たとえ、世界を滅ぼしても ~第4次聖杯戦争物語~ 作:壱原紅
閲覧は自己責任となり、気分が悪くなった、精神的に不快感がする。
等の症状につきましては、作者ではどうする事も出来ませんので、どうかご了承くださいませ。
※注意
こちらの小説にはオリジナルサーヴァントが原作に介入するご都合主義成分や、微妙な腐向け要素が見られますので、受け付けないという方は事前に回れ右をしていただければ幸いでございます。
尚、しっかりとこの場で警告をさせていただいているので、受け付けないという方は無理に入る必要はございません、どうかブラウザバックしてくださいませ。
今回は番外編という事もあり、本編とはあまり関わりの無いお話。
しかし、あるサーヴァントに関して重要な点がありますので、見たい方のみ閲覧していただければ幸いです。
誰かの先祖が犯した罪のお話、ソレは一体どんなもので、そしてどんな罰を示唆するものだったのか?
赦されざる背徳、認められないその行為。
これは、ある一族の物語。
遠い昔の過ちの話。
一度きりならまだ許されたのに、復讐と欲に溺れて二度目を選んだ。
【罪】に染まった愚か者達のお話――――――彼等の【咎】は、何一つ変わらず、そのまま受け継がれていくことになった。
彼の神父が、その物語を手に取ったのは、果たして偶然だったのか…
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それは、第四次聖杯戦争が始まる2年前の事。
遠坂の屋敷に、魔術の修業を受ける為に足を運ぶようになってから少し経ったある日。
―――その本を見つけたのは、たまたまだった。
書庫にある無数の本の中から、伝記や伝説と言ったモノが並んでいる本棚に、随分と薄汚れた本があった。
小奇麗なモノばかりある本の中に、一冊だけ古臭いモノが混じっていたせいだろうか。
酷く、気になったのだ。
「ああ、その本は…君が魔術書以外を手にするとはね、気になるのかい?」
「はい、伝記か何かでしょうか我が師よ。」
「いいや、ただの神話さ。
遠坂の家には聖杯戦争におけるサーヴァントの参考にと、幾つか書物を置いているからね。
もっとも、所詮は本でしかないから参考になるモノはそんなにないんだが…そうだね、君に呼んでもらうのはアサシンで決まっているが、ためしに読んでみるとい。
参加する敵のサーヴァントでどんな英雄が現れるか分からない以上、少しは役に立つかもしれないからね。」
「…ありがとうございます。」
興味など、そんなにあるわけではなかった。
英雄や伝説など、正直なところ自分にはピンとこないものばかりで、読んだこともなかった。
しかし、折角渡されたのだ。
その好意を無に帰すのはどうだろうと思った。
そうして、その日の修業を終えて教会へ戻り、自室に篭った。
古い本を開けてページをめくる。
期待はしていなかった。
英雄の物語など、ましてや神話など、大抵は綺麗に纏められたお伽噺であるモノが多いのだから。
だからこそ、この胸に響くものはないのだろうと、どこかで落ち着いていたのだ。
「!……これは」
だが―――――――そこにあるのは、お綺麗な物語では、なかったのだった。
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――――――昔々、遠い昔のお話です。
神様が、世界に介入するよりも少し前のお話。
ある神様が、悪い怪物に恋をしました。
神様はとても偉い立場の存在であり、決してその凶悪な化け物を愛してはいけませんでした。
化け物は、巨人の女でした。
神様は、神様の中で一番偉い男でした。
赦されない筈でした、しかし――――この2人は、子を成してしまったのです。
理由は、分かりません。
神様の横暴でしょうか、巨人の悪巧みでしょうか。
それでも子供は生まれてしまったのです。
子供は。
神様と巨人の。
最も強い神性と最も強い悪性を持つ、【人間】として生まれてしまいました。
子供は、すぐさま殺されそうになりました。
他の神様は、その子供を生かしてはいけないと言いました。
子供が秘めていた力は、余りにも、危険だったからです。
神と魔の、両方の力を色濃く受け継いでしまった、【異端】。
愛される筈も、赦される事もなかったのです。
けれど……神様は、自分と女の罪の証である赤子を、生かしました。
どんな形であれ、子を成したのは自分と女。
産み落とされただけの子供に、一体どんな罪があったというのでしょうか?
それは間違いだったのかもしれません。
反対する存在は、敵である巨人にも多くいました。
それでも、生かしたのは。
『―――一度の過ち、我等の過ちゆえの【罪】。ならば一度は見逃さねばなるまい。
我が罪の象徴であり、我が血を引く幼子よ…………願わくば、この世界で……』
【自分の子供を、殺せない。】
たった、それだけだったのかも、知れません。
そうして子供は人の世界に落とされ、少しずつ子孫を増やしていきました。
たとえ、恐ろしい力を持つ血筋でも、結局【人】は交わる事でその血を薄れされる事が出来ました。
ならば大丈夫。
これなら、自然と【血】に宿る神魔の力は消えていくだろう。
そう、神々と巨人は考えたのです。
全ては、上手く行く筈でした。
『…………………………本当に?』
――――――――――その、筈だったのです。
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―――時は流れ、子孫である者達は、ある国を支配する程になりました。
そんなある時、別の国の王が、子孫の一人である女性に求婚にやってきました。
女性は美しく、気高く、聡明であるがゆえに妻にふさわしいとされたのです。
兄弟達と父親は、姻戚を結ぶのはよいことだと進めるが、女本人は気が進まないのでした。
しかし結局は父親が取り決めて、婚約が成され、やがて結婚式の日となりました。
『ほうほう、これは盛大な宴会ですなぁ―――――ならば、これは儂からの贈り物としよう。』
その日、宴の場に、誰も知らない片目で裸足の老人が入って来た事で、全てが狂ったのです。
老人は一本の剣を取り出し、館の中心に聳える木に、柄まで深々とその剣を突き刺して。
こう、言いました。
『この剣は、抜き取ったものに与えよう。
選ばれた者にしか、決して引き抜く事は許されぬ剣である。
その者は、これに勝る剣を一度も握ったことがないことを知るであろう。』
そう言い残し、老人が去っていくと、人々はすぐさま剣を抜きにかかるが、誰一人剣を動かす事も出来ませんでした。
ただ1人――――女性の【一番上の兄】だけが、その剣をまるで羽のように引き抜く事が出来たのです。
その剣の立派なさまを見て、花婿である別の国の王様は、欲に駆られました。
『どうだろうか、その剣を俺に譲ってはくれまいか?その分の黄金は渡そう!』
『いや……あの老人は【引き抜いた者に譲る】と言われた、貴方には抜けなかったのだから、それは…』
『―――――そうか、残念だ。』
(おのれ、忌々しい!この場で俺の顔を立てて剣を渡せばいいモノを…黄金に不満でもあるのか!?)
決して、兄は妹の花婿である王を馬鹿にしたわけではなかった。
老人の言った言葉の通りに、剣を抜いた者が手に入れるという約束だったのだから。
しかし、王はその態度が気に入らなかったし、どうしてもその剣が欲しかったのだ。
表面上は何事もないように装っていた――――――――その心の中で、仕返しを考えながら。
――――――些細な事で、【人間】は、他者を恨み憎み妬む事が出来るのだ。
それがどれだけ自分勝手でも、時として正論を無視してしまう程に。
どんな形であれ、それは呆気なく、訪れてしまう様に。
だから、そんな結末だって、訪れてしまった。
『いやあああああああああっ!?お父様、お父様―――――!』
『ははははっ!愚かだなぁ■■■■■■!お前の息子が剣を渡していれば良かったものをな!そうすれば殺されずにすんだものを!!』
血塗れの床。
転がる体は動かない。
捉えられた兄弟達と、殺された父親。
花嫁であって、すでに妻になった女性は、悲鳴を上げる。
その隣で、夫であり、王たる男は手に入れた剣を片手に哄笑した。
たかが、一本の剣に対する恨みだけで。
その王は、己の妻の家族を皆殺しにしようとしたのだ。
しかし、それだけはと拒んだ女性は夫に、懇願した。
【捕らえられた兄弟たちをすぐには殺さず、森の中に縛っておいて欲しい】と。
何とか命だけでも助けてくれと泣き縋る姿に、気をよくしていた夫は承知し、そのとおりにする。
だが、森の中には老いた牝狼がいて、毎晩1人ずつ、身動きのとれない兄弟達を殺していった。
そして最後に残ったのが、長男であり、剣の主たる青年だった。
『お兄様を、助けて頂戴…もうお前にしか頼めない。』
『分かりました、王妃…必ずやお助けいたします。』
頬を涙で濡らし、女性は己の心許せる召使に狼が兄を殺せないようにと罠を託す。
その罠を、召使は兄の元へ届けた。
その罠のおかげで、兄は己の戒めを解き、狼を殺す事に成功し、森の中に隠れ住む事が出来るようになった。
祖国に帰る事も出来ず、森の中に隠れ住む日々、妹である王妃に食物を届けてもらうしかない事こそが惨めだった。
『兄上…必ず、復讐を…!』
『ああ、俺とお前で、必ず父上と兄弟の敵討ちを…!』
奪われたモノの重さは余りにも、大きく。
失われたモノの悲しみは余りにも、深い、
夫を赦せないと憤る妹の憎しみは、等しく兄にも伝わった。
こうして――――――――その復讐劇は幕を開けたのです。
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其処から先は――――――まるで堕ちるように、全ては進んでいきました。
罪は、罪でしかないというのに。
【原初の罪】になぞられる様に、女性は過ちを望んでしまったのです。
『どうしてなのっ!?どうしてあの男と私の子供はあんなに貧弱なのっ!!これでは仇討ちなんて出来ない…!』
憎い男に抱かれ、2人の子を成したというのに、
鍛え上げようとするも、鍛える程の力は無く、ましてや泣き言を言う始末。
弱音を吐くような弱い男では、父親と兄弟の敵討ちの役にも立ちはしないと女性は怒りに震えた。
『駄目よ、諦めては駄目…!どうにかしなくては、何か、何かいい方法は無いの…!?』
―――――――そこで、悪魔が囁いてしまったのです。
彼女自身の中に眠る、巨人の女の力、予言の能力が。
(復讐の為には、もっと強い息子が必要―――なら、
その、決して赦されない…最大の禁忌を。
『そうよ…お兄様と私の子供なら…!ふふっ、なら簡単だわ!ああそういえば今、魔術師の女が来ていたじゃない。
その女と入れ替われば…!待っていてください、兄様…貴方の子を、私が――――産みます。』
己の血の力をもっと濃く引く、生粋の息子が必要と考えた。
偽りの姿で兄と床をともにして身籠った。
それは、かつて、神様と化け物が結ばれた時のように。
ある罪の焼き増しのような、おぞましい光景でした。
そして女性は、復讐の為の宿命の子供を産み落とす。
兄との間に生まれた子供は、腕に直接袖を縫いつけられても泣かず、生きた毒蛇の入った粉を平気でパンにしてしまう豪胆な子供だった。
『ああ!これなら殺せるこれなら勝てる!お父様!お兄様達!これで貴方達の敵が討てます!!あはは、あっははははははは!あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!』
………………………彼女は、もしかしたら既に狂ってしまっていたのかもしれません。
それとも、これでも正常だったのでしょうか?
彼女と兄は、罪を犯してしまいました。
神様と化け物が、一度だけ犯した罪を、【上書き】してしまったのです。
神魔が交わるという【罪】。
兄妹が交わるという【罪】。
ましてや、【近親相姦】という禁忌まで犯して。
その結果は、後に訪れる事になります。
決して逃げられない、血の鎖となって。
その先の全ての子孫へ続く、【呪い】という概念になってしまったのです。
―――――――【
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――――――――そうして、復讐の時は訪れました。
幼かった子供は、年を重ねて勇猛な若者になりました。
多くの策略と罠を潜り抜け、父親であり、叔父でもある男と共に、祖父の仇を討ちに城に侵入しました。
途中で殺されかけましたが、そこは母親でもあり、叔母でもある女性の機転によって救われました。
そして、城に火を放ち、見事に仇討を果たしたのです。
燃え盛る城の中で目を覚ました王は、問いました。
『誰だ!?誰がこのような事をしたのだ!!』
『ここにいるのは俺と、妹の息子■■■■■■!我が父の血は、まだ絶えてはいない!父と、そして弟達の仇だ!死ね!』
『ぎっ―――がああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』
眠っていた無防備な状態、剣も何も持っていない状態の男を殺すなど、兄と息子にはたやすい事でした。
『全て、終わった…さぁ、国に帰ろう。』
『そうです、母上…私達の祖国へ…!』
手を伸ばしてくれる兄と、息子に、女性は微笑んで――――――気付いてしまいました。
『ああ――――――駄目だわ、私は一緒にはいけないの。』
血に塗れた両手、自分はいったい何をしたのか。
何を、しでかしてしまったのか。
目の前の子供、自分の悪意の操り人形にしてしまった。
腹を痛めて産んだ我が子を、ただの道具のように扱ってしまった。
愛した男は実の兄。
姿を騙してまで身体を繋げた。
ああなんて――――愚かな事を、自分はしてしまったのか!!!!
『そんなっ!?何故です母上!!』
『どうしたというのだ、何故そんな事を…』
悲痛な声をあげて顔を歪める自分の子供と、戸惑う兄の姿に女性は悲しそうに微笑みました。
『愛しい子、貴方の父親は兄上なのよ。
私はかつて、自分で魔術師の女に姿を変えてもらって、貴方を生んだの。
復讐の為に、兄を利用して、貴方の命すら弄ぶようなことをしてしまったわ…こんなこと、赦される筈がない!!』
復讐の為にあまりに多くの罪を成してしまった。
これ以上生きていようとは思えない。
静かに、女性は倒れ伏す、【夫】の亡骸の傍に近づいた。
『母上…!』
『兄上、息子を頼みます。
望んだ夫ではなかったけれど、この人は私を愛そうとした人…妻として、最期は共に逝くのが務め。
どうか息災で―――――――――貴方達を、愛しています。』
『まっ…!』
炎に女性は身を投げた。
その背に兄と息子は手を伸ばすが、間に合わない。
『母上――――――――っ!!』
悲痛な叫びは届かない、子供の
その結末に兄は目を伏せると、自分の息子であり、妹の息子である男を連れて城を脱出した。
――――こうして、復讐劇の幕は降りたのだ……そして、血の呪いは、始まった。
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――――――――多くの戦いを経て、多くの流血が流れた。
息子と祖国に帰った長男は、国を取り返し、一国の王となった。
何の報いもない戦いもあり、何の救いもない暴虐もあった。
息子が殺されても、男は王であり続けた。
誰も彼もが敵に見えた、怒りと憎悪ばかりの日々。
そんな中で、妻を娶った。
おかしな女だった、とうに年もとり、高齢になった男に愛を告げた。
『貴方は、誰よりも優れた王です。』
彼女は美しい女だった、どこか、妹に似ているような気もした。
だからだったのかもしれない、深く、心から愛し合う事が出来たのだ。
彼女が、妻が子供を身籠り、幸せになれると思ったその時。
新たな戦が、起こった。
『何故、俺ではなく、あんな男を夫にした!?分からない、赦せない―――!』
彼女に求婚し、拒まれた男が、攻めてきたのだ。
抵抗した、戦った、数は少ないが自分にはかの【剣】がある。
負ける筈がない、今までどおりに勝てるだろう。
そう―――――――信じていた。
『罪を繰り返し、新たなる【咎】を生み出した裁きを与えねばならん――――悪く、思うな。』
そこへ、1人の男が現れる。
男は槍をかざし、かの【剣】を真っ二つに折ってしまった。
たちまち敵味方の損害が逆転し、自分の軍は散り散りになり逃げだした。
男の正体は――――――――神様だった。
かつて、宴に現れた老人も、この神の別の姿だったと男は言った。
自分が、【自分の血を引く一族に与えた剣】を折ることで、勝利の加護を奪い取ったのだ。
戦いが終わったのを見て、女奴隷と2人だけで身を隠していた妻が、泣きながら自分を呼んでいた。
『ああ…!あなた、あなた、しっかりしてください…苦しいでしょう、傷を塞がなくては…』
『いいや、止めてくれ…剣が折れ、神が死を望んだのだから介抱はしないで欲しい。
お前が身籠っている子は男の子で、やがて並ぶものない者となろう。
仇はその子が討ってくれる…折れた剣の欠片は取っておくといい、その欠片は鍛えなおされて名剣となる。』
言いたい事を告げる。
泣いている女、自分が最後に愛せた1人の女性へ、男は告げた。
『ありがとう、お前に逢えて、良かった。』
そうして男は息を引きとり、二度と目を開ける事は無かった。
一族の末の1人の男、かの【英雄】の父親は、ここに散ったのだ。
――――――――――血の呪い、赦されざる呪い、【濃い神魔の力】を持つ子供は此処に生き延びたのだ。
……………故に、その【呪い】は生れ落ちる幼子をも蝕むだろう。
決して幸福にはなれない、その【運命】によって、いずれ絶望に堕ちて死に至る。
どんな破滅も受け入れさせられるだろう、拒否等出来る筈もない。
彼の子は、茨の海を歩かなければなくなるだろう。
それが――――――――――――【背徳の血】、【禁忌の血】を背負った一族の、【贖罪】なのだから―――――
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――――パタリ、と本を閉じた。
昼過ぎに戻った筈なのに、いつの間にか夜になっている。
随分と読みふけってしまっていたようだ。
父には部屋に篭ると言ったものの、心配をさせてしまっているだろう。
ちょうどここで本は終わっているから、話に言ってもいいのだろうが――――
「…途中で、破れているとはな…ここから先は、燃えてしまっている…」
しかし、その本は少しおかしかった。
まるで、誰かが読んだ後に、見るのも嫌だと焼いてしまった様に不自然にページが無かった。
綺礼としては、この先に呪われた赤子がどうなったのか気になったのだが、これでは分からないままだ。
「ふむ、まぁいいだろう…あらかたこのような内容だとは分かった、師にはページの事だけ教えて差し上げれば問題あるまい。」
だがそこまで気にしなくてもいいだろう、所詮は物語。
聖杯戦争に深く関係する内容である筈もない。
(――――――決して、あの内容に、どこかで暗い喜びを覚えかけたのだと気付かないように目を背けている事に気付かずに。)
そう結論を出して、本を置き部屋を後にする。
その出ていく背中を、机の上の古ぼけた一冊の本が、見送った。
―――――――――――――――まだ、言峰綺礼は知らない。
その本が、その内容が、決して意味がないモノではなかったのだという事に。
いずれ出会う事になるべき【相手】、その心の琴線に触れる事にあるであろう【青年】について。
失われたページが、余りにも重要な事を記していたのだという事に。
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血に塗れて、憎みあった人々がいました。
失われた愛を求めて、絶望に堕ちた人々がいました。
開いてしまった禁忌の扉、生れ落ちたのは咎の子供。
呪われてしまったその血筋、幸福に何てなれる筈もなく望めない。
呪いは、運命として【彼】を縛る鎖となった。
紅い瞳、神様の血筋の証の瞳。
金色の瞳、魔物の血筋の証の瞳。
両方の血を引く、呪いの子供。
その願いは叶わない、その祈りは届かない。
ああなんて哀れな事か―――――――決して、【人間】として、生きれない。
(故に結末は煉獄へ、黒焔の原へと誘われる、全ての【業】を束ねて至る事になるだろう)
【後書き】
救いの見えない物語の幕はこうして開いた。
最初からその為だけに生まれた子供は、運命と神の操り人形。
愚かな【道化】の役割だけ与えられ、永遠に叶わぬ願いだけに夢を見る。
いつか与えられる1つの希望も消えると知って、ならば、何の為に【彼】は生まれたのでしょうか?
さて、今回のお話は神話のエピソードから作ってみました。
正直読まなくてもいい内容だったりします(オイ)
しかし、コレはオリサヴァさんのステータスにちょこっと関係のあるお話です。
だからあえて書きました―――意味ないやろ!という意見もあるかもしれませんが、ご了承くださいませm(__)m
何とか本編も途中まで更新できてますので、また投稿いたします!
お待たせしてますが、どうか見捨てないでいただけますとありがたいです…これからも頑張ります(/_;)
それでは、閲覧ありがとうございました。
今回のBGMは、【Legend(Fate/hollowat araxia)】でした。
※感想・批評お待ちしております。