不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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Asヒロインさんの登場です、一応ブレンはシフの散歩とかで既に彼女とは面識持ちです。

守護騎士とは面識がありませんが。


不屈の体現者 73

第七十三話 相談

 

まだジュエルシード事件が起こる前に知り合った少女が居る、名前は『八神 はやて』独特な喋り方をする彼女と出会ったのはまだぐーたらで無かった頃のシフと散歩していた時だった。

 

当時、買い物帰りだった彼女は車椅子を押しながら緩い坂道を登っていたのだが、頂上付近にいた俺とシフのやり取りに吹き出してしまったらしく、坂を猛スピードで下って行くのを発見し、思わず義手の手首を射出して引き上げたのが初めての出会いだったと記憶している。 因みにその時の第一声は『何処のサイボーグやねん!!』であった、直ぐに助けてくれた事についての礼とサイボーグ呼ばわりを謝罪していた。

 

 

その後は時々世間話をする程度には仲良くなり、今回ある相談事に乗って欲しいので彼女に会いに図書館に向かっている。 なのは達に相談する内容では無いし、かと言って父さん達もなんだか筋違いな気がしたので、同年代の彼女に相談する事にしたのだ。

 

「と言う訳で、俺はなのはが好きだ、彼女を愛している。 けどどうも他の子も責任を取らないとダメそうでさ、この場合素直に全員バッサリ振ってしまうか愛人にでもして囲うべきなのか。 前者は彼女達を傷付けそうだし、後者にしたって俺の中では親友止まりだから心から愛せない。 如何したら良いと思う?」

 

「うん、取り敢えず一発殴らせぇや」

 

「えっ?」

 

「あのなブレンくん、そのセリフだけ聞くととんでもない屑男に聞こえるで?」

 

思っている事を素直に伝えたんだが、どうにも間違いだったらしい。

 

「はぁ、いきなりメールで『大事な話があるから直接会って話がしたい』って来たから告白かいなと思っておめかしして来た私の気分にもなって欲しいわ」

 

「ああ、それは無い」

 

「そうハッキリ言われると私も傷付くんやけど……」

 

「君は実に魅力的だけどさ、俺はなのはに心奪われたからね」

 

「むむむ……、まあええわ、いつか振り向かせればええだけやし、話はそれだけかいな?」

「そうだね、答えは貰っていないが、君の反応を見る限り他の子も似たような反応で返すだろうし振っても無駄そうだ」

 

「いや、そもそも愛人にして囲うとか言う発想をやめーや」

 

「好意を持っている相手を丸っきり無視するのも悪いと思うんだけど……」

 

 

結局彼女に相談した結果、自分で判断しろと言う事となり、告白されれば一応振るが彼女達の意思次第で愛人にすると言う事に決め、その事を彼女に伝えると呆れたようなジト目で睨まれた。

 

その後は他愛の無い話に花を咲かせ、昼時になったから帰宅したのだが、帰り際に一つ気になったのははやての中に何か良くないものが有るような気がした事と、まともな生物では無い何かと入れ違いになった事だ。

 

前者はあの深淵の泥のような気配だったので慌てて彼女の胸に直接手を当てて早急に真偽を探ろうとしたのだが、腰の入った拳に全力で殴り飛ばされたのでそれは叶わなかった。 説明しようにもその前に床に正座させられ、延々とお説教されるわ、話の終わる頃合いを見て弁明しようと顔を上げると丁度彼女のスカートの中を覗く形となってしまい、更に説教が追加されてしまい結局有耶無耶にされてしまった。

 

後者に関しては人間では無いのは分かる、だが人外でも無く、どちらかと言うと人形のような気配を感じたのだ。

 

桜色の髪を一括りにした武人のような気配を纏った女性、すれ違う瞬間にお互いに目が合い、その目に宿る覇気に思わず手が出そうになっていたが、此処は公衆の面前、且つ彼女は何もしていないので放置する事にし、取り出しかけていた袖裏のナイフをしまい直して大人しくその場を去った。

 

どうやら彼女も同じような事を思ったのか、特に俺に対してアクションを起こす事もせずそのまま図書館に入っていた。

 

ブレンが去った後、図書館内で本を読んでいたはやての元にさきほどの女性が現れた。

 

「主はやて、お迎えに上がりました」

 

「ん、ありがとーなシグナム」

 

彼女の名はシグナム、八神はやてが所有する『とある物』とその所有者を守護する騎士の一人であり、その『とある物』が生み出した魔法生命体の一体である。

 

「ふふふーん、そっか愛人かぁ……」

 

「どうしました? 主はやて」

 

「ああ、ほら前に話したやん? ブレンくんの事や」

 

「主の思い人の事ですか? 何時の間にか好きになっていたとか言う?」

 

「せや、全く脈が無いと思とったけど、なんとかなりそうなんやわ」

 

はやての車椅子を押しながら彼女の話に耳を傾けつつ、シグナムは頭の片隅で先ほどの少年の事を考えていた。

 

あの少年、只者では無いな。 身のこなしは勿論、垂れ流しにしている膨大で良質な魔力、あの視線が交差した一瞬に見えた袖口のナイフ。 妙に手慣れた動きで抜いていたから、アレは付け焼き刃では無く常用している物と見える。 試しにあのまま戦っていた場合を想像してみたが、何度やり直しても無傷であの場を切り抜けられそうに無い。

 

もしも私があの少年と斬り結ぶ事となった場合、果たして五体満足で立っていられる物なのだろうか? 彼はこの平和な時代に似つかわしく無い存在だと分かる、なんの淀みもなくナイフを抜いた事から、私達のように殺し合いの世界を生き抜いた者であると察せられる。 彼は恐らく数え切れないほどの命を手に掛けている筈だ。

 

一人の武人としては戦ってみたいと言う思いが無くは無いが、主はやてを守る為には彼には手を出さない方が無難かも知れんな。

 

 

シグナムのその思いとは裏腹に、この数ヶ月後彼とは戦場で再び出会う事となる。

 





ナチュラルにセクハラするブレン君。

シグナムとの会合は睨み合いで終了しました。

次回はミッド行き+転生者君の帰還。
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