不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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取り敢えずはこれで様子見かな?

レイジングハートも強化するつもりですが、そっちは少し早いので。


不屈の体現者 44

第四十四話 才能の力

 

 

なのはの動体視力トレーニングを開始して数日、俺は彼女の才能をまざまざと見せ付けられていた。

 

彼女はまだ壁や天井を蹴って自由自在に宙を翔けるシフの動きを肉眼で捉える事は出来ていないようだが、代わりに自身の周囲に二種類のサーチャーを展開し、彼の位置を割り出しているようだ。

 

 

まず一つ目、これは簡略化された普通のサーチャーで自分の視界と同じ範囲の物しか索敵出来無い物、だがそれを自分の周囲に複数配置する事で死角を完全に潰し、全方位からの攻撃を察知出来る物となっているらしい。 試しに小石を投げたところ、確かに見えているような動きで回避された。 しかし、彼女はそれに気を取られその隙に風船を割られた為、俺は長々と説教され、今も正座させられている。 好奇心は猫をも殺すと言う奴か……。

 

話が逸れたが二つ目だ、此方は視界の共有と言った行為が出来ず、目に見えない程細かい粒子状となっている。 一見役に立たない魔法に思えるが、この粒子状のサーチャーは触覚を共有する物となっていて、このサーチャーが散布された場所に存在する物体の動きを肌で感じる事が出来るのだと。 試しにふわふわとその粒子を触っていると、なのはからディバインバスターがすっ飛んできて俺の意識を刈り取って行った。 気が付いたらなのはの膝枕で寝ていたので混乱したが、事情を聞くとコレはかなり繊細な感覚らしく、俺とシフの判別が付かずつい撃ってしまったとの事。 しかし、正座で無防備だった所への不意打ちとは言え、俺の意識を一撃で刈り取るとはね、今の彼女なら不死教会に居たあのドラゴンを一人で撃ち落とせるんじゃ無いかな……。

 

何はともあれ、なのはは今この二種類のサーチャーを駆使して駆け回るシフの動きを完全に把握し、その移動先を狙い撃ちにしている状態だ。 しかしいくらシフが本気では無いとは言え、相当な速度が出ている筈、それをこの短期間で対処して見せるとは……才能と言う奴か、俺には最期まで縁の無い物だったな。

 

正直、俺が彼女に教えられる事は今回みたいな基礎的な事しかない、なにせ俺の技術は泥を啜ってでも勝つ為に死にながら身体に染み着かせ、必死になって策を講じ、幾多の死線の中で実践して覚えた血塗れの技術だ。 それは才能による物では無く、死んで覚えると言う刷り込みのようなもの。 才能が欲しいと思った事もあるし、自分の非才を嘆いた事もあるが、それでも弱音を吐かずに戦い抜いた不死人の剣なのだ。 死ねば終わりの人間の身体にこれを教えるのは不可能だし、そもそも当時は感情や表情を完全に犠牲にしていたのだ、なのはに同じ目を遭わせたくない。

 

 

流星を思わせるような残像を残しながら、シフは只管なのはの展開する多重障壁を破壊しようと爪や体当たりなどの攻撃を放っているのだが、絶妙な匙加減で衝撃を殺され障壁の上辺だけしか破壊出来ていない。

 

シフも焦れったくなってきているのか、多少動きにブレが生じ始め、そこをなのはに狙い撃たれる。

 

回避を捨て、完全に自分のスタイルを確立し始めたなのはは冷静にシフの動きを把握しながら、ディバインバスターを狙い撃って行く。 徐々になのはの狙いが定まり始めたのか、遂にシフに砲撃が擦り始め、彼がその状況を打破しようと強引に障壁ごとなのはを弾き飛ばそうとした時だった。

 

足場にしようとした障壁が脆く崩れ去り、中から新たな障壁が現れ、それに接触したシフの身体にバインドが絡まった。 彼は動きを固定され、身動きの取れない所へディバインバスターを放たれ遂に撃墜された。

 

俺がシフを殺った時は地雷を埋めまくって逃げ場無くして叩き斬ったからなぁ、こうもあっさり正攻法で攻略されるとちょっと複雑だよ。

 

 

「やったあ‼︎ ブレンくん、ありがとう‼︎ これならフェイトちゃんにもなんとか対処出来そうだよ‼︎」

 

負けず嫌いな彼女は、よっぽどシフに勝てた事が嬉しかったのか、ボロボロのバリアジャケットのまま俺に飛び付いて来た。 はしゃいでいるなのはを抱き止めながら、最後に彼女が使った障壁の事が気になったので聞いてみる事にする。

 

「なのは、最後の障壁は一体何だったの?」

 

「えへへ、良くぞ聞いてくれました‼︎ アレはね、障壁に偽装したバインドなんだ。 前に言ってた多重障壁の応用で、硬い障壁に見せかけた薄くて脆い障壁を展開してその後ろにバインドを設置したんだよ」

 

「正に起死回生の一手だね、シフが完全にのびてるよ……」

 

「あ、あははは、は、ごめんねシフちゃん」

 

シフはピクピクと痙攣していたが直ぐに目を覚まし、なのはの前で頭を垂れている、どうやら軽くトラウマになったみたいだな。 取り敢えず今日はこの辺で切り上げてから地上に戻り、この後に何をするかを相談する。

 

「シフはこんな状態だし、なのはの疲労の事も考えると今日はこれ以上のトレーニングは無理そうだから一旦家に帰ろうか」

 

「う〜ん、でもまだお昼だよ? ジュエルシード探しもあんまり根を詰めすぎるのは良くないし、地上で軽くジュエルシードを探してくれているユーノくんもそれらしい反応は見当たらないって言ってるし、正直やる事が無くて暇な気がするのですが…………。 そうだ、ブレンくん‼︎ 一緒にお店のお手伝いしようよ‼︎ ブレンくんのウエイターは人気だしお客さんも喜ぶよ?」

 

「髪を結ばれたり頭撫で回されたり頬っぺたぷにぷにされたりされるから嫌だ。…………でも、なのはが後で膝枕しながら頭撫でてくれるなら良いよ」

 

 

何故か昔から店の手伝いとしてウエイターをしていると、若い女性におもちゃにされる為、俺は店先に立つのが苦手だ。

 

しかも今日は祝日、客も多い筈、より一層揉みくちゃにされるのは目に見えているが、断わろうとした瞬間にあからさまに彼女は肩を落とした為、断り切れなかった。 惚れた弱みとは言えこうなってはなのはに何かして貰わないと割に合わない。

 

俺の提案を笑顔で快諾した彼女と手を繋ぎながら、俺たちは店の方へ向かっていった。

 





不死の英雄伝 〜 舞台裏 〜

NGシーン 忘れていた転生特典の代償


ブレン「特に触った感覚は無いな」モミモミ

なのは「ひゃん‼︎ ぶ、ブレンくん、其処は恥ずかしいよ」もじもじ

ブレン「えっ? わ、悪い」なでなで

なのは「あっ、なんだか段々気持ち良くなってきちゃった……」ぼー

ブレン「…………一体どう言う感覚なんだ?」

なのは「分からない、でもブレンくんに撫でられてると気持ち良くなってふわふわした気分になるんだ、ねえブレンくん」座った目

ブレン「な、なに?」

なのは「此処でずっとずっと私と死ぬまで一緒に居ようよ、ね?」座った目

ブレン「な、なのは?」

なのは「えへへ、ブレンくんは私の物、私だけの物、だから私を見て?私だけを感じて? 私もブレンくんの物で、ブレンくんだけの物、だから私もブレンくんだけを見てブレンくんだけを感じるから」馬乗り


ユーノ「その後二人の行方を知るものは誰も居なかった……」
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