日常パートなんて書いたことねぇよ(震え声)
作風が違う作品だからやり辛いのなんの……。
舵取りが効くのか心配になって来た、最悪バトル8、その他2で良いよね(錯乱)
第五話 宣戦布告
シフと共になのはを家まで送り届け、改めて公園を確認しに行ったのだが、既に聖剣や魔槍は回収されていた。
入れ違いになったかと思い、シフに臭いを辿って貰おうかと思ったが、小石を重石にした一枚の紙切れが落ちているのを発見した。
中に目を通し、あまりの内容に思わず腹を抱えて笑ってしまった。
俺たち転生者の敵へ告げる。
貴様が誰なのか知らないが、この二人の仇は必ず討たせて貰う。
凡ゆる手段を使ってでも俺が貴様を殺しに行く。
神に頼まれたからじゃない、正義の味方を目指すなんてもう言わない。
代わりに、俺は純然たる殺意を持って貴様と対峙するとここに誓う。
その為に俺は現実を知ってくる、それまで首を洗って待っていろ。
神に嵌められた愚かな道化より。
それは挑戦状だった、文字がかなりブレてはいたがご丁寧に拇印まで押されている。
なんと言う日なのだろうか、今日だけで二度も私が信奉する『人間』と出会えるとは。
嗚呼、笑いが止まらない、シフが心配そうに俺を眺めているがそんな事が気にならないほど愉快で堪らない。
「クックックッ!!」
「くはッはははははッ!!」
「素敵な宣戦布告だなッ!!」
「良いだろう、何度でも滅ぼしてやるッ!!」
「貴様が十全だと思うまで、入念に準備を積むが良い!!」
「私は首を長くして待って居る!!」
戦力差を目の当たりにし、きっと体が震えていたのだろう。
しかし、彼はその震える手でこの一枚の挑戦状を書き上げた。
復讐心だけで己を支え、折れそうな心を無理矢理立ち上がらせたのだろう。
其れ程までに仲間を殺されたのが腹立たしいのか。
恐怖を捩伏せる程の怒りに燃えているのか。
これは非常に勿体無い事をした。
先の二人も、もしかしたらこれを書いた者と同じだけの可能性が有ったかもしれないと言うのに、私は転生者と言うだけで塵の塊だと断じ、それを摘んでしまった。
だがその実、このように塵に塗れながらも素晴らしい精神を持った者が居た。
その事を反省し、来たるべき『挑戦者』が神の呪縛を振り切り、己を手に入れる事が出来ることを願わせて貰おう。
「さてと、なあシフ」
「わう?」
「明日の晩餐まで何処で過ごそうか……」
「……………」
シフの目線が痛い。
今の俺は彼らを転生させた神を殺した後、準備する間も無く人間の身体に意識を写して彼らの後を追った為、着の身着のままだ。
金も無い、食料も無い、寝床も無い。
それだけで無く、この世界に現界する際に彼らの使った穴を通ったので身体が子供になってしまっている。
野宿や徹夜をするにせよ、非常に不便だ。
スリをして資金を稼ごうにも身長的に届かないし、今俺は隻腕だ。
何時だったかに手に入れた銅の硬貨を質に入れようにも年齢的に足元を見られてしまうだろう。
あれこれと考えていたら完璧に日が暮れてしまった、取り敢えず夜風を凌ぐために空き家でも探しに行くとしよう。
シフを引き連れ、街をふらふらと彷徨っていたのだが空き家は無く、結局公園に帰って来てブランコに腰を下ろしている。
途中で警察とか言う人に攫われそうになったり、乗り物らしき物で追い回されたりと、撒くのが非常に面倒だった。
シフも疲れが溜まったのか既に俺の足元で丸まって眠ってしまって居る、正直俺も疲れた。
不死だった頃には感じなかった空腹感が半端じゃなく、疲労からの眠気も容赦無く俺を襲っている。
もう良いや、この公園で寝よう。
丸くなって眠っているシフを枕にし瞼を降ろす。
夜風が身に染みるが、それ以上に疲労感の方が強かったのか、直ぐに意識を失った。
「……君?」
「……レン君!?」
「ブレン君!!」
身体を揺さぶられ、微睡みの中から目を覚ました俺の目に映ったのは、心配そうな表情をしたなのはの顔だった。
枕にされて動けなかったシフが抗議の声を上げている為、身体を起こしながらなのはに挨拶をする。
「……おはよう?」
「えっと、なんでシフちゃんと公園で寝てるの?」
「家もお金も無い、から?」
「えっ?」
「えぇぇぇぇぇぇえ!!」
寝惚け眼を擦る俺と大欠伸をしているシフに対して、大きな驚きの声を上げるなのは。
お互いの温度差に思わず笑いを零してしまった。
本当に彼女はころころと良く表情が変わるから、見ているだけでも退屈しないな。
さて、混乱している彼女を正気に戻そうか。
ブレン君宣戦布告される、の巻き。
ブレン君野宿する、の巻き。
以上の二本立で御座います。