大剣に魔力を流し込み、なのはとユーノの前に盾として設置する。 次にソウルから黒竜の大剣を取り出してその刀身に宿る黒竜カラミットの力を解放し、周囲の全てを黒炎で焼き払った。

 

溢れ出した黒炎の津波は、廊下、壁、天井をたちまちに包み込み、AMIDAは愚か校長室や職員室、一般教室まで燃やし尽くす。

 

 

「やっぱりかぁぁぁぁあ‼︎ブレンの馬鹿ァ‼︎どうすんのさこれ⁉︎」

 

「どうもこうも、ユーノの魔法でちゃちゃっとーー」

 

「出来るわけ無いだろ⁉︎如何して君はこんなにお馬鹿なんだ‼︎プールの時だってまだ人が居るのに電流流そうとするし、水を全部蒸発させるとか言ってハルバード叩きつけて水蒸気爆発起こすし、君の辞書には周りの被害って言葉が抜け落ちてるの⁉︎」

 

「水は……危険だ」

 

「ぼくはそんな事聞いてるんじゃないよ‼︎」

 

スプリンクラーと火災報知機がけたたましく鳴り響き、炎に包まれた校舎内でユーノが頭を抱えながら悶えていると、一枚の紙切れが彼の前にヒラヒラと落ちてきた。

 

「何、これ?えっと何々?『NICEJOKE』………もうヤダこの世界‼︎何でぼくの常識とか胃の耐久値とかゴリゴリ削り取るんだよ‼︎」

 

 

ユーノが小さなフェレットの手を使って器用に手紙を細切れに破いた瞬間、手紙がジュエルシードとなり、レイジングハートの中へと収納されていった。

 

それを確認したブレンはもう此処に用は無いと言わんばかりになのはを背負い、虚ろな目で譫言を溢すユーノをポケットにしまって、足が付かないように月明かりの大剣で壁を消し飛ばしてから学校から脱出し、家路に着いていった。

 

 

余談だが、この後ブレンは彼女を部屋に届けたのだが、中々離してくれなかった為一緒のベットで寝る羽目になり、翌日になって彼女を心底驚かせる事になる。

 




カラミットの炎で焼き払った際に起きた火災は普通の火災です。


黒炎→その炎が特別な訳であって、それによって燃えた物には神秘は宿らず。 一般人にも普通に消せます。


ハルバード→傷口から燃え上がると言った呪いのような神秘な為、それによって燃やされた物には神秘が宿る。 燃やされる行為その物に神秘がある為、それによっての火災は普通の方法では消せません。
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