ブレンの露骨ななのは贔屓、ぞっこんだし仕方ないね(白目)
第九十二話 堕ちた者
深淵の邪神マヌスの復活、それは完全に予想外の事態で、己の見通しの甘さを呪いながら俺は現場に急行していた。神格を持ってしまった今の俺では奴との相性が最悪と言っても良いが、俺の持つ聖剣の力でなければ奴を浄化する事も、ましてや傷を残す事も出来はしない。 嘗てロードランで奴と戦った際、禍根が残らないように徹底的に浄化した筈なのだが、どうやら俺の想像以上にしつこい奴だったらしい。
だが前回とは違い、今回の戦いは三対一、奴自身も以前の身体を持っておらず、深淵の汚染そのものも未だ拡大していないようなので勝機はある。 寧ろ純粋な人間である二人の足を、俺の方が引っ張る事になるかも知れないな。
マヌスの元へと向かう道中で、クロノとなのはには深淵の泥についてを要点を掻い摘んで説明し、なのはには月明かりの大剣と四騎士所縁の武器を、クロノにはアルトリウスの大盾を渡す事により、深淵による汚染を受けないようにして置く。
何故なのはにだけこれほど武器を渡したのか、それは彼女がクロノ程戦闘慣れして居ないと言う事に尽きる。 今回の戦いでは下手をしなくても生命を落とす危険がある、私を討って貰う為には彼女がこんな所でマヌスごときに生命を散らしてもらっては困るのだ。 故に彼女には四騎士の力と大王グウィンですら怯んだ月明かりの大剣を持って戦って貰う。 そしてマヌスを討伐後、そのまま私と対峙させれば下手な加減をせずに戦う事ができ、何の苦もなく私を討って貰える筈だ。
手持ちの武具の大半を譲渡したせいか、なのはとクロノが困惑した表情を浮かべていたのだが、それを無視して大王グウィンの大剣と自分の鎧を展開、行く手を阻むように目の前に立ちはだかった例の転生者へと大剣の切っ先を向ける。最早理性も正気も感じられ無い化け物となった彼は、何やら異質なデバイスを展開していた。
機械的な鎧に包まれた彼の武装は、右腕に超大型の六連チェーンソー、左腕に鉄筋コンクリートの柱にブースターと棘の付いた物、両肩に四角い棒を扇状に並べた物が縦に五枚、両肩のユニットの間に六角型の箱、腰に突起状の装置がずらりと並んだ大型の外殻、両脇に折り畳まれた巨大な砲身とジェネレーターらしき物、恐らく彼の武装一つ一つが本来は独立した兵装であり、あのデバイスはそれを無理矢理一つに纏め上げているのだろう、あれが最早デバイスの域を越え戦術兵器の域にまでに達しているのは容易く想像出来るが、アレでは機動力が死んでしまい、碌に動けはしないだろう。 悪いが直ぐに決めさせてもらう。
そう思い、彼へと斬り掛かった刹那、彼の口からある言葉が漏れた。
ーUnlimited Blade Worksー
その瞬間、彼の身体から黒い炎が噴き出し周囲を包み込む。 固有結界と呼ばれるそれは使用者の心象風景を世界へと反映し、結界内を己の世界とする物であった。
本来ならば、この結界内は夕焼けに染まった広野に古今東西の凡ゆる剣が無数に突き刺さり、それら全てを使用出来ると言う物、又この世界内部では自身が目視した刀剣が劣化しながらも複製されると言う特性を持っている物だ。
そう、本来ならば。
しかし、今や彼の心象風景は深淵によって塗り潰され、それを体現した世界へと様変わりしていた。 天が、地が、結界その物が深淵に染まり、全てを侵食しようと蠢いている。 不幸中の幸いと言って良いのか、この結界に飲み込まれたのはブレンのみであり、結界を使用した彼にとって邪魔者でしか無いなのはとクロノは弾き出されていた。
取り込まれた結界がどう言った代物なのかを理解したブレンの額に冷や汗が流れ出す。 深淵の力は神格を汚染する劇薬、人間であった当時ならば触れた所で即汚染と言う事は無かったが、騎士アルトリウスですら飲み込まれたそれは今のブレンにとっては正に天敵、彼を容赦無く汚染して行く物であった。
マズイな、呼吸するだけでも全身に汚染が回る、空気そのものが俺にとって猛毒、発狂、しそうだ、成る程、あのアルトリウスが飲まれる訳だな……。 自分、を見失い、そうに、なる……。
固有結界が展開されたと同時に動きと思考回路が鈍ったブレン、深淵に染まった少年はそんな彼に向かって左腕の鉄柱のブースターを点火して加速、トップスピードに入った頃に自分の背中から爆発的に魔力を放出する事で急加速し、右腕の六連チェーンソーをドリルのように回転させながら突撃する。 深淵の汚染により全身が満足に動かないブレンは回避行動に移れず、大王の大剣を滑り込ませる事でその一撃を辛うじて防いだが、勢いまでは殺せず、泥の中へと叩き込まれる。
それと同時に少年は腰の砲身を展開してチャージを開始、汚染を逃れる為に泥の中から即座に顔を出したブレンを狙い撃つ。 この兵装は21の薬室で核弾頭を射出する多薬室砲、着弾と同時に爆風が巻き起こり、結界内全てを炎の海に染め上げる。 汚染と浸食の影響を受けていたブレンは直撃を浴び、左半身と下半身全てを塵にされる。 彼は意識が遠のきながらも無理矢理大王の大剣を介して始まりの火を使用、消し飛んだ肉体を再構築して立ち上がる。
その瞬間其処へ振り下ろされる鉄柱、ブースターの加速と共に強化人間の膂力によって力任せに振り下ろされたその鉄柱は、人の肉体など一振りで挽肉へと変えてしまう。 ブレンはパリィを狙うも、今の状態では力を受け流し切れないと判断、背後に大きく飛び退き、衝撃を殺しながら敢えて吹き飛ばされる。
深淵の汚染と侵食の速さは以前と比べて桁違いに速い、始まりの火で肉体を再構築すれば汚染された肉体をリセットする事が出来るが所詮その場凌ぎ、根本的な解決に至らない。 ブレンは始まりの火を利用して周囲の泥を焼き払うも、この固有結界内では深淵の泥が際限無く溢れ出す、やるだけ無駄だと悟った彼は大王の大剣に炎を纏わせながら斬り掛かって行った。
なのはは四騎士の動きに加え、月明かりの大剣とネックレスのバックアップによってとんでもない性能になります(白目)
マスブレードに対しての実際にあった質問
(;´号`)「コレをアーマード・コアに載せようと思ったのは何でですか?」
(´鍋`)「ちょっと、質問の意味がわからない。載せちゃ駄目なのかな?」