不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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なのは欠乏症のブレンの導火線に火が着きました(白目)

守護騎士は殺しませんが、死ぬような目にはあって貰います。

猫姉妹? 下手したら三味線ルートだね(白目)


不屈の体現者 76

第七十六話 守護騎士

 

 

ブレンが帰還する日の夜、海鳴市の上空で戦闘をしている者達が居た。 一組は赤いバリアジャケットを展開した赤いお下げ髪の少女と高町なのは。 もう一組はシグナムとフェイト・テスタロッサ。 彼女達は謎の結界に囚われ、見た事の無い魔法を扱う魔導師に困惑しながら応戦していた。

 

 

 

赤い少女の猛攻、一撃一撃が必殺の力を持っているそれは、なのはの強固な多重障壁を一瞬で粉砕して行く。 自身の障壁があっさりと突破されるとは思わなかった彼女は、動揺しつつもディバインバスターとディバインシューターを放ち、お下げ髪の少女を自分の周囲から引き剥がす。

 

まるで意思を持っているかの如くに動き回る誘導弾と、此方も一撃必殺の力を持った砲撃、至近距離で放たれたそれらを、お下げ髪の少女はそれを紙一重で回避するも、砲撃の余波で大切な帽子を吹き飛ばされてしまう。

 

余程大切だったのだろう、吹き飛ばされた事に気を取られ、彼女はなのはから目を離してしまった。 そしてなのははその隙を見逃さない。

 

彼女が選択したのは近接戦、何故なら彼女の得意とする砲撃魔法は収束と言う溜めがあり、誘導弾では火力不足。 近接戦でも仕留め切れるとは思わないが、砲撃までの溜めを稼ぐ為の攻撃なので問題は無い。

 

なのはは高速移動魔法『フラッシュムーブ』を利用し、背後に気を取られているお下げ髪の少女との距離を詰め、高速移動の勢いを使って側頭部を殴り付け、相手の頭部が揺れた隙に丹田の位置に膝蹴りを叩き込む。 彼女はこれで動きが停止した所にバインドとバスターを使って目的を吐かせるつもりだった。

 

通常ならばこの連打によって脳と内臓に衝撃が伝播し、まともに行動出来なくなる筈であったが、この少女は違った。

 

先の連撃を浴びても平然とし、なのはがバインドを発動しようとした瞬間に彼女の小指を掴み、力尽くで圧し折った後、痛みに悲鳴を上げた彼女の肺に向かって掌底を放ち、空気を全て吐き出させる。 なのはの身体がくの字に曲がり、頭部が下がると、先ほどのお返しと言わんばかりに

お下げ髪の少女のつま先が側頭部に突き刺さる。

 

小指に走る鋭い激痛に加え、肺と頭部への一撃の所為で、なのはは魔法を行使する事が出来ず、無防備な状態を晒してしまった。

 

お下げ髪の少女は帽子を弾き飛ばされた事に激怒しているのか、薬莢の様なものを取り出し、自分のデバイスにセットする。 セットされた部分がまるで銃に弾を装填するようにスライドし、排熱と共にその姿を変えて行く。

 

金槌のように円柱状で左右対称だったお下げ髪の少女のデバイスは、ウォーハンマーのように片側が尖り、もう片側にはブースターが付いていた。

 

彼女はそのブースターを点火し、その場で回転しながら遠心力とブースターの加速を乗せた一撃をなのはに叩き込んだ。 無防備ななのははその一撃をなんの抵抗も出来ずに叩き込まれ、ビルを幾つか貫通しつつとあるオフィスビルの一室に叩き付けられた。

 

 

一方のフェイトも自分の相手に悪戦苦闘しており、なのはの援護に向かいたくても向かう事が出来なかった。

 

頼りになる家族は結界の外、母ならば結界を破壊する事も可能かも知れないが内部の状況が把握出来ないこの状態では迂闊に動けないだろう。 時間を掛ければこの結界も解除出来るだろうが、果たしてそれまで自分が生きているかどうか。

 

フェイトはふっと息を吐き、竜狩りの槍を展開して超加速による回避不能の一撃を放とうとする。 シグナムは竜狩りの槍を見て目を見開くが、次の瞬間には自分の甲冑を射抜かれた事でアレは見掛け倒しでない事を知るが、シグナムには彼女が見えていた。 それは武人としての経験か、剣士としてのセンスなのか。 フェイトが移動の際に一瞬だけ進行方向へと放電し、その軌跡をガイド代わりになぞって移動している事に気が付いたのだ。

 

 

射抜かれた状態からフェイトを蹴り飛ばし、自分の手に持つ剣にお下げ髪の少女と同じ薬莢をリロードする。 それによって、剣は炎に包まれ、斬撃の威力が跳ね上がる。

 

蹴り飛ばされたフェイトは周囲の建物を足場にしながら光速で動き回り、シグナムを背後から襲撃する。 徹底的に速さだけを追求した一撃、非殺傷設定が施されているとは言え、この一撃は彼女の中では必殺。 避けられる物では無いし、受け止めるにしても並みの障壁では壁にもならない。 それは正に、絶対命中の一撃必殺だったのだ。

 

しかし、シグナムは半身を逸らす事で彼女の移動線上から退避し、彼女が通る位置に燃えるその剣を振るう。 自分の速さに追いつけていないフェイトはその一撃をまともに貰い、バルディッシュを両断された上、アスファルトの道路にまで蹴り落とされた。

 

狂気的な速度で移動していたフェイトに直撃した痛烈なカウンター、それによって意識を失い掛けていた所を蹴り落とされた彼女はアスファルトに横たわり、微動だにしなくなった。

 

 

なのはは壁に持たれ掛かりながら、消えてしまいそうな意識を繋ぎ止めつつ、物陰からお下げ髪の少女を狙い撃とうとして、気が付いた。 手に持つ自分の愛機はボロボロで、とてもじゃないが魔法が使える状態では無かった。

 

構えた杖は力無く降ろされたが、彼女は目の前に降り立った帽子を拾いに行っていたお下げ髪の少女を睨み付ける。

 

こんな所で終わりたく無い。折れたく無い。屈したく無い。諦めたく無い。身体が動かなくても、気概だけは折られるものか。

そんな思いを抱きながら、彼女が振り上げられたハンマーを見つめていた時だった。 青い魔力の光波が、彼女とお下げ髪の少女の間を分かつように、オフィスビルを真っ二つに両断した。

 

このお下げ髪の少女の不運は、ブレンの到着が一時間早まった事、そして今まさに振り下ろさんとデバイスを構えたままだった事だろう。

 

 

気が付けば、なのはの目の前には管理局の制服に身を包んだブレンが、自身の隣にユーノが立っていた。

 

「…………ブレン、くん?」

 

彼は彼女の問いに答えなかった、満身創痍の彼女の身体はネックレスによる回復の限界を超えている、デバイスもボロボロ、とてもじゃないが無事とは思えない。 ブレンはデバイス内に組み込んでいた月明かりの大剣を取り出し、無言のままなのはの手に握らせる。

 

 

「…………ユーノ、なのはを任せるぞ」

 

 

底冷えするような冷たい声でそう言い放った彼は、結界の外で如何にか中に入ろうとしているシフをソウルに戻し、アルトリウスの大剣として手の内に召喚、それをデバイスに組み込んだ。 立場上、彼は質量兵器を使えなくなってしまったのだが、こうしてデバイスの一部として使う事でその問題を解決している。

 

彼はアルトリウスの大剣と大盾を握りながら自分の鎧を展開し、幽鬼のようにお下げ髪の少女の前に立つ、その瞳には怒りと殺意が浮かんでおり、お下げ髪の少女は彼が発する威圧感から思わず一歩引いてしまう。

 

 

「なんだよ、テメーは」

 

 

虚栄を張りながら彼女は強い口調で彼を問いただす、膝をついた瞬間に容赦無く殺される、彼女はそう感じたのか必死で震える身体を抑え込む。

 

そんな彼女の様子に構いもせず、彼は怒りのままに叫ぶ。

 

 

「よくも、よくも私の女神に、手を挙げたなァァァァア!!」

 

 

怒りの咆哮と共に繰り出される刺突、深淵歩きの如き超反応から放たれたそれは、ノーモーションであった為、お下げ髪の少女は障壁による防御を選択しようとし、悪寒が走る。

 

見れば刺突の体勢にも関わらず、途中で強引に斬撃へと持って行って居る、防御などすれば障壁諸共泣き別れにされると彼女の感が告げ、急いでデバイスのブースターを使ってビルの外へと飛び出した。 そして次の瞬間、その場に居た全員が目を疑った。

 

 

放たれた斬撃は空を切るが、その斬撃は同時に世界を斬っていた。 風景に切れ込みが入り、其処からは虚数空間が顔を覗かせている、よく見ればその虚数空間すら斬り裂かれて居た。

 

お下げ髪の少女は戦慄し、ユーノはその光景に信じられ無いと言う表情を浮かべていたが、なのはだけは違った。

 

(祭、壇? 巨大な扉の前に大きな器に大きな火が灯っているけど、アレは何?)

 

 

彼女が見たものは世界の最深、始まりの火へと繋がる道、この光景を見ているのは彼女のみ、他の二人には世界が割れたようにしか見えていなかった。

 

これは一体何を意味するのだろうか?

 




創世神がその気になれば世界だって両断出来ます、触覚のブレンでこれですから本体はもっと酷いのは目に見えてるね(白目)

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