不死の英雄伝 〜不屈の体現者〜   作:ACS

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やっぱりクロノは動かし易いなぁ(白目)

ハイパークロノ君タイム開催。


不屈の体現者 86

第八十六話 介入

 

 

結界の外へと出たクロノは一旦バリアジャケットとデバイスを解除し、人混みに紛れつつ残る一人の守護騎士を探し出しに行く。 探す場所はビルの上、何故なら低い場所では人目に着いてしまう可能性があり、管理局に見つかりたくない彼らは出来るだけ目立たない場所を選択する筈。となると考えられる隠れ場所は大まかに分けて路地裏、下水道、高層ビルの三つ、その中で結界内部を見渡せる場所は結界近くの路地裏、辺りで一番高い高層ビルの二つ、路地裏は見つかりにくいが視界も狭く、逃走経路も限定されてしまう。 故に路地裏よりは見つかりやすいが、その分周辺への索敵を十分に行えるビルであるとクロノは判断し、周りに溶け込む為に携帯電話をかけるフリをしながら魔力反応を探って行く。

 

執務官としてのクロノの手腕もあってかその読みは的中しており、残る一人の守護騎士であるシャマルをあっさりと見付け出す。 彼は転移魔法の座標をシャマルの背後へと指定し、背後を取ると同時にデバイスを突き付け投降を呼び掛ける。

 

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。 大人しく投降して貰おう、そうすれば君達にも弁解の権利が生まれる」

 

背後を取られたシャマルがこの失態をどう挽回した物かと思案していると、突如として仮面を付けた男が二人の間に割って現れ、クロノはその身体を蹴り飛ばされてしまう。

 

しかし、彼は蹴りを受けた瞬間、咄嗟に手を伸ばして、襲撃者の足と自分の手をバインドで繋ぎ、強引にその場に止まる。 その後手首の動きだけで襲撃者の足を掴み、自分へと引き寄せながら肘打ちを喉元へと叩き込む、まさか反撃を貰う事になるとは思わなかった侵入者は、クロノの肘鉄をまともに受けて咳き込んでしまう。 彼はその隙に侵入者の股間を蹴り上げ、行動不能にしてからバインドで簀巻きにし、その場に打ち捨てながらシャマルへと視線を戻す。

彼女は闇の書を開き、何やら詠唱を始めている、彼女の周りには膨大な魔力が渦巻き、とてもでは無いが近付けそうに無い。 それでもクロノは闇の書へと手を伸ばし、彼女の行動を阻害しようとバインドを放ったのだが一足遅く、巨大な雷が結界を突き破り、その余波でバインドも粉砕される。 また、先ほど仕留めた襲撃者もその余波を利用し撤退してしまう、暴風と衝撃で立つこともままならいクロノは守護騎士達が退いて行くのを眺めているしか出来ず、舌打ちを零しながら、部下となのは達の安否を確認して行った。

 

 

苦戦しているとは言え、有利な状況だったにも関わらず、シャマルが結界を破壊した理由はシグナムとヴィータが相手を本気で殺しに掛かっていたからだ。 彼女達の主人は争いを好まない、だがその意に反して自分達は行動している、なのでせめて殺人だけは極力避けなければならないと言う思いがあったのだ。

 

 

クロノの方も疲労困憊ななのは達を回収し、彼女達に労いの言葉を掛けながら拠点へと帰還する。 その後一息着いた所で、エイミィから自分のデバイスに着いての説明を受けているなのは達に気取られ無いように、神妙な顔をしながらブレンの肩を叩き、小声で彼に話しかける。

「少し良いか?」

 

「どうした?」

 

「此処じゃ少しマズイ話だ、外で話そう」

 

そう言ってブレンを連れ出したクロノは、近くのファミリーレストランに向かい、角に陣取りながら適当に品物を注文した後、魔法的な盗聴をされないように自分のデバイスにジャミングさせ、それとは別の機械を懐から取り出しブレンにそれの説明を始めた。

 

 

「こいつは発信機の信号を拾う機械でね、本当はコレを使って守護騎士達の拠点を炙り出すつもりだったんだが、思わぬネズミが捕まったよ」

 

「さっきの襲撃者だね?」

 

「ああそうだ。 あのタイミングでの介入だと、あの男の目的は『闇の書に関連する何か』だと推測出来る。 問題はその『何か』なんだが、判断材料が無いに等しいので今は保留だ、問題はそこじゃ無い」

 

「…………成る程、管理局内部の人間か」

 

「よく分かったな、まあ僕が君だけに極秘で話す内容と言えば表沙汰にしてはマズイ事ばかりだし、察する事も出来なくは無いか。 おっと、話が逸れたな。 取り敢えず、僕は万一守護騎士を取り逃がした場合に備えて、発信機を彼女に付けるつもりだったんだが、先の戦闘で仮面の男が介入して来た為に、急遽狙いを変えてその襟裏に発信機を付けておいたんだ。 あぁそれと守護騎士の方には盗聴器を引っ掛けておいた、あまり精度は良くないから成果は期待は出来ないけどね。 …………発信機の方だが、仮面の男はご丁寧に本局まで足を運んでくれたよ」

 

「それは、また……、管理局は陰謀だのなんだのが善く善く好きと見えるね」

 

「返す言葉も無いよ。 その上、このタイミングで新たに二名、人員が配備される。 人員増加自体は前々から打診していた事だが、タイミングがタイミングだ、一応疑っておいても構わないだろう」

 

此処でクロノは深く息を吐き、店員が持って来た料理に手をつけながら軽く周りを見渡す、怪しげな人影等が無いのを確認すると続きを話して行く。

 

 

「新たに戦線に加わる者の名は『リーゼロッテ』と『リーゼアリア』この二人は僕の師で『ギル・グレアム提督』の使い魔なんだが、三人共闇の書に対して多少因縁があってね。 何か企んでいても不思議じゃ無い」

 

「自分の師を疑うのかい?」

 

「一個人としては疑いたく無いが、執務官としては疑う価値有りだ、罠も仕掛けておいたしね」

 

「まだ何かやってたのか……、まあ良いや。 で? その因縁って奴はどんな物なのかな? 差し障りが無かったら教えて貰いたいんだけど」

 

「単に僕の父が闇の書の事件で殉死した事をまだ引きずっているってだけさ。 僕だって思う所が無いわけじゃないが、父さんは最善を尽くし、最後は全クルーの脱出を見届けて艦と共に沈んだ。 僕はそれを誇りに思うし、守護騎士達を恨んでもいないよ。 それに、復讐をすると言うならば父さんの手で解決しなかった一件を僕の手で終わらせる事が一番だと思ってる。 けど、リーゼ達や提督は今もその事を悔やんでいるようなんだよ」

 

食事を終えたクロノ達は、コーヒーをゆっくり啜りつつ、これからの対策と方針に付いて話し合う。

 

「ブレン、現在管理局内部の人間に疑いが掛かっている以上、少人数で下手人を特定し確保するしか無い。 想定しているメンバーは僕と君、母さんとエイミィの四人だ。 特定は僕らが担当するから君は確保だけで良い、口が聞けて死なない程度の負傷ならどんな手をつかっても構わない」

 

「手足斬り落として達磨にしても構わないと?」

 

「構わない。 今回の事件はそれが許されるレベルの事態なんだ、連中に加勢する者は問答無用で敵だ」

 

「了解したよ、執務官殿。 大船に乗ったつもりで期待してくれ」

 

「ああ、期待させて貰うよ、参謀君」

 

 





始めから猫姉妹に疑いを掛けているクロノ、発信機や盗聴器と言った危ない物も普通に使ってるからね(白目)
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