不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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ヴィータが本気になりました、シグナムみたいに本気で殺しに掛かってくるようになりました(白目)


不屈の体現者 84

第八十四話 リベンジマッチ N

 

彼女達の愛機は自分の意思で進化を望んだ。

 

カードリッジシステムの搭載、黄金の残光やゴーの大弓すら強化可能な光る楔石による強化、其々の原盤による属性の追加、デーモンの楔石による魔性の追加、古竜のウロコよる神性の追加、人智を超えた力を持ったそのデバイス達はなのはとフェイトの想像を遥かに超えていた。 『レイジングハート・エクセリオン』『バルディッシュ・アサルト』これが彼らの新たな名前であり、彼女達に付き従う杖であった。

 

 

彼女達は相棒の名を呼び、デバイスを起動する。 なのはは炎に、フェイトは雷に包まれる、リファインされたバリアジャケットを身に纏う。

 

新たに一新されたバリアジャケットを以前の物と比較すると見た目にはほとんど差異は無いのだが、なのはの物はインナースーツの強化や手袋の追加、袖口の強化、両肩へフィールドジェネレーターを追加、等によって、主に上半身の防御力を上げている。 その分維持するための魔力消費が増大したのみならず、機動力も犠牲になっているが、元々砲撃魔導師である彼女に最適化した結果と言える。 フェイトの物は両手両足に装甲が追加されただけなのだが、なのはの物と比べてむしろ防御の強化はピンポイントに止めることで魔力消費の増加を抑え、元来の高速機動を存分に生かすことを目的としている。

 

 

新たな装いに身を包んだ彼女達は気合いを入れ、眼前の敵へと向かって勢い良く飛び立って行く。 なのははヴィータへフェイトはシグナムへ、雪辱を晴らす為に戦いを挑みに行った。

 

 

対峙するなのはとヴィータ、面制圧攻撃とクロノの奇襲を浴びながらも、彼女はなのは達の登場によって魔法の雨が止んだのを見ると弾き飛ばされた帽子を拾ってから深呼吸を一つ付いてなのはに話しかける。

 

 

「一応断わっとくけど、あたしも人を殺さないように加減しながら戦って来たんだけどさ、…………んな代物提げた今のオメーは殺さずに済ませられそうにねぇ、死んでも知らねぇぞ?」

 

そう言った彼女の空気が一変する、今までの明るいイメージが四散し、冷たい刃物を思わせる空気を纏い始めている。 感情が篭らない瞳に睨まれ、抑揚の無い冷たい声で宣告された本気、質量を持っていると錯覚してしまうほど濃密な殺気と殺意を浴びせられ、気合いを入れたなのはも思わず一歩引いてしまう。 目の前の少女からは敵に対する純粋な殺意が溢れ出している、そんな物を一身に浴びた彼女は呼吸が乱れ、手が震える、恐怖に身を竦めてしまう。

 

 

なのはが引け腰になった瞬間、ヴィータは間髪入れずに距離を詰め、カードリッジを使用しながらデバイスを振り下ろす。 突起の付いたハンマーヘッドとその裏に付いたブースターの加速による一撃、レイジングハートは殺気に当てられてしまったなのはの代わりに障壁を展開し、その一撃を防ぐ。 以前、レイジングハートは障壁ごと突破されてしまったのだが、今回は見事彼女の一撃を防ぎきる。

 

ヴィータは硬い障壁が突破出来無いと見ると、カウンターを貰わないように力尽くで弾き飛ばす。 弾き飛ばされ、ビルの壁に叩き込まれたなのはは、その衝撃で漸く正気を取り戻す。

 

素早くディバインシューターの応用版である『アクセルシューター』を放つ。杖先から放たれる24の魔法弾、それらは全て高速でヴィータへと迫りその周囲を取り囲む、彼女は全周囲に障壁を展開し、空中で静止する。 その隙をなのははディバインバスターで狙い撃つ、発射の際にカードリッジを使用し、その火力を爆発的に跳ね上げる。 発射されたディバインバスターは爆音によって世界から音を消し去り、衝撃波のみで周辺の建造物を粉砕し、空気の壁を破壊しながら対象へ向かって行く。

 

防御不可の一撃必殺の砲撃、だがその砲撃を本気で戦っているヴィータは難なく弾き返す。 彼女は初めからこの一撃が来る事を予測し、終始弾き返す為にタイミングを合わせていた、砲撃の威力に関しては予想外だったようだが、弾き返すだけならば威力は関係無い。

 

更にヴィータは、ただ弾き返すだけで終わらせず、カードリッジを使用し、自分の魔力を上乗せして弾き返していた。 桜色の巨大な砲撃に紅色の魔力が絡みつき、先ほどよりも一回り大きくなって返ってくる自身の砲撃、なのははそれを撃ち落とす為にカードリッジを二つ使用したディバインバスターを撃ち返す。

 

二つの砲撃がぶつかり合い、空中で大爆発を巻き起こす。 爆風と衝撃波が結界内を全て蹂躙し更地に変える、なのはとヴィータはその惨状には目もくれず、デバイス同士で鍔迫り合いを行う。

 

レイジングハートは原盤と呪術の火によって炎の力を手に入れている、その結果ヴィータのデバイスが接地面から燃え上がった。 彼女は苦々しげに舌打ちをしながらもなのはの手元を強引に蹴り上げ、そのままなのはの頭に向かってデバイスを振り下ろす。

 

なのはは障壁を盾にし、杖を横薙ぎに振るう。

 

なのはの打撃を防ぐ為にヴィータは障壁を貼ったのだが、杖を受け止めた瞬間、レイジングハートの杖先から『大発火』が発動し障壁を粉砕する。この呪術は本来の力を発揮している、神の時代の魔法の一つであるそれにヴィータは勿論ながら使用した当の本人も驚いていた。

 

ヴィータは驚愕しながらもすぐさま平常心を取り戻し、なのはを蹴り飛ばすと同時に鉄球を取り出し誘導弾としてそれらを放つ。

 

不意を突かれたなのはは誘導弾の直撃を浴び、地面に身体を打ち付ける。 そこに振り下ろされるヴィータの鉄槌、先の誘導弾による負傷によってなのはは動けず、死を覚悟したその時、レイジングハートから私を地面に突き立てて下さいと言う声があり、なのははそれに従った。

 

彼女が石突きを地面に押し付けると地面から溶岩が火柱のように吹き出し彼女の周囲を焼き尽くす。 『混沌の大嵐』混沌の呪術の一つであり、混沌の娘である蜘蛛姫の所有していた呪術。 失われた混沌の力は強大であり、いくら守護騎士と言えども初めて見る魔法、それも伝承の中の物でしか無かったそれを避ける事が出来ず、歴戦の勇士であるヴィータの身体を一瞬で火達磨にした。

 

ヴィータはまとわりつく混沌の炎を消化する為、バリアジャケットをパージし下着となる。 そして、自身の姿など気にも止めずになのはの顔を睨み付けながら更に殺気を強めて行く。

 

 

嘗てのベルカでは太陽信仰が最盛期を迎えており、彼女達もまた信者の一人、当時は現在よりも詳しく伝承が伝わっていた為、後の世で政治的問題から伏せられてしまった部分にも詳しい。 その伏せられた部分の一つである一人の『放浪者』、不死の英雄を長きにわたって苦しめた彼の存在は不死の英雄を無敵神話として語り継ぎたいと言う思惑によってウーラシールの存在と共に歴史から存在を抹消されている。

 

彼は『呪術師』であり、世界の蛇に唆された男、当時ですら伝説であった混沌の呪術を使用し、イザリスのクラーナの呪術を手足のように扱う、死を振りまく魔剣を振り回す。 それならば何故彼女が混沌の呪術を使用しただけでヴィータが殺気を強めたのか、それは太陽の信徒の思想にあった。

 

人の世を築く為に戦った不死の英雄、彼は人間の味方であり、人間の為に戦った、彼の敵は人間の敵、彼が討った者は我等を堕落させる者、だからこそ彼の敵であった放浪者は人間の敵であり、決して認めてはならない存在、故にその混沌の呪術を使用したなのはに対して強い敵意を燃やしていたのだった。

 





たった二発のディバインバスターで結界内が更地に(白目)

ヴィータが一気にkillマシーン化してますね(白目)
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