追記
参考資料(漫画INNOCENT)を購入したので、出す予定の無かった一部の人が出演するかもしれません。
第六十一話 時の庭園攻略作戦 第一戦
開戦の号砲はブレイズキャノンの一閃、リニスはそれを身を低くしながら回避し、先ほどクロノが破壊したガーゴイルの頭部を彼のデバイス目掛けて投擲する。
砲撃の影から飛来するその塊によって術後の僅かな硬直を突かれた形となったクロノは、すぐさまデバイスをリリースしてそれを回避したのだが、その一瞬の間にリニスに距離を詰められ、デバイスを持つ手を捻りあげられると同時にその手に握っていたそれを奪われる。
デバイスを奪われたクロノはそれを奪い返す事をせず、逆にリニスの杖を蹴り飛ばし、捻りあげられた腕を重心にして逆上がりの要領でリニスの顎へ蹴りを放つ。
リニスはその一撃を受けた後、思わずクロノを手放してしまい、彼の反撃をまともに受けてしまう。
丁度胃の位置に突き刺さる拳、腰の入った痛烈なその拳によってリニスは胃の内容物がせり帰るような感覚を覚えながらも一気に後ろに飛び退く。
間合いを取ると同時に、彼女はフォトンランサーを数発放ち、追撃に移ろうとしたクロノの出鼻を挫く。
彼は自分に向かってくる魔力の槍を転がるように避けながら、ガーゴイルの胴を壁にしつつフォトンランサーの連打が止むのを待ちながらスティンガースナイプをガーゴイルの影に隠し、青銅の盾を回収しておく。
クロノは魔弾の雨が止むと同時にガーゴイルの影から飛び出し、リニスに向かってブーメランのように青銅の盾を投げ付けたのだが、彼女は先ほどまで居た場所には居らず、その場から忽然と姿を消していた。
彼が顔を顰めながら左右を確認していると、上空からリニスのかかと落としが打ち下ろされる。
先ほどクロノがガーゴイルの影に隠れている際に、彼女はフォトンランサーを自動で一定時間吐き出し続けるスフィアを設置し、床を蹴って天井に張り付いていた。
手の平をバインドで天井に固定し、息を殺しながらクロノが現れるのを待っていた彼女の奇襲は見事に嵌り、無防備だった頭頂部を強かに打ち付ける事になった。
ふらつくクロノの胸に膝蹴りを突き立て、彼の肺の中の空気を全て吐き出させながら、身体がくの字に折れ曲がった瞬間に顎を掌底で打ち上げる。
そのまま身体の浮いたクロノの脇腹へ彼女の美しい足が突き刺さり、壁に叩きつけられたクロノの手足をバインドで壁に固定する。
傷害罪等を適用されないように証拠となりえる痣一つ付けてはいけないという縛りがリニスには付いているものの、代わりに身体の内部に衝撃を与える事は出来るのでクロノの体力を削るように一撃一撃を重くしている。
立て続けに浴びた連打によって意識朦朧となったクロノを牢屋へ転移させようとリニスが近づくと、僅かにその指が動いている事が確認出来た。
瞬間、彼女の側頭部に衝撃が走り、クロノの拘束が解けてしまう。
それは先ほど彼が仕掛けておいた誘導弾、万一に備えて不意を突けるようにと彼女の死角に設置しておいたものだ、意識が朦朧とし視界も定まらない状態だったが長年の経験から裏打ちされた勘によって状況を盛り返す事に成功した。
バインドによる貼り付けから解放された彼は、利き手と反対側の小指を自分でへし折り、その鋭い痛みによって無理やり意識を覚醒させる。
一瞬の油断によって随分と追い詰められてしまったが、クロノに焦りの様子は無い。
足止めをされている状態ではあるが、同時に彼女をこの場に抑え込めているので、戦闘経験が浅いユーノや甘さの残るなのはの元へ向かわせる事無く済んでいるため、状況自体は決して良いとは言い難いが、それでも悪いものでは無いからだ。
一応、クロノもデバイス無しでの魔法は使えるものの、威力はやはり劣化するし展開にも多少の時間を要求される。 彼はブレンのようにナイフのような物を投げられればこんな事で一々悩まなくて済むのに、と現在自分が切ることが可能な手札の少なさに舌打ちをしながらもリニスの懐へ向かって踏み込んで行く。
迎撃として放たれる水面蹴り、ダメージの残るクロノを迎撃するには充分な代物ではあったが、彼は体勢を低くし両手を床に付けているリニスに向かってバリアジャケットの上着を投げつけると、誘導弾を一つ設置しながらリニスに飛び付き、自分の背中で誘導弾を隠しつつ彼女の胸から鍵を回収する。 だが、その際にリニスがクロノのリンカーコアへ向けて自分の魔力を込めた拳を叩き込み、クロノの魔法行使を一時的に阻害する。
クロノはリンカーコアの痛みを堪えながらも、誘導弾に気取られないように、自然な動作で彼女の視線を誘導しながら出口の扉へと向かい手に入れた鍵を使って扉を開ける。
それを見たリニスはしまったという表情を浮かべながら、慌ててクロノの背中に向けてフォトンランサーを放ち、彼の動きが止まった際に羽交い締めにする。
「はあ、はあ、捕まえましたよ」
「…………ふっ、ふふふっ僕の、勝ちだな」
「? 何を言っているのですか? 貴方は今、私に羽交い締めにされ、更にリンカーコアにも私の魔力が混ざった所為で魔法行使も思うように行かないはず、万に一つも勝ち目はありません」
「………………いいや、君が僕をこうして羽交い締めにしているからこそ既に勝負は決しているんだ」
彼は指先を動かし、先ほど設置していた誘導弾を操作してリニスの心臓部分を自分の身体ごと撃ち抜いた。
「…………えっ?」
「うぐっ、はぁ、はぁ、肉を切らせて、骨を断つと言う言葉があるが、正に、この事だな……」
非殺傷設定を施してあるとは言え、人体の急所を射抜かれる痛みまでは消せない為、リニスは意識を刈り取られてしまった。
彼女の身体を漁り、自分のデバイスを回収したクロノは倒した彼女を抱き上げ、近くの部屋にあったソファーに寝かせながら自分も近くの壁に凭れかかる。
(はぁ、どうやら念話すら使用出来ないようだ、リンカーコアの回復を待っていては間に合わないだろうし、僕は此処でリタイアか…………)
そう言えば記録機材も全滅しているのだったな、と思い出したクロノは、士官学校時代に母と別姓を名乗っていた事を思い出しながら、デバイスの中に仕舞いっぱなしにしていた、当時吸っていた煙草を取り出し火を付ける。
当時の彼は親の七光りと思われたくなかったので少々荒れていた、悪友も何人か出来たし親友のジャックもその一人、そしてこれはその荒れていた時の名残であった。
クロノは目を瞑り、咥えている安くて不味い煙草の味を懐かしみながら、この任務が終わったら当時連んでいた悪友達と遊びにでも出掛けようか、と考えるのだった。
不死の英雄伝 〜 舞台裏 〜
NGシーン 鍵?
クロノ「取ったぞ‼︎」
リニス「きゃっ」
クロノ「鍵? だけじゃない⁉︎」 つ黒いアダルティーなブラ
リニス「へ? きゃぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」
クロノ「ま、まあ、無力化出来たから良しとしよう」震え声