不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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今回はユーノです。

時間的にはクロノの念話が飛んだ辺り。




不屈の体現者 62

第六十二話 時の庭園攻略作戦 罠屋敷

 

 

クロノとの念話を終えた僕は、自分が飛ばされた部屋の構造をじっくりと調べていた。

 

なんでも、なのはやクロノは石像に擬態していたガーゴイルに襲撃されたと言っていたけど、幸運な事にどうやら僕の飛ばされた部屋にはそれらしき物は設置されていないようだ。

 

けれど代わりにと言っては難だけど、扉には鍵が掛かっていて正面からは出れそうに無い、戸棚や机の引き出しなどの場所も調べては見たものの鍵らしき物は見当たらず、研究資料ばかりだった。

 

試しに扉へ向かって椅子を投げつけてみたものの、非力な僕の力ではビクともせず、溜息を吐きながらふと天井を見上げると意味ありげに一部分だけ色が違っていた。

 

 

明らかに誘われている事は見て分かる、だけど他に脱出ルートが見当たりそうにも無いし、時間制限付きなのだから迷ってる暇はないか。 そう考えた僕は、机と椅子を使って天井板を外し、天井裏へと顔を覗かせる。 中は通路のようになっており、所々から明かりが漏れていた。

 

身を乗り出し、その明かりの元へ向かおうとした瞬間、暗がりでよく分からなかったが、ギロチンのようなものが僕の首を刈り取るように迫ってきた。 思わず変な声を上げながら首を引っ込め、紙一重でそれが通り過ぎる前に回避する事が出来たものの、先ほど外した天井板がその刃に接触し、何処かに転送されていった。

 

恐らく、あのギロチンには強制転移魔法が掛けられているのであろう、掠らせでもすれば即転送だ。

 

再び天井裏を探ると、キャタピラのように等間隔でギロチンが動いているのが分かった。 けど次の刃が迫ってくるまでに多少の猶予があるようなので、ギロチンが動けないように何か細工が出来れば安全に通れるかも知れない。 試しにバインドを施して見たのだが、ギロチンのパワーが凄まじくて直ぐに引き千切られた。

 

物理的な妨害も強制転移されてしまう以上、アレには無力。 僕は普段はうんざりしているブレンの非常識がこの時ばかりは羨ましくて仕方無かった。

 

腕を組み、部屋の中を見渡しつつあのギロチンの動きを止める事の出来る術を考えながら、こんな時ブレンならどうやって脱出するか思案してみる事にする。

 

 

先ず彼の特徴はどんな物を使っても予想の範囲外の使い方をする柔軟な思考、冷静に状況を判断する観察眼、後は何でも試してみると言う事。 僕の周囲には本棚や研究資料が散乱している机などがある、彼ならこれを使用するだろうが…………。

 

そこまで考えて、僕はある一つの方法を思い付いた。障害物を使って止められ無いなら枷を嵌めてみてはどうかと言うものだ。 僕はそれを実行するために部屋中の家具という家具にチェーンバインドを施し、机の上に乗りながらそれらをギロチンへと括り付ける。

 

ギロチンの移動によって昇降機のように引き上げられて行く家具を踏み台にしながら天井裏へと飛び乗り、ギロチンの後を追って行く。

 

僕が天井裏へと乗り移って少しすると、引き上げられた家具が天井へと突っ掛かり、ギロチンの動きが鈍い音を立てて止まったので、刀身に触れないように明かりの差す部屋の上に向かう。

 

天井板を外し、下に見える部屋に何も無さそうな事を確認してから、再びチェーンバインドをロープ代わりに展開してその部屋に入って行く。

 

床に足が付くかどうかと言った所で天井裏に置いていた板が落下し、僕の目の前を通過していった。 思わず身体がすくみ、視線をそれに合わせると、落下物が床に接触した瞬間、床に刻まれた転移魔法陣によってその板が目の前から掻き消えた。

 

危なかった、迂闊に足を付けていたらそれで終わりだった。 僕は冷や汗を流しながら、一旦チェーンを登って行き、天井と足をバインドで固定しながらゆっくりと扉まで向かって歩いて行く、そして又チェーンバインドを使ってドアノブを回す。 どうやら鍵は掛かっていないようだったので、そのまま廊下に転がり出た。

 

 

廊下は一本道、奥には両開きの大扉が見える。 手袋を投げて罠が無いかを確認しながら周りの部屋を調べて行ったのだが、丸太が飛んで来たり、転移魔法弾が飛んで来たりしたのだが、何れも普通の部屋だった為、奥に見えた大扉の前に向かう。

 

此処まで厄介な罠があった為、開ける事を戸惑ったのだが、中からは局員達の呻き声が聞こえて来たので、慌てて扉を開き、彼らの助太刀に入る。

中には大広間となっていて、中央には五、六人の局員が倒れている。彼らのど真ん中には殴り倒したであろうアルフが無傷で立ちながらつまらなさそうに彼らを転送していた所だった。

 

 

「あ〜あ、全然ダメだね。 肩慣らしにもなりゃしない」

 

「アルフか‼︎」

 

「あん? あんた確かユーノだったかね? はぁ、なんだいなんだい、この辺に送られてきた最後の相手だってのに、どうしてあたしの相手はこうも骨の無さそうな奴ばっかりなのかねぇ」

 

 

目の前のアルフがやれやれと言った仕草をしながら指を鳴らすと、僕の後ろの扉が閉まってしまい、この部屋に閉じ込められてしまった。

 

僕を閉じ込めた彼女からは普段のおちゃらけたような雰囲気が四散して行き、その顔には獰猛な闘志の表情がありありと浮かんでいた。

 

 

「まあ? あんたで最後ってなら話が早い、大人しく負けるか抵抗して負けるか好きに選びな」

 

「僕は戦いが苦手なんだけどなぁ……」

 

「はっ、だったら大人しく負けときなァ‼︎」

 

 

飛び掛かってくるアルフと、それを受け止める為の障壁を展開するユーノ、全く違うタイプの二人の衝突が始まった。





不死の英雄伝 〜 舞台裏 〜

NGシーン 研究、資料??


ユーノ「鍵が見当たらないなぁ」

ユーノ「何かの資料ばっかしだし……ん?」

ユーノ「何々? 『ふぇいとの観察マル秘日記』?」

ユーノ「『○月×日、今日はフェイトが私の為にケーキを焼いてくれた。砂糖とお塩を間違えていたんだけど、フェイトが恥ずかしがりながら『どう、かな?』って聞いてきて、もう可愛くって可愛くって、その表情を眺めながらワンホール丸々平らげちゃった。 ご飯三杯は軽いわ‼︎ ○月△日、今日はフェイトと一緒に庭園内のお掃除をした。 髪を一括りにしたフェイトはもうキュートでキュートで、天使が舞い降りて来たような思いを抱いたわ、一生懸命お掃除するフェイトは愛らしくって(以降、彼女の可愛さが延々と書き綴られている)』………………か、鍵は何処かな〜〜」

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