復活のFを見てきたのですが、もう少しフリーザ様が強くても……と思ったのは私だけでは無いはず(白目)
殴り合いには心躍りましたが。
第七十一話 vsブレン
俺はプレシアさんに多少カスタマイズして貰ったデバイスを起動させながらなのは達と結界を貼った公園で対峙していた。
彼女達の目的はデバイスを使った近接戦闘と魔法射撃戦への慣れだと言う。 時間を見てはお互いに戦っていたらしいのだが、どうにもマンネリ化し始めてきているらしく、俺にお株が回ってきたようだ。
初めは断るつもりだったがアルフが自信満々に『今のフェイト達ならあんたにだってきっと勝てるね!!』と胸を張って言っていたのと、なのはにどうしてもとお願いされたのもあり渋々引き受けたのだが、今になって思えば実戦と修業の違いを教える良い機会かも知れないな。
「フェイトー!! ブレンなんかボッコボコにして泣かしちまっても構わないよー!!」
「そうそう!! ブレンにいいところ見せるチャンスだよ〜!!」
「うぅ〜、アルフも姉さんも勝手な事ばっかり……」
「にゃははは…、と、とにかく頑張ろうねフェイトちゃん!!」
「うん!!」
「…………それと、ブレンくんは渡さないよ」
「……う、うん(め、目が怖い)」
外野からの声援に返事も返し終わり、改めて彼女達はそれぞれのデバイスを起動する。 バリアジャケットを纏い、其々が杖を俺に向ける。
俺のデバイスはクロノと同型機なのだが、必要最低限の魔法しか搭載されて居なかった。 そのお陰でカスタム出来る幅が広く、現在の俺の杖は余計な装飾を排斥し、魔力刃を発生させる事で槍や剣、普通に殴り付ける事で鈍器としても扱えるようにしてある。 コンセプトとしては十得ナイフのように『この杖一つで様々な状況に対応出来る』という形を目指した物、これからもいくつか機能を搭載する予定だ。
「なのは、フェイト、俺は手加減なんて出来ない。 君達に剣を向けるのは不本意だが、やるからには全力だ、実戦の剣を見せてやろう」
俺の雰囲気が変わったのを察したのか、なのは達は集中力を高め、俺の一挙一動を見逃さないようにしている。 杖に魔力を流し込み、魔力の刃を展開する。 許容量一杯に込めた魔力は月明かりの大剣のような青い刃となり杖に張り付き、大剣としてその姿を表した。
刃から伝わる魔力、膨大な力と良質な魔力を感じ取った二人がその力に当てられ、緊張感から生唾を飲み込んだ瞬間、俺は地面の砂を二人の目に向かって蹴り上げる。
完全に大剣に目を奪われていた二人は反応が遅れたのかその砂をまともに浴びてしまい、目を瞑ってしまう。 その隙を突き、魔力の大剣を纏わせたままの杖を二人にブーメランのようにして投げ付け、その影に隠れながら一気に二人に接近する。
流石に多少実戦慣れしているフェイトは、空を飛ぶ事で接近する大剣を見えないながらも回避したのだが、まだ実戦経験の浅いなのははそれを障壁で防いでしまう。
一対一なら前面のみの障壁の裏に回り込むか、それごと粉砕するかなのだが、今回はこの障壁を踏み台にして空に居るフェイトの所まで飛び上がり、彼女の足首を左手で掴んでそのまま地面に投げつける。 義手の力で投げたので地面に勢い良く叩き付けられたがバリアジャケットを展開しているから平気だろう。
落下と同時に義手の中に仕込んでいたワイヤーを使って弾かれたデバイスを回収し、なのはの体勢が回復する前に畳み掛ける。
杖による後頭部への振り下ろし、落下の勢いを利用したそれは、なのはの障壁によって防がれる、どうやら気付かない内に周辺に例の魔法が散布されて居たようだ。
彼女の障壁を強引に撃ち抜くには生半可な火力では不可能、一度彼女の側から離れ血払いをする様に杖を一閃し、再び彼女へ向ける。
なのはは障壁を展開しながら、杖を槍のように構えて俺へ向けて突撃して来る。 彼女の周囲にはシューターが四つ、それらは彼女の突撃と共に四方へと拡散し、俺の背後に回り込こむ。
アレを相手にする必要は無い。 それよりも打突の為に穴の空いた彼女の障壁に手を突っ込み、そのまま腕を掴み、捻り上げながら背負い投げる。
地面に叩き付けられた彼女の顔に向けて義手の拳を寸止めにしながら振り下ろす。
引きつった笑いを浮かべるなのはを一瞥した後、背後から斬り掛かってきたフェイトの一閃をしゃがむ事で回避し、足払いで転倒させる。
前のめりで転倒した彼女の首筋に杖を押し当てながら、なのはと共にバインドで縛り上げる。 開いた口の塞がらない二人と、不満そうにしているアルフとアリシア。
「色々不満そうだけど、実戦は大概こんな物さ」
「いや、でも、え? 勝手なイメージだけどブレンって騎士道精神に溢れる男の子だと思ったのに……」
「普通、こんな時は正々堂々やるもんじゃないのかねぇ……」
「戦いは手段を選ばない物さ、勝つ為にはある物はなんだって使う奴だっているし、良い経験になったと思うよ」
そう、なのは達は純粋過ぎるのだ、優しい性格からして搦め手に弱いとは思ったのだが、ものの見事に引っかかってくれた。 此れから彼女達が戦う相手が全て正々堂々とした戦いをするとも限らない、俺のように捻くれた戦い方をする者だって居るはずだ。
「まあなのは達も不完全燃焼のようだし、捻くれた剣で良ければ何度でも相手になるよ」
大してダメージが入らないようにしていたとはいえ、なのは達の闘志に翳りは無い。いや、寧ろ先ほどよりも闘志が燃えているように思える。 怒りや殺意に駆られて闘志を燃やす者は居たが、負けず嫌いなだけで闘志を燃やす者は見た事が無い。
「もう一回勝負だよ、ブレンくん!!」
「私も、まだ動けるよ!!」
「じゃあ、第二ラウンドと行こうか。 今度は搦め手に充分気を付けるんだよ? まあやってる本人が言うのも何だけどさ」
仕切り直しからの第二戦、今度先に仕掛けたのはなのは達、今度は先ほどの二の舞にならないように先手を取って戦いの主導権を握るつもりのようだった。
左右から同時に斬り掛かる二人、硬い障壁を展開する事の出来無いブレンは斬撃を後ろに転がりながら回避し、手頃な石を一つ拾ってから魔力の大剣を展開しながら地面を斬り裂いて砂煙りを舞い上げる。
なのは達はブレンの姿が見えなくなった瞬間に空に飛び上がり、なのははディバインバスターを、フェイトはフォトンランサーを展開する。
彼女達は互いに目を合わせて全く同じタイミングで魔法を放ち、なのはのディバインバスターが大地を焼き、フェイトのフォトンランサーが面制圧を開始する筈だった。
土煙を斬り裂いて姿を表したブレンは、なのはのディバインバスターを真っ二つに割った後、自分に当たるフォトンランサーを全て斬り払う。
その後ブレンは大剣を槍へと変化させながら硬質化させた魔力の切っ先を地面へと突き立て、その槍を足場にしながら飛び上がる。
なのははディバインシューターとバスターを展開、フェイトはそのままバルディッシュをサイズモードへ切り替えてブレンへと斬り掛かる。
空中で身動きの取れないブレンを襲おうとする二人の攻撃、特にフェイトの素早い斬撃は空中ではろくな行動が出来ないブレンにとって致命傷となり得る物だった。
だが、彼は義手のワイヤーを利用して足場にしていたデバイスを即座に回収、そのままフェイトの斬撃を受け止めると、彼女に抱き着く事で高度を維持し、そのまま彼女の腹に膝蹴りを突き立てて動きを止め、手首にワイヤーを結び付けながらその身体を踏み台にしてなのはまで一気に飛び掛かる。
ディバインバスターのチャージをしていたなのはは、飛び掛かって来たブレンを撃墜する為に側に展開するシューターを彼の前に立ちはだかるように放つ。 当然彼の空中移動法は軌道変更など出来る物では無い。外的要因で向きを変える事は出来るだろうが、現在の彼はその為の月明かりの大剣を背負っておらず、カスタム後のデバイスの試験運用も兼ねてそれ一本で戦っている状態、ある意味ではなのはの取った行動は正しいとも言えるだろう。
ブレンは迫るシューターをデバイスを盾にして防ぎつつ、握っていた小石をなのはの視線の上に投げ付ける。
なのはの視線が一瞬其方に向かった瞬間に、彼は障壁による足場を展開、砲撃を放つ瞬間を狙い彼女を斬り捨てる。
気を失ったなのはを抱きとめ、フェイトのワイヤーを引っ張る事で、なのはが気絶する前に放ったディバインバスターの射線上に彼女の身体を誘導し、そのままバスターを直撃させて意識を刈り取った。
不死の英雄伝 〜 舞台裏 〜
NGシーン 小細工しなくても……。
アリシア「…………ねぇ、アルフ?」
アルフ「…………なんだい? アリシア」
アリシア「ブレンってさ、捻くれた剣とか言ってたけどさ、小細工無しでも充分強いじゃん…………。 あの砲撃と散弾みたいに降り注ぐフォトンランサーを無傷どころか斬って捨てるって、ブレンって何者?」
アルフ「さぁねぇ……、ただ一つ言える事はさ」
アリシア「言える事は?」
アルフ「あいつはとっくの昔に人間を卒業しちまったんだろうって事さ……」
アリシア「…………わ、若者の人間離れって奴かぁ」