たとえ、世界を滅ぼしても ~第4次聖杯戦争物語~ 作:壱原紅
閲覧は自己責任となり、気分が悪くなった、精神的に不快感がする。
等の症状につきましては、作者ではどうする事も出来ませんので、どうかご了承くださいませ。
※注意
こちらの小説にはオリジナルサーヴァントが原作に介入するご都合主義成分や、微妙な腐向け要素が見られますので、受け付けないという方は事前に回れ右をしていただければ幸いでございます。
尚、しっかりとこの場で警告をさせていただいているので、受け付けないという方は無理に入る必要はございません、どうかブラウザバックしてくださいませ。
今回はアインツベルンの森のお話、その⑤。
とうとう姿を現したドラグーン、セイバーとランサー、キャスターが彼に気付き殺しあうお話。
果たしてキャスターを倒せるのか?そしてセイバーの謎の行動の理由とは?彼等の運命は―――
前回でも言いましたが、この度、皆様のおかげでこの小説が300お気に入り登録達成しました!!ありがとうございますm(__)m
今回は、そのお礼もさせていただきたいので、リクエストを受け付けようと思っています。
本編でこうしてくれ!キャラアンチしてくれ!等のリクエストは物語の進行上無理があるのでお断りさせていただきますが、【聖杯戦争後の平和ENDを迎えた後の後日談】や、【こんな話を読んでみたい!(例:5次のサーヴァントに何故かバサドラ陣営が逢えたとか)】というご意見をお待ちしております。
一応締め切りは「5月22日(水)まで」といたします。皆様の感想およびリクエストお待ちしております。
これからも【たとせかシリーズ】をよろしくお願いいたしますm(__)m
此方を睨む翡翠の瞳にいつかの想い人の姿が過る。
似ても似つかぬその姿に、何故彼女を重ねてしまったのか。
思い出す必要が無い程に、忘れた事のないたった1人との記憶が過る。
(――――――その憎しみは、かつて向けられた『
―――吐き捨てられた敵意の声に、ふと懐かしいモノを感じた気がした。
純粋で、他意の無い、いっそ心地のいい程の分かりやすい悪意。
ただこちらに対して向けられる、憎悪と殺意がこの身を貫く。
それは、決して受け入れる事の出来ない存在だった。
視界に入る金と翡翠。
怪魔の体液が撒き散らされる中で。
目線があったと同時に背筋を震えさせた【感覚】は。
己にとって、【彼女】が【敵】に成りえたる証だった。
だからこそ、目を伏せた。
それが、今は間違いだったとしても。
同じようにこちらに警戒を向ける槍兵よりも。
この場の誰よりも、狂える魔術師だけを、真っ先に排除せねばならないと。
自身の【衝動】を抑え込んででも、成すべき事を優先する道を選んだ。
(この胸の内の声から眼を逸らす、一時の逃避に価値等なく、きっと後悔するのは考えるまでもない。)
それでも後に、俺はその時の選択に感謝する事となる――――何故互いに【衝動】を抱き、相手を否定したいと望んだのかを、理解できたから。
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<SIDE/セイバー>
たった一言を最後に再開された消耗戦は、予想外にも騎士達の方へと傾き始めていた。
「き、さま…キサマキサマキサマぁあああああああああ!!!何故だ?!何故私の怪魔達に抵抗できる?!何故怪魔達が貴様に怯えるぅうううう!!!」
狂気に囚われ己の欲望のままに動いていたキャスターは、その目の前の銀に怨嗟の声を吐きながら眼を剥く。
彼の宝具によって呼び出された怪魔には、殆ど本能しかないが故に、意思を持たず恐怖を感じない、まさに無限の傀儡の兵。
だが、それが今、1人のサーヴァントによって覆されかけていた。
―――剣を振る音、槍が貫く音、それに合わせるように何かを潰す音が響き渡る。
両手で力任せに引き千切り、その足で踏み潰し、叩きつけて命を壊す生々しくも凄惨な音が響く。
ブヂブヂッ!ズダンッ!ズリュ、グシャァァァッ!!
音が響く度に、怪魔達の動きが鈍って行く。
まるで恐れるように、まるで慄くように、眼前に迫るその【銀】に怯えるように。
自分達以上に、得体の知れない【ナニカ】を本能で感じ取り、怪魔達はキャスターの命を聞きながらも恐怖していた。
「――――知るか、お前の使い魔なら自分で聞け。」
その音を響かせる主は、あっさりとその怨嗟を切り捨てると、ただ容赦なく動く。
凄惨で醜悪な音を響かせながら、その周囲に怪魔の残骸を撒き散らし体液を浴びながらも前へ。
一体どんな身体をしているのか、毒素を持ち瘴気を放つ怪魔の屍の山と体液の泥濘をものともせず、力任せにキャスターへ向けて前進する姿。
自分とランサーはそのサーヴァントが取りこぼした怪魔を倒すだけ。
それ以外の全てを逃さないと言わないばかりに叩き潰す拳と足が、新たな怪魔を生み出すにも足りない程に肉体を踏み躙り四散させる強すぎる一撃が、怪魔の肉壁を削り【道】を作っていく。
無駄のない動きで、肉壁の隙間を拳で穿ち足で削る、再生を赦さない程に粉砕して、怪魔を威圧するその気迫。
血に塗れ体液に濡れる銀の髪が、それでも冷ややかな声に比例するように月の光で怪しく光る。
真正面からその姿を見ているキャスターにしか、表情は分からないだろう。
………いや、狂っているからこそ、キャスターには分からないのだ。
自分と共に怪魔を斬り伏せているランサーが、自分と同じように顔を強張らせる程の
突然現れた【銀のサーヴァント】は、その全身で2つの激情を放っていた。
理由はその場の誰にも分からないが、確かにそのサーヴァントは怒っていた。
怒号としてでもなく、剥き出しになってもいない、いわば絶対零度と言ってもいい冷酷な【怒り】を。
そして、悪意も欲望も偽善もない、いっそ清々しい程に。
だが恐ろしく純度の高い、命を奪う事を当然のモノとして突きつけるような、濃厚で凝縮された【殺意】を。
誰から見ても恐ろしく、そして吐き気すら催させる激情を撒き散らし。
その目の前から逃げ出したくなるような、圧倒的な存在感を放ちながら。
返り血を浴び、白い外套を緋色に染め上げながら。
眼前の
傍にいるだけで、その狂気を感じずにはいられない程に、無慈悲な姿を晒しながら。
それでも――――――その感情を纏い、戦場に咲く銀緋の悍ましくも鮮やかな大輪の華として、彼はそこに在った。
故にソレは、【人間】よりも知性の無い生き物の方が、よほど悟りやすいからこその現象だった。
本能によって動いている怪魔にとっては、理性的な動きよりも同じ本能で向き合ってくる存在こそが脅威だ。
その怒りと殺意こそが、気迫となり威圧となり、本能的な恐怖心を植え付けて怪魔の動きを鈍らせていたのだ。
その銀は、キャスターへ向けて、後ろにいる2人のサーヴァントよりも【一歩】だけ先に踏み出して。
目の前の狂気の魔術師こそが【憎い】と、その背中で告げていた。
「っ…」
その様子に、セイバーは顔を顰めずにいられない。
自分やランサーよりも、キャスターへ一歩ずつ前に近付いていこうとしているその背中が、酷く苛立つ。
叩き斬ってしまいたい、そんな衝動が彼女の中から湧き上がる、それだけの存在感と異常さがその青年にはあった。
たった一歩、その距離を、その銀は自分よりも前に行っている―――――その一歩が、何故こんなにも遠く感じるのか。
「セイバー…落ち着け、剣筋が乱れているぞ。」
「っすまない、ランサー…だが、貴方はあのサーヴァントに思うところはないのか?」
互いに背を合わせるように、銀の英霊が開いた道を塞がれない様に更に斬り開いていくランサーへ問い掛けると、ランサーは複雑そうな面持ちでその背を見やる。
「確かにな…あの男、只者ではない気配を感じる―――だが、俺達の今すべきことをしなくてはならない。
主にこの槍を捧げ、俺はキャスターを討つと誓ったのだ。ならば、今はあのサーヴァントがキャスターの気を引いている内に奴を倒す…それが、するべき事だ。」
「………そうだな、礼を言うランサー、私もこの瘴気に少しあてられていたのかもしれない。」
そうだ、今は気にしてはいけない。
目の前の敵を倒す前に、気を散らして怪魔に倒されるような事になっては意味がない。
(そう……むしろ好都合だ、あのサーヴァントがキャスターの気を引いている今なら、先程の【策】を実行するのも容易になる。)
「ランサー、先程の答えを見せてほしい、私の風であの外道を斬り伏せてくれ。」
「いいぞセイバー、お前と俺もいる事を忘れかけているキャスターに、一泡吹かせてやろうか!」
少しだけ目を伏せて、すぐにランサーへ声をかけた。
こちらの唐突な声に、ランサーも真剣な表情で是と言ってくれる。
ならば、もはや迷いもない。
今こそ解き放とう、この剣の持つ力の一つを。
そうして―――――――
「いくぞ、ランサー…!」
目線の先で怪魔と戦っている【銀】の背中を見ながら、己の剣の風を開放した。
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<SIDE/ドラグーン>
「おのれええええええええええええええええ!!キサマキサマキサマァアアアアアア!!殺してやるぞぉ!ジャンヌを!ジャンヌを縛る悪魔の1人めぇえええええ!!気高い聖女を地に貶めた神の先兵がぁああああ!!」
煩い声が響く。
血ではない臭気が漂う森。
正規の英霊ではありえない、その狂気。
やはり異常だな、と判断しながら怪魔達を殺す。
怒りに焼かれながら、それでも。
目の前のキャスターを殺そうと、決めていても。
その姿に違和感を感じながら、その声に吐き気を覚えていて。
だが、それ以上に―――泣き声が、聞こえる。
消えたくなかった、死にたくなかった、助けてという泣き声が。
それだけで、胸の内から引き裂かれるような痛みが、沸き起こる怒りを持続する。
ただ痛いと思い、ただ哀しいと想う。
自分自身が赦せなくて、目の前のキャスターが赦せない。
何度も、何度も、頭の中を繰り返して響く泣き声は、誰の為のモノだったのか。
巻き添えにされる幼子の亡骸が忘れられない。
巻き添えにされる無関係の命の悲鳴が忘れられない。
何故、何故、この身でなければならなかったのだと、犠牲になった者達の嘆きの声が忘れられない。
(その理由は、永遠に自覚してはいけないモノだと、気付いてしまったのはいつだったか。)
「ふっ―――!」
ザンッ!
鋭くした手刀で、眼前に迫った触手を斬り飛ばす。
真っ当ではない、いわば目の前の怪魔達の【格上】である魔の力を纏う自分だから出来る芸当。
この手が、この足が、全身が凶器ともいえるこの【
何度も復活する怪魔達、それらを統率しているのは、キャスターに間違いない。
どうやって復活させているのかは、自分には判断がまだ出来ないが奴に迫りその手の宝具を奪うか壊すかすればいいと思った。
例え、この身が全力で戦えなくとも、後ろのセイバーとランサーが取りこぼした連中を倒すのは気付いていた――――その時に、いくつか会話をしている事も、それがキャスターを倒す為のモノだという事も。
なら、自分がするのは【道を作る事】であると判断した。
突破口は恐らくセイバー、彼女の敵意はまだ感じるが、キャスターを優先しているのはあちらも同じ。
彼女が何らかのアクションを起こすというのなら、それに便乗させてもらうまで、その為にならば時間稼ぎ位はするし道もこちらが用意する。
だから
「――はぁっ!」
ズドンッ!ブシャァッ!!
そのセイバーの方へ進もうとした2体の怪魔を、魔力を込めた拳で地面へ捻じ伏せる。
起き上がろうともがく身体を、容赦なく磨り潰すように足で踏み潰し、肉塊の破片を蹴り飛ばし遠ざけた。
目の前の怪魔の身体を引き裂く度に、生暖かい体液が両手に染みついて離れない。
その身体の残骸を踏み躙る度に、靴越しに足の裏に肉が潰れて生々しくも悍ましい感覚が残る。
声にならない恐怖の悲鳴を上げて、慄き命を降す魔術師すら放り出して逃げ出したいと全身で告げる怪魔達。
―――――それすらも、【生前】の殺戮に比べれば、どこまでも温く甘い程度のモノでしかないのだけれど。
赤ではなく、紫や緑の体液が零れ落ちる腐臭のする大地。
穢れていく森が悲しい、遥か昔の生まれ育った場所を思い出す。
だから余計に許せない、己が生きていた場所を同時に穢された気がした。
それ以上に、この場所に住まう【命】の嘆きが、理解出来るからこそ怒りに駆られる。
最初から住まう者達の居場所を、一方的な理由で破壊し穢す権利等誰にもない。
居場所を失くし惑い、帰る家もなく、行き場所が無くて彷徨うモノの嘆きも分からないか。
涙する者達の心は何処へ行けばいい、彼等の傷は何時になれば癒える、その悲鳴を無視するのならそれこそが咎だろう。
――それ以上に、多くの命を裏切り傷付けた事がある自分だから、この行為を受け入れられないのだという後悔がある。
(ああ、思い返せば我ながらにして無残な人生でした、今尚忘れられない1人の事も含め、この魂は悔いだけを残し続けているのです。)
その時だった。
不意に、風が吹いた気がしたのは。
「っ…!」
首を動かし振り向く事も難しい程の風圧、その背後から感じる魔力の流れ。
セイバー、彼の騎士の真名は既に知っている、ならばその手に握られた剣の名もまた1つしかない。
その剣を今、ここで解放しようとしているというのか――――――!
無理矢理に首を動かして、背後を見やる。
その視線の先にいたのは、決然と静かな面持ちで右手の剣を振り上げたセイバー。
その揺るぎなき眼差しと意思が見据えるのは。
―――――――掴み取るべき、勝利への【道】。
(―――!)
ふと視線が合う。
未だ敵意を宿した翡翠の瞳。
けれど、キャスターを倒さんとする彼女の眼は、確かにこちらへ告げていた。
【避けろ】
一瞬の眼の合図。
何故分かったのかは、解らない。
それでも彼女の意思は分かったから。
「っう、らあああああああああああ!!!!!!」
最後に、ダァンッ!と拳を思い切り怪魔の軍勢へ叩きつけて、【穴】を穿つ。
視界を遮る怪魔の壁に、一時的に視界を晴らさんばかりの大穴を開けて、全力で横へ飛んだ。
「くっあははははは!?何をしているのです!そのような真似は無意味だと分かっているでしょう!?所詮は先兵…手こずらせてくれましたがここまでですよぉ!死ねええええええええええええええええええええ!!!!!」
……………雌雄はこれにて決する。
キャスターは分かっていない、何故、わざわざ彼が
その穴が、自分の姿を一時的にとはいえ、
――――――風を解き放ち、今まさに命を降そうとしている彼女が位置を把握できたという事に。
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<SIDE/ランサー>
正体も分からない銀のサーヴァントは、セイバーの動きに気付いたようだった。
彼女が今まさに宝具の1つを解き放とうとしているのを理解すると、すぐに行動した。
目の前の怪魔の群れに、今までで一番強いだろう一撃を与えて、大人1人が潜れるほどの【穴】を開けた。
そのままセイバーの攻撃があるだろうと判断したのか、横手に身体を投げ出す様に回避するのをキャスターが嗤う。
愚かな奴だ、あの銀のサーヴァントが何をしたのか、分かっていないのだから。
穴が開いた事で、そしてあの青年が避けた事で、セイバーは完全にキャスターの位置を把握したのだから。
今まさに、自分達の連携で一番重要となる【攻撃場所】を、俺も彼女も完全に理解して狙う事が出来るのだから。
剣を振り上げたセイバー……今、騎士王の声が、高らかに響く。
「【
荒れ狂う暴風、一度倉庫街で見た旋風が森を揺らした。
――――視界を染めた黄金に、解き放たれた風の守りに眼を細める。
赦されたタイミングは一度だけ、その時を、しっかりと守ろうと今は見届ける。
名の通り、轟風の破壊槌ともいえる風の超突風。
怪魔達の塞がりかけていた【穴】目掛けて放たれたその風は、辺りの肉片や泥濘すらも吹き飛ばす。
一直線に道を開いていく気圧、その光景に――――――――――――今こそ、好機だと、この身体を滑らせて
―――――――力強く清涼な風が、この身体を運んでくれる。
―――――その力で一気に加速して、更に前へ。
―――視界に見える黒紫へ、疾走する。
「な――――なにぃいいいいいい!?」
驚愕の声が聞こえた。
誰のモノか等、考えるまでもない。
セイバーが、騎士王が自分と戦った際に見せた【風の秘剣】、それをここで連携として使った。
彼女の剣が、彼女の風が、今まさにキャスターへ迫る為の【道】を作り上げたのだ。
そこを、渦巻く血風と肉片のトンネルを一跳びで走り抜ける。
事前に空いていた【穴】のおかげで、彼女の【道】は予定よりも距離が延びていた。
「キャスターぁあああああああああ!!!!覚悟しろ―――――!!!!!」
相手との間合いは5歩、その間には何もない。
怪魔を呼び出すにも遅すぎる、そのような余裕も与えるつもりは毛頭ない!!!
「ひぃいいいいいい!?」
悲鳴をあげて身を翻すキャスター。
その声に主の危機を察したのか、怪魔達がこちらに来ようとしているのを気配だけで感じた。
追撃を覚悟して、左手の短槍を後ろ手に構えようとして――――
「振り返るな!!!」
グシャァッ!ズバァンッ!!
――――鋭い叱責と、生々しい音に、こちらが動く必要はないと判断した。
(感謝する…!)
誰がいる等、考えない。
ただ、露払いはしてくれている。
庇われたとは思わない、今は目の前の敵を穿つのみ!!
「抉れ!【
声の主に答える事もなく、全力で逃げようとするキャスターへ踏み込んで右手の長槍を突き出す。
解放されるは深紅の穿孔、ありとあらゆる魔術に対する絶対の
そしてその刃先は、容赦なくキャスターの右手と魔導書の表紙を切り裂いた。
「がぁああああ――――――――!?」
昏い森に苦痛を訴える絶叫が迸った。
同時に、ざばん、と波が爆ぜるような音が響く。
異形の怪魔達が、一斉に液体……大量の血液となって飛び散っていた。
恐らくは、キャスターからの宝具である魔導書からの魔力供給が切れたからだろう。
自分の槍である【
宝具を破壊する事は、【
倉庫街でセイバーの風の守りを切り裂いただけの威力を持つ、ランサーの【
どれだけ強大な結界であろうと破壊困難な設置式の呪物であろうと容赦なく破壊できる、いわば
一度具現してしまった怪魔はともかく、その怪魔を発生させる術式を破壊するのは当然容易かった。
その為にキャスターの手の宝具は、怪魔を一時的にとはいえ具現化する力を失ったのだ。
血塗れの右手で、尚も魔導書を手放さないところだけは流石だろう。
たたらを踏みつつも後ずさるそのキャスターの魔導書は、直ぐに機能を取り戻して表紙を再生するがどうしようもない。
そして
「貴様ッ!キサマキサマキサマキサマァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
絶体絶命、まさに絶望的状況でキャスターは絶叫する。
白眼を剥き表情をゆがめ、泡を吹いて逆上する。
もはや哀れとも無様とも取れるその中で、未だそのような罵倒が言えるとはある意味で感心だなと思う。
だからこそ、あえて笑って言い放つ。
「いかがかな?セイバーに【左手】が戻れば、この程度は造作もないという事だ。」
じゃりっ、と音を立てて、こちらの背後から少し離れた場所に並んで立つように【銀】のサーヴァント。
彼もまた、怒りをその穹色の瞳に湛えながらも、冷たい声でキャスターに最終通告を言い放つ。
「貴様の負けだ、ここで死ぬがいい、キャスター……お前は血の臭いが酷過ぎる…」
そして最後に、静かな怒りを声に込め滾らせながら――――
「…覚悟はいいな、外道…!」
――――セイバーは彼女の宝剣を右手一本で掲げ上げて、その切っ先でキャスターへと睨み据えた。
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――――追い詰めた【敵】は己の【咎】を認めず荒れ狂う。
されどその命は既に風前の灯に過ぎず、敵は迫る3人の英傑に討ち取られるだろう。
だが、それは、彼等の【主】にもまた言えた話。
ここに壊れた史実の意図が伸びる、まだ、彼の主従は敗走する時ではないのだと。
――――――運命は濁流から激流へ変わる、この先に待ち受けるは、果たして希望か絶望か……
NEXT
【後書き】
皆様こんにちは駄作者です。
相変わらずのR-18G空間にそろそろ虫の息になり始めてます、ほのぼのはどこだ…orz
今回は、咆哮を聞いた各陣営の様子パート3をお送りしました。
ドラグーン&セイバー+ランサーのキャスター討伐編、キャスターを追い詰める事に成功しましたが…果たして、正史の展開から乖離できるのでしょうか?
次回も気長にお待ちいただけると嬉しいです…(/_;)
それでは閲覧ありがとうございました!!
今回のBGMは、【「片霧烈火 戦火-IKUSABI- 『紅』】でした。
※感想・批評お待ちしております。
オマケ
前回お話したオマケの内容、今回は【持たせてあげたいパワーストーン】です。
どうでもいいわ!という方は無理に見なくてもいいよという内容だったりw
それでも見てあげようという優しい方のみ↓にスクロールしてくださいませ。
・間桐雁夜
●サンストーン
●ファイアオパール
・間桐桜
●ムーンストーン
●ペリドット
・バーサーカー
●アパタイト(blue)
・ドラグーン
●セレナイト
それぞれのパワーストーンの意味を調べてみると写真も出てくるので、結構綺麗なモノもあります。
作者も1つ欲しいかもしれない……(笑)
バサドラ陣営、これからも未来目指して頑張れ!
作者もなんとか更新頑張ります!!