ブレンの性癖の一部が露見しました。
NGはNGだから(震え声)
第八十七話 一時の休息
クロノとの悪巧みを終え、なのはと共に帰路に着いていると、彼女は何やら俺に言いたげな表情を浮かべていた。 話を聞いてみると嬉しい事に軽い嫉妬のようであった、恐らく自分に隠れてクロノと二人きりで出掛けた事が彼女の独占欲に火を付けているのだろう、膨れっ面のなのはは非常に愛らしいが、クロノと何処へ行っていたのか? 何を話していたのか? と言う事に話しが及んでしまった。 先ほどの会話は包み隠さず話せる内容では無いので、どうやって誤魔化した物か……。
俺が言い淀んでいると、右腕に抱き付いているなのはの目がジト目に変わり、俺の脇腹を抓り始める。 彼女から与えられる痛みや罵倒、冷たい視線等の全てが快感ではあるのだが、今はそれに興奮している場合では無く、只管俺の目から視線を外さないなのはを納得させる為に、取り敢えず女性が食い付きそうな話題で誤魔化す事にした。
「むぅ、隠し事は駄目だよブレンくん!!」
「其処まで言うなら教えるけど、あんまり他言しないでね? 俺の信用に関わるから」
「うん!!」
「実はクロノから恋愛相談を受けてさ」
「あ、あのクロノくんが!?」
すまんなクロノ、女性はこの手の話は好きだろうし、堅物の君が特定の誰かに思いを寄せているとなれば必ず食い付くだろうから利用させて貰う、後で怒られそうだけど。
「そ、その〜、お相手は、誰なのかな?」
膨れっ面から一変、興味津々と言った表情で目を輝かせながら俺を見つめるなのは、このまま話題を膨らませるにはなのはの知る人物を相手にしなくてはならない。 候補は幾つか居るが、無難なエイミィさん辺りにしておくべきか、付き合いも長いようだしあながち間違いでも無いかもしれないしね。
俺がなのはにクロノはエイミィさんに惚れていると伝えると、彼女は驚きつつも納得したような表情を浮かべて、機嫌を直してくれた。 …………俺もそろそろもう一度彼女に告白するべきなのだろうが、あの転生者に価値が無くなった以上、なのはに期待する他無く、そうなった場合この告白が後を引いてしまう可能性がある。 思いは伝えずにおくべきだな。
その後、俺はなのはと談笑しながらゆっくりと帰宅していった。
その頃、撤退して行ったヴィータ達は自宅にてシャマルの長々とした説教を受けていた。
「良いですか二人とも!! 『殺す気で戦う』のは構いませんが『殺し』は駄目ですからね!!」
「わ、悪かったよシャマル、思ったよりヤバイデバイスを持ってたし、混沌の呪術を使われたからたからついカッとなって……」
「私はつい心が踊ってしまってな、テスタロッサはあの教祖様の愛用した奇跡を使用したのだ、気を静めろと言うのは無理な話だ」
「そ・れ・を、堪えて下さいと言ってるんです!! シグナムのバトルマニアも、ヴィータちゃんの英雄マニアも知ってますけど、二人が本気で殺しに掛かってた所為で帰りが遅れて、はやてちゃんはお友達のお家に泊まる事になってるんですよ? 今日はみんなであったかいお鍋を食べる事を楽しみにしてたんですよ? もう少し反省して下さい!!」
シャマルの説教によって肩を落とす二人、それもその筈、ブレンを蒐集した事により、闇の書の頁は後100頁を切り、余裕が出来始めている。蒐集活動によって最近は主人を寂しがらせる事が多く、余裕が出来た所で今日はみんなで鍋を楽しもうと決めていた矢先にこれである、返す言葉も無い。
ヴィータの腹の音が鳴るのと同時にシャマルは説教を終え、はやてが用意してくれていた鍋を作りながら、はやてとの出会いに思いを馳せていた。
半年前、彼女達は闇の書のプログラムの一部として、主人の奴隷として、戦いの道具として、決して人間扱いされていなかったが、八神はやてとの出会いでその在り方を大きく変えた。
今回の主人は力を求めなかった、代わりに家族になってくれと願った。 彼女は衣服を、食事を、寝床を、家族の暖かさを与えてくれた。 戦いしか知らなかった人形が、主人八神はやてによって心を手に入れた、幸せを手に入れた。
幸福な日々だった、剣を置き、修羅となる事もなく、血で血を洗う必要もなく、平和な日常を謳歌していた、このままその幸福が続くと思っていた。
しかし、闇の書はそれを許さなかった。 八神はやてが抱える足の麻痺、それは闇の書による呪いであり、力を求めなかった彼女はその代償に麻痺が上へ上へと進行していった。
その事を知った守護騎士達は激しく自分を責めた、何故気付かなかった、何故分からなかった、何故、何故、何故。
このままでは主人の麻痺は全身に回る、人形でしか無かった我々守護騎士に愛と笑顔を与えてくれた彼女を救うには闇の書の完成しか無い。 主人の未来を血で染める事はしたくは無い、だからこそ彼らは不殺の誓いを立てた。
嘗て不死の英雄は人間の為に神と戦った、ならば我等守護騎士も彼のように八神はやてと言う一人の人間の為に戦う、殺し以外だったら何だって、どんな事だってやってやる。 彼らは一様にその思いを胸に宿し、蒐集を行っていった。
そして、その不殺の誓いを破りそうになった為、シャマルは激しく二人を叱責し、彼女達もその事を冷静になってから思い出し、非常に落ち込んでいたのだ。
そんな中、冷えた頭でヴィータはある事に引っかかりを覚える。
そういや、前の主人は糞野郎だったけど、最期は如何なったんだっけ? いや待てよ? 前の前の主人は? 更にその前は? なんか、とってもとっても大事な事をあたし達は見落として無いか? 本当に闇の書の完成がはやてを助けるんだよな? だったらなんで、闇の書を完成させた主人の最期を覚えてねぇんだ?
僅かな彼女の疑問、それはシャマルの持つ電話機から漏れる柔らかなはやての声によって掻き消える事となった。
この疑問を、有りのまま全てを皆に晒すべきだったと彼女は後に後悔する事となる。
不死の英雄伝 〜 舞台裏 〜
NGシーン 我々の業界では(ry
なのは「ねぇブレンくん、私に隠し事はやめて?」(脇腹を抓りながら)
ブレン「ッ!?(なんだこの感覚? なのはにこうも責められると妙に興奮してしまう、なんだコレは?)」
なのは「むー」ジト目
ブレン(ああ、そんな目で見つめないでくれ、いや見つめてくれ、寧ろ舐め回すように見てくれ!!)
なのは「もう!! 如何して何も言ってくれないの? 私も怒るよ!!」
ブレン「寧ろそれはご褒美!! どんどん叱咤してくれ、ひっぱたいてくれても罵ってくれても構わない!! 君のやる事為すこと全てが快感なのだから!!」
なのは「えっ?」
ブレン「えっ?」
なのは「なにそれこわい」
ブレン「その困惑した瞳……イイッ!!」