ユーノとアルフ、助かるかなぁ(白目)
今はブレンがかなり感情的になってるから覗きと挑発で……。
それとフェイトの竜狩りはバルディッシュカラーです、デバイスだしね。
第三十五話 温泉旅行
今日は三連休を利用して、みんなと一緒に温泉旅行に行く事になりました。 この温泉旅行のメンバーは私達高町家だけで無く、月村家のみんなとアリサちゃんも一緒に来ています。
フェイトちゃんの事やここ数日手掛かりすら見つからないジュエルシードの事など色々な悩みがありますが、今一番の悩みはブレンくんの事です。
あの後、私は何があったかを落ち着いたブレンくんに話したのですが、彼は短く『…………そうか』と答えてその日はずっと押し黙ったままでした。
その日以降、時々私の嫌いなあの顔をしながら自分の手を見つめている彼を見て、如何にか元気付けられないかと考えているのですが……。
「ま〜たブレンは黄昏てるわね、あの錯乱状態を思うと当然かも知れないけれどさ、旅行なんだからぱあっと騒ぎなさいよね‼︎」
「あ、アリサちゃん、その、言い辛いけど諸手をあげてはしゃいでるブレンくんは、あんまり想像出来ないかな……」
「まあまあアリサちゃん、倒れてるなのはちゃんを見つけたブレンくんは茫然自失って感じでみんなが何言っても聞こえてなかったし、ずーっと自分を責めてたんだよ? 回復するにはきっともう少しかかるよ」
「………そんな事は分かってるわよ、ただ『あの時』見たいな顔してるから尚更余計に心配なんじゃない」
アリサちゃんのその言葉に私達三人はすっかり黙り込んでしまいました。
彼女の言った『あの時』それは私達が誘拐され、その恐怖に怯えていた時の事です。 あの時のブレンくんは氷のような空気を纏い、能面のような表情をしていて、……誘拐犯を皆殺しにすると言う方法で私達を助けてくれました。
それは、私達の中で決して忘れる事の出来無い事件でした。
「…………今日はみんなでブレンを励ますわよ」
黙っていたアリサちゃんがそっぽを向きながら彼に聞こえないような小声で私達に提案しました。 勿論、初めからそのつもりだったので二つ返事でその提案に乗りました、よーしブレンくん覚悟してね?
嘗ての旅で、俺に関わる人間はソラール以外みんな死んだ、死んでしまった。
始めに死別したのはペトルス、彼は俺に聖女レアの命を託し目の前でソウルの粒子となって行った。
次に別れを告げたのは女神の騎士ロートレク、彼は火防女アナスタシアを私利私欲で殺し、俺はその仇を討つ為に友人であった彼をこの手で殺した。
師匠の後を追って消息不明となったグリックス。
『彼女の手掛かりを見つけた』と書置きをし消息不明となったラレンティウス。
白竜シースによって攫われ自害し亡者となった聖女レア、結晶の狂気に囚われたローガン、勿論二人ともこの手で斬った。
旅をしている時は微塵も気にして居なかったが、今回の一件でそれがどんなに恐ろしい事か痛感させられた。
なのはが死んでしまったかも知れない、今までの経験からその最悪が頭にこびり付いて離れなくなり、果てしない絶望が俺を襲った。
再び彼女が目を覚ましてくれた時は枯れていた涙が溢れ出すほどの喜びと、彼女をこのような目に合わせた襲撃者へ対する憎悪が俺を支配していた。
嘗てからは考えられなかった平穏な生活と暖かい家族、気心の知れた友人と愛して止まない人に囲まれた日常、それらは何時の間にか俺にとって手放したく無い物となっていた事を今になって自覚するとはね……。
太陽を透かして見るように手の平を翳す。
幼い少年の手、一見すれば何ともないその手の平は血で染まった手に見えて仕方無かった。…………いや、実際この手は血塗れの手だ。何人斬ったのか、どれだけ殺したのか、それを数えるのも覚えるのも億劫になるほど斬り殺し、数え切れない程血に塗れ、血を浴びた、この世界に来てからもそれ以外の方法を知らず、それしか出来なかった。
(なのはの騎士を自称しておきながら肝心な時に彼女を守る事が出来ず、彼女が倒れている姿を見ただけで錯乱し冷静さを無くしていた、…………情け無いな)
今も彼女をあんな目に合わせた襲撃者にどうやって報復をするかに意識を持って行かれている『誰も殺さない』そう約束したにも関わらずだ、もしかしたら俺は彼女の側に居る資格はーー。
「ブレンくん、旅館に着いたよ?」
心配するような表情を浮かべ、俺の顔を覗き込みながら到着を知らせるなのは、その接近に気がつかないとは……いかんな大分参ってるようだ。
「大丈夫? ずっと悩んでたみたいだけど?」
「……大丈夫、とは言い難いね。 自分でも相当参ってるのがよく分かるよ」
「そんな事見れば分かるわよ、今日は私達三人があんたを励ましてあげるから感謝しなさいよね‼︎」
「アリサちゃん、それ言っちゃ駄目なんじゃ……」
すずかの指摘を受けて、顔を真っ赤にしたアリサが照れ隠しに支離滅裂な言い訳をし始めたのを眺めていると、突然なのはが俺の手を握り頬を撫で始めた。
「ブレンくん、前に私に言った言葉を覚えてる?」
「前に、言った言葉?」
「うん、『見通しや認識の甘さがこの事態を生んだならその責任から逃げる事は許されない』ブレンくんはこう言ったんだよ?」
「…………そうだったね」
「だからね?ブレンくんが私を守れなかったって後悔して居るなら、責任を取ってこれからはちゃんと私を守ってね?」
そう言って、彼女は太陽のような笑顔を見せてくれた。
そうだな、後悔するくらいならこんな事が二度と起きないように俺が彼女を守ればいい、ユーノに反省はしても後悔はするなと説教をしたのだから俺がそれを実践して見せないとな。
なのはのお陰で、俺の中にあった自己嫌悪や自虐の感情は全て払拭された、ならば愉快な動きですずかへ言い訳を続けているアリサの厚意に甘え、今日は励まされるとしようかな。
『全てはここから始まった…………。パックスエコノミカ、国家解体戦争から始まる企業による全体管理。 限りある資源の節度ある再分配、懸命な経済主体たる企業が資源と市場を独占し、人々はコロニーに押し込められ、糧食を得る為だけの労働に従事していた。第一人者の死と盗まれた技術、彼女が救ったあの男、伝説的なレイヴンと技術研究用のネクスト機体、唯一の商品であった専門性を失い深刻的な経済危機にあったコロニーアナトリアにとって、生活の糧としての傭兵は必然的な結論だった。 私は、あの男を利用し……その為に彼女を利用した。 古い戦士、政治的な利用価値しか無い非力なネクスト、この時はまだ、誰もがそう思っていた……、私を含めて。 なんて事は置いておいて、アナトリアが頑張る姿を横目に世界をコジマで満たすためこの荒廃した世界に現れた一人の男‼︎その名は『アクア・ビットマン』、新番組、『企業戦士アクア・ビットマンゼロ』来週放送予定‼︎』
アルフ「…………なんだい、これ?」
フェイト「アクア・ビットマン?だって。一応前作を借りてきたけど、後で一緒に見ようよアルフ」
アルフ「……嫌な予感しかしないけどねぇ」