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カイムの剣の使い勝手の良さが半端じゃない(白目)
第八十二話 惨劇の跡
折角数年の猶予を与えたと言うのに、あの転生者は見事な迄に期待外れであった。 此れなら初めから始末しておくべきだったよ、私の目も曇ったものだな。 やはり私を討つ者は我が女神に他ならないと言う事か。
私は転移によって逃げて行った奴を追う事をせず、自分の身体の治療に専念する。 自分の怪我に無頓着な私だが、このままでは身体が持たないのは分かりきっている、とは言え月明かりの大剣の力だけでは回復仕切れないのは目に見えている、始まりの火を使用するしか無いか。 それと、面倒だが先ほどの襲撃で巻き添えになった者も蘇生させておかねばならない、今回は私の不始末が原因、故に特別だ。
一度自分の肉体をソウルに戻し、本来の姿へと戻った後にソウルから大王グウィンの大剣を取り出し、始まりの火を刀身に纏わせる。 本来の姿でこの世界に長居すると彼方此方に影響が出てしまうのだが、残念な事に『ブレン・シュトッフ』のままでは大規模な蘇生は不可能だ。 そもそもあの肉体は人間だった頃の力しか持っていないので、物体の情報改竄程度しか出来ん。 よって、この姿になった以上速やかに事を終わらせるしか無い、始まりの火を使用する以上、それに関しての我が女神の記憶を改竄しようとも考えたのだが、やはり彼女には真実を知って貰いたい、彼女の記憶だけは残しておく事にしよう。
始まりの火を纏った大王の剣を一閃、その炎を世界にばら撒き彼らを蘇生させ、時間を巻き戻し、先ほどの事件を『無かった』事にする。 炎の津波が世界を襲い、その全てを巻き戻す、時計は逆回りに、死者は生き返る、世界創世の火は凡ゆる事象を可能とする。我が女神はその光景に目を白黒させ可愛らしく困惑している、何時までも眺めていたいが、私も『ブレン・シュトッフ』に戻り、彼女の側に座り直さなければならない、でなければ変に勘付かれてしまう。 私の正体を知られても問題は無いのだが、まだ時期尚早、今の彼女ではまだ私の悲願を叶える事は出来無い。
あの転生者を上手く使えば今の彼女でも何とかなるかも知れないが、アレの価値など最早路肩の石以下、私の周りに漂う芥ですら無い、そんな存在の使い方を如何にか捻り出すよりも彼女の成長を促した方が早い上に確実だ。 だが、だからと言ってアレをこのまま始末してしまうと、万一失敗した場合の保険が効かなくなる、アレでは『私』を殺せはしないが『ブレン・シュトッフ』を殺す事位はできよう。 ならば、それまでは辛うじて生かして置いてやろう。 あの転生者には期待はしない、精々我が女神が私を討つ為の礎となって貰う。
我が悲願、それは神である私の消滅。この永劫に続く生と、全身を掻き毟りたく成る程の不愉快な身体、それら全てを虚無の彼方へと消し去りたいのだ。 もう生は十分だ、生き飽きた、疎ましい、煩わしい、ああ何故私は終われないのだ、神である事は苦痛でしか無い、吐き気を催す程不愉快だ、私はもう終わりたいのだよ、だが人間であった頃の信念により人間にしか私を討つ事が叶わない、そしてそれ以外に私は消滅する手段が無い。 復讐に燃えるだけで不屈の意志を持たぬアレでは私を滅する事は不可能だ、あの問いに無言で返したアレではそれが叶わない、あの場で『巫山戯るな』でも『黙れ』でも、何でも良いから返せなくては私を討ち滅ぼす事は出来はしないのだ。 その点、『高町なのは』はこの世界の誰よりも強い不屈の心を持っている、彼女であれば、あの問いに真っ向から返事を返せていたであろう、それに加え実力も才能と努力で物にしている、後は経験を積ませるだけだ。
始まりの火を使用した為、守護騎士とやらもその主人が誰かも判明してしまったが、その正体は我が女神の成長に繋がるものだった。 彼らの望みが何であれ衝突は必至、更に鼠が二匹彼らの主人の周りをうろちょろとしている、その正体が管理局内部の者と言うのだから面白い、監視と言うならば騎士達が行動し始めた直ぐに報告しなくてはならないと言うのに、その者達は何の報告もしていない。 と言うことはだ、その者達は何か別の思惑で動いてると分かる、そしてその思惑は後ろ暗い物であろう。
この世界は最早『高町なのは』を主演とした私を討つ為の舞台なのだ。 ユーノ・スクライアとの出会い、フェイト・テスタロッサとの死闘、プレシア・テスタロッサの悲願、彼女はそれらを通じて大きく成長した、魔法との出会いによって彼女は私を討つべき存在となった、討てる存在となった。 守護騎士達よ、管理局の回し者達よ、君達も我が女神の糧となるが良い、私が消滅する為の踏み台となるが良い、君達の生死は彼女の手の内だ。
修復の終わった身体を取り出し、再び『ブレン・シュトッフ』へと戻る。 気付かれないように空間を斬り裂いて彼女の側へと座り直し、止まっていた時間を動き出させる。 彼女は時間が巻き戻った事、巻き添えになった人が蘇った事、俺の傷が治っている事、義手が元に戻っている事、それらについての疑問を俺に尋ねようとしていたのだろうが、それを途中で飲み込んだのだろう、釈然とし無い表情を浮かべていた。
ああ、輝く愛しい我が女神よ、どうかその慈悲を持って私の喜劇に幕を引いておくれ。
ブレンの次善のプラン。
一度ブレンとして殺され、その後神格として対峙した転生者との戦いによって態と負傷を負った状態でなのはと対峙→殺さないように殺される。
彼女が戦う意思を見せなかった場合、フェイト達や家族を人質にする。
完璧だね(白目)