これは買うべきか、買わざるべきか……。
バンビーロッドや絶体絶命都市2も売ってたんだよなぁ。
この店は品揃えが謎すぎる。
第七十八話 追撃
なのはが結界を破壊し、襲撃者達が撤退する中、プレシアはすぐ様フェイトの元へと向かい、アスファルトの地面に横たわっていた我が子を抱き上げながら杖を取り出していた。 彼女は治療を使い魔達に任せ、襲撃者と思しき魔力を追跡して行く。
「ふ、ふふふっ、よくもまぁ私の愛娘を可愛がってくれたわね、きっちりお礼させて貰うわね?」
連中は追跡を振り切る為に多重転移によって周辺の世界を細かく移動している、プレシアは彼らが転移した最長距離と最短距離を大まかに割り出し、逃亡中の彼らが転移できる範囲内の世界全てに狙いを付ける。 そして、彼らがその世界に足を踏み入れた瞬間に次元跳躍魔法を使い、彼らを狙い撃つ。
一方、逃亡中の彼女達は虫の息のお下げ髪の少女『ヴィータ』を中心に、シャマルが彼女を治療をしながら転移を繰り返している。
『守護騎士 ヴォルケンリッター』、将である『剣の騎士 シグナム』を筆頭に、参謀の『湖の騎士 シャマル』 そして『鉄槌の騎士 ヴィータ』と『盾の守護獣 ザフィーラ』でなる四人の魔法生命体。 彼らはブレンやなのはのリンカーコアを蒐集した『闇の書』と呼ばれる一冊の本から産み出され、魔力蒐集を行う事で666頁埋める事を目的にしていた。 だが彼らは今別の目的を見つけた、その為に仲間意識を越え、家族意識を持っていた。
そしてヴィータの状態は予断を許さない、ヴィータ以外にもシャマルやザフィーラの腹にも風穴が開いて居るが、この中で最も重傷だったのはヴィータだった為、皆彼女の治療を優先していた。 その甲斐あってか、彼女の傷は塞がったが、大量に失った血液と体内に残留した神代の猛毒がその命脅かしている。 それでも不幸中の幸いだったのは、彼女が意地で即死を間逃れた事と、大量出血によって猛毒がある程度身体から流れ出た事。 集中して治療出来ればまだ望みがあった、家族を救う為、彼らは必死になっていた。
だがそんな彼女達を襲う一筋の閃光、真っ先に反応したのはザフィーラ、彼は盾の守護獣の名に相応しい動きで壁となり、その雷を身を挺して防ぐ。 直後、彼らに襲い掛かる無数の閃光、それはザフィーラへの直撃によって彼らの位置を掴んだプレシアによる猛攻だった。
身の危険を感じた彼らはザフィーラとシグナムが迎撃、その隙にシャマルが回復と転移を担当する事で追撃の魔の手を逃れようとするが、転移しても、転移しても、まるで手の内を完全に読まれているがの如く精密射撃が飛んでくる、時空管理局からの追跡はとうに振り切ったと言うのに。
更にタチが悪い事に、もう幾つも次元世界を跨いでいると言うのにその威力は全く減衰せず、手負いのザフィーラは押し切られ、シグナムにも被弾が増えて行く。 だが病人のプレシアの猛攻もそう長くは続かず、徐々に放たれる閃光の本数が少なくなって行き、何とかシャマルは彼女の追跡を振り切る事には成功するが、振り切る直前に転移中、即ち世界を跨ぐ際に渡る次元と次元の間を彼らは狙い撃たれてしまう。
その一撃によって無人の管理外世界に漂着した彼らは欠員が無いかを確認する為に、代表してシャマルが声を掛ける。
「あ、あはは、みんな大丈夫?」
「…………この場合、『大丈夫か?』では無く、『生きてるか?』を、聞くべきだと、思うぞ?」
シグナムのその言葉、それは半身を消し飛ばされたシャマルや両腕を炭化させたザフィーラ、背中を大火傷によって爛れさせた自分を含めて無事では無い事を指し示していた。
シャマルは全員の惨状を見ながら少しだけ考え、闇の書を取り出し、数頁使用して全員の身体を再生させる。 シャマルによる回復は応急処置のような物、最早此処まで重傷を負ってしまうと闇の書の力を使わなければ回復出来なかった。
大魔導師プレシア、病んで尚、その異名に偽り無し。
彼女達は回復の為に数頁使用したが、今回なのはとブレンから蒐集した魔力によって埋まった頁は其々20頁と222頁、リンカーコアを丸ごと引き抜いたからとは言え、ブレン一人で全体の三分の一が今日一日で埋まったと言う信じ難い事実、全員が落ち着いた頃にその事を思い出したシャマルは戦慄していた。
(結局、あの男の子一人で三分の一が埋まるなんて……)
「ぁ、う? あたし、生きてる、のか?」
「目が覚めたか、ヴィータ」
「シグナム? みんな? あぁ、悪りぃあたしの所為で……」
「大丈夫よヴィータちゃん。 危ない目にはあったけど、その分見返りがあったから」
ヴィータの意識が回復し、シャマルが今回で急速に頁が埋まった事を告げ、己が主人の元へと帰る守護騎士達。
だが闇の書の一部でしかない騎士達は気付けなかった、ブレンから蒐集した魔力で埋まった全ての頁がドス黒く塗り潰されている事を。
そして、闇の書の最深部にて目を覚ました最悪の魔物の存在、本来この世界に存在する筈が無かったその魔物は闇の書に纏わり付いている絶望、憎悪、嫉妬、欲望、怠惰、歴代の主人の負の遺産と闇の書の犠牲者達の怨嗟の声を喰らい、己の血肉として蘇った。 ブレン・シュトッフの、不死の英雄の記憶とこの闇の書が重ねて来た屍の存在が、情報の欠片でしか無かったそれを蘇らせた。
だが、魔物はまだ表舞台へは現れない、その理由は至極単純。 意識や存在を蘇生出来たが、肉体が無いから現界出来無いのである。
闇の書の主人を乗っ取ろうにも、この宿主は不死の英雄である彼と交流を持つ、一瞬でも察知された場合目覚めたばかりの自分では指一つで再び滅せられる。
故に彼は機を待つ事にし、己の欠片を密かに世界に散在させた。
この数ヶ月後、二十年後の未来から魔物の肉体に相応しい身体が訪れ、彼は嘗てを超える力を得て復活する事となる。
人間のなり損ないと人間の負の感情を糧にする邪神は案外この世界では生きやすく、力が付けやすい訳です。
容姿は当時の英雄の2pカラーにする予定、それに従い装備も全部闇堕ちした物になります。
赤い月明かりの大剣から赤い闇の光波が飛ぶ訳ですよ(白目)
ネタは浮かぶのに外伝の執筆時間が取れない……。