今回、遂にブレンくんにデバイスが手に入ります。
インテリジェントデバイスでは無くストレージデバイスですが。
第五十三話 デバイス入手
なのはがクロノ達に協力すると決意した日の翌日、俺はアースラ内のトレーニングルームでデバイスの使い方をなのはから教わっていた。
ストレージデバイス、俺がこの艦に足を踏み入れた際にクロノから手渡されたデバイスで、なのはのレイジングハートとは異なり、人工知能を搭載しておらずあくまで道具としての側面を強くし処理能力を高めた物、役目としては予め魔法を記憶させておく記憶媒体だと言う。
彼は『本来ならいくつかの攻撃魔法を搭載しておくべきなのだろうが、それには簡単な補助魔法位しか搭載していない。 協力者とは言え君達は一般人、こちらもそれが限界だ。 ただ、代わりにと言ってはなんだがそのデバイスは君に進呈させて貰う、僕と同型機だから計算能力も高いし不要なら電卓としてでも使ってくれ』と言っていたが、それはつまりこの杖にはまだ記憶できるスペースが残っていると言う事、もしかしたら俺の持っている魔術を記憶させる事も可能かもしれ無い、返却しなくても良いそうだから色々試させてもらおう。
カードとなっているデバイスを起動し、右手に杖を展開させる。 機械的な杖、クロノのデバイスと同型機でコアの色が赤く色違いと言った所か。
次にバリアジャケット、コレは自分のイメージする姿となるそうだが、基本的に俺には昔から愛用している鎧がある為、作る必要が無いとは思うが耐熱耐冷などの機能も有るようだし念のため製作しておくべきか。
目を瞑り、なのはのバリアジャケットを思い浮かべながらそれを元に衣装を製作して行く。
白いコートを基本に肩にはプレートを装備して、そこにナイフを設置する場所を設ける。 次に下半身、此方はそのまま上級騎士の具足を転用しグローブやインナーはそのまま彼女の物を、カラーリングはなのはと同じ物にした。 普段の騎士装備でも良いのだが折角なのだから彼女と似た装いにしたい。
杖とバリアジャケットの展開が終わり、その感触を確かめていると、なのはが待ってましたと言わんばかりに各種魔法の使い方を俺にレクチャーし始めた。
彼女の説明によると、どうもこの時代の魔術は科学的な面があるらしく、感覚的な方法で行使するのでは無く、自然摂理や物理法則をプログラム化し、それを術式として任意に書き換え、書き加えたり消去したりすることで行使する物、理数系の知識が必要な物だと言う。
俺の使用している魔術は術式を記憶し、そこから魔力を媒体にソウルの力を取り出して行使する物、術式の書き換え等やプログラムの構築が不要な代物な為にそれに慣れてしまっている俺では彼らの魔法を行使するのは難しいだろう。
現になのはと共に飛行魔法を行使しているが、酔っ払いのようにふらふらと身体が揺れ動きがどうにも安定しない、彼女の教え方は上手なので使用する事は出来るのだが制御が難しく、手を引かれながら出なければ満足に飛べないとなると実戦で使用するには不安が残る、打開策としては足元に障壁を展開し、それを足場に空中戦をする事か。 そうと決まれば話は早い、手を引いてくれているなのはに断りを入れてから障壁の展開の練習に移り、数時間掛けてやっとそれなりの硬度を持った障壁を展開出来るようになった。
「ふぅ、数時間掛けて障壁だけか、つくづく才能が無いな」
「ご、ごめんね? 私がもっと分かりやすく教えられれば……」
「いや、理数系が苦手な俺が悪いんだ、寧ろ付き合ってくれてありがとう」
「ブレンくんって、なんでもそつなくこなすイメージがあったけど苦手な物もあったんだね」
「そう思ったなら、今度理数系の勉強を教えて欲しいんだけど」
「うん‼︎ でも今度と言わず今日からお勉強だよ?」
「………………うん」
その後、俺はなのはと共に就寝時間までみっちり勉強した後、彼女達が寝静まった頃合いに自分にあてがわれた部屋で再びデバイスを起動し、ソウルから魔法の武器の魔術書を取り出してそれを読み込ませる。
一頁一頁をゆっくり読み込ませなければならない為、時間が掛かり、それなりに容量を圧迫してしまったが、無事に記憶させられた。 魔術行使に関しても不具合は無く義手にエンチャントも施せる、しかしソウルの力を仲介していないようで、その力は劣化しているようだった。
先ほどは魔術書の内容をデータとして記憶させるだけで使用できた、なら奇跡に関してはどうなのだろうか?
取り出した聖書は太陽の光の癒し、例え劣化したとしても信仰心が皆無の俺でも奇跡を発動出来るのであれば、デバイスと言うものはかなり幅広い使い方が出来るだろう。
デバイスが聖書を読み込み終わり、システムボイスがその内容を淡々と読み上げて行く。 その物語を唱え終わると同時に暖かい光が杖を中心に溢れ出し、光の波となってアースラ全域に広がった。
その瞬間バタバタと辺りが騒がしくなり、クロノが慌ただしく部屋の扉を開け放った。
「寝ている所をすまない‼︎ 不審な魔法がこの部屋が起点に、アースラ全域に広がったんだが何か知らないか⁉︎」
「………………すまん、多分それ俺だ」
その後クロノから大目玉をくらい、長々と説教を受けながら拳骨を貰った為呪術を試そうと思っていたのを泣く泣く断念し、素直に床に着く。
これによって戦術の幅が広がり、今まで使用出来ずにいた魔術と、奇跡、呪術に関しては分からないが、ともかくそれらが軒並み行使出来るようになった上、非殺傷設定を施せるのでこれで気兼ねなく戦える。 まあ難点としては、魔術の記憶にかなりの容量を使用するようなので、詰めても二つか三つ程度な事だろう。
だがそれを差し引いても一つの触媒で異なる三つの術を行使出来るのは大きい、取り敢えずはソウルの結晶槍と混沌の大火球を追加で登録しておこう。
不死の英雄伝 〜 舞台裏 〜
NGシーン 呪術も使えるよ
ブレン「痛たたた、まったく、回復魔法だから問題は無いだろうに…………」
ブレン「次は呪術だな、大火球辺りが無難かな?」
デバイス『システム キドウ、Nowloading中』なのはボイス
ちょっと経って。
ブレン「読み込みが終わったみたいだし早速使ってみるかな?」杖の先端に大火球
ブレン「無事呪術も使用でき、あっこれ如何やって処理しよう…………」
デバイス『火災報知器起動、キケン、キケン』なのはボイス
ブレン「また……、怒られるや……」