不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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お母さんとの御対面‼︎ 果たして娘さんとの交際を認めて貰えるのか⁉︎

嘘です。


不屈の体現者 55

第五十五話 時の庭園

 

 

フェイトに攫われた俺は彼女達の拠点で、一人の女性の案内を受けながらこの『時の庭園』と呼ばれる場所の主人の元まで向かっている。 案内をしてくれている彼女の名は『リニス』フェイトの母である『プレシア・テスタロッサ』の使い魔だと言う。

 

攫った事が後ろめたいのか、さっきからずっと謝り倒しているフェイトと腹の虫を盛大に鳴かせているアルフに緊張感を削られていると、リニスさんが目的の場所に着いたのか、荘厳な装飾の施された扉をノックし中に居る人物に入室の許可を得る。

 

 

「リニスです。 ブレン様をお連れしました」

 

「ご苦労様、準備は出来てるから入ってらっしゃい」

 

「(準備?)分かりました、ではブレン様中へどうぞ」

 

彼女が扉を開き、会釈をしながらその先を促す。 彼女が開いた扉の奥には、玉座の間と呼ぶのに相応しい大広間と左右に配置された合計六体のガーゴイル、玉座に足を組みながら此方を見下す魔王チックな女性が居た。

 

 

「時の庭園にようこそ、歓迎するわ、盛大にね‼︎」

 

彼女がそう言った瞬間素早く扉が閉まり、何事も無かったかのような表情をしたリニスさんが一つ咳払いをし『ブレン様、少々お待ちを』と言って、困惑する俺達を置いて室内へ入って行き、その直ぐ後にハリセンで引っ叩く音が辺りに木霊した。

 

 

『痛いわね‼︎ 主人を引っ叩くなんてどう言うつもり⁉︎』

 

『それは此方の台詞です‼︎ 何ですかこのおどろおどろしい雰囲気は‼︎ 歓迎する気ゼロじゃないですか‼︎』

 

『だって、あの年頃の男の子が何を喜ぶか分からないもの、どうせなら冒険心をくすぐろうと…………』

 

『普通で良いんですよ普通で‼︎ これじゃあまるで魔王じゃないですか‼︎』

 

『男の子は何時になっても英雄とか勇者とか好きだから丁度良いでしょう?』

 

『良くありません‼︎ 思いっきり彼、臨戦態勢を取ってましたよ⁉︎ 良いから片付けて下さい‼︎ お客様を待たせてるんですから‼︎』

 

『もう、折角用意したのに…………仕方ないわね』

 

 

筒抜けとなっている喧嘩が終わり、指を鳴らす音が聞こえたと思うとその直後に轟音と振動が俺達を襲う。

 

 

『…………プレシア、片付けなさいとは言いましたが塵一つ残さず消し炭にしろとは一言も言ってませんよ?』

 

『面倒じゃない』

 

『いえ、そう言う問題では……』

 

『私は一応病人よ? あれを片付けるのだって一苦労なのだからこのくらいはいいでしょう?』

 

『…………そもそもあのガーゴイル、Aランク魔導士程度の性能を持ってませんでしたっけ?』

 

『そうだったかしら? それなりの材料で適当に作った物だから覚えてないわ』

 

『…………相変わらず無茶苦茶ですね、嗚呼胃が痛い』

 

『胃を押さえて居る所悪いけど、早く彼を呼んで来なさいな』

 

『…………はい』

 

「なあ、フェイト」

 

「う、うん、如何したのブレン?」

 

「君のご家族は愉快な人ばかりだな……」

 

「あ、あははは」

 

その後、澄ました顔をしたリニスさんに案内され改めて俺はプレシア・テスタロッサの前に案内される。 フェイトの話では彼女が俺に用があるらしいのだが、俺にはその心当たりは無い、考えられる線は俺の武具辺りか?

 

 

「手荒な真似をしてごめんなさいね? 私はプレシア・テスタロッサ、フェイトの母よ」

 

「お初にお目に見えます、ブレン・シュトッフです。 娘さんのお話では俺に用があるそうですが?」

 

「ふふっ、『ブレン・シュトッフ』燃料を意味する名前だけれど、コレは偶然かしら? ねぇ『不死の英雄』様?」

 

「買い被りですよ、俺は『英雄』なんかじゃない、普通の存在です」

 

「勿論本人では無いのは分かっているわ、大方貴方もフェイトと同じような存在なのでしょうけど、でも問題はそこじゃないの。 貴方、失われたソウルの業を使えるのでしょう? 私達にはそれが必要なのよ」

 

 

正直、彼女の優秀さに驚きを隠せない、隠している訳では無いとは言え俺の正体に気付きかけ、尚且つ失われたとされている『ソウルの業』の事を察するなど稀代の天才だな。

 

「私達の目的はね、簡潔に説明すると事故死したフェイトの姉である『アリシア』を蘇生させる事なの」

 

「死者蘇生……、だから魂の力を操るソウルの業が必要と言う事か、中々ぶっ飛んだ事を考えますね」

 

 

確かに、魂の強化やその力を利用した魔術がある以上、上手くソウルの業を使用すれば死者蘇生も可能かもしれないが……面白い事を考えたものだ。

 

 

「常識の範囲内に居ては常識の範囲内の事しか出来ないもの、褒め言葉として頂いておくわ。 それで如何かしら? 勿論謝礼もするし、出来る範囲でなら何でもする、だから私達に手を貸してくれないかしら」

 

彼女はそう言って玉座から立ち上がり、俺と目線を合わせながら手を握り、真っ直ぐ、そして誤魔化さずにその思いをぶつけて来た。 …………勿論俺の答えは決まっている。

 

 

「一つだけ条件があります、これを必ず果たすなら手を貸しましょう」

 

「…………その条件は?」

 

「死者蘇生を実現して下さい。 絶対に諦めず、血を吐き、生命を削る羽目になったとしても、折れずに必ずそれを達成して下さい」

 

「何を言うのかと思えば……、そんな当たり前の事は大前提に決まっているでしょう? それが出来なきゃとっくの昔に折れてたわよ」

 

 

その眼に曇りも偽りも無い、彼女の魂や精神が強固なものなのを確かめると、俺はソウルの中から公爵の書庫で根こそぎ拝借したソウル関連の書物と、初歩的な魔術書、聖書、呪術書。 そして絶対に誰にも、それこそ娘であるフェイトや使い魔であるリニス達にすら内容を教えないと言う条件で闇術書も何点か彼女に手渡した。

 

どさどさと山積みになって行く資料に目を白黒させているプレシアさんと、その様子を『あのプレシアが驚いている⁉︎』と言っているリニスさんに、複雑な思いを抱きながら各種発動媒体も手渡す。

 

 

「これでソウル関連の資料は全部です、ですが内容は神代の文字で書かれているので俺が片っ端から翻訳して行きます、それとこの写本は読み終えると同時に焼却処分して下さい、では少々お待ちを」

 

「…………え、えぇ」

 

「す、凄いよブレン‼︎ あの母さんが何も言えないなんて‼︎」

 

「フェイト……、あたしは反応する所が違うと思うんだがねぇ」

 

「…………プレシア以上の非常識人が居るだなんて予想だにしませんでした」

 

 

高性能な義手のおかげで半日程で四分の一を写本し終える事が出来た、口々に好き放題言ってくれたがその件は後で問い詰めさせてもらおう。




不屈の英雄伝 〜 舞台裏 〜

NGシーン 親バカの真骨頂


プレシア「歓迎しましょう、盛大にね‼︎」

ブレン「いや、お母さん?」

プレシア「貴方に『お義母さん』と何て言われる筋合いは無いわよ‼︎」

ブレン「いや、あの……」

プレシア「ぐぬぬ、フェイトの初恋相手だから手を出す訳に行かないし……。 如何してもフェイトが欲しいなら私を倒して行きなさい‼︎」

フェイト「がんばってねブレン‼︎」チアガール衣装

ブレン「俺は何の為に連れて来られたのやら……」

フェイト「えっ? ブレンは私が嫌いなの?」

プレシア「ウチの娘の何処が気に入らないって言うの‼︎」

ブレン「どっちなんだよ⁉︎」
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