たとえ、世界を滅ぼしても ~第4次聖杯戦争物語~ 作:壱原紅
こちらの小説にはオリジナルサーヴァントが原作に介入するご都合主義成分や、微妙な腐向け要素が見られますので、受け付けないという方は事前に回れ右をしていただければ幸いでございます。
尚、しっかりとこの場で警告をさせていただいているので、受け付けないという方は無理に入る必要はございません、どうかブラウザバックしてくださいませ。
今回は300お気に入り登録者達成記念のリクエスト小説第一弾
【「ドラグーンと(本来の)恋仲の彼女が第四次聖杯戦争に参加していたら」】(by 白金様)をお送りいたします。
でも流石に全部は書けないので、部分部分の描写形式で書いていきます(劇場版CMみたいな感じで。)
それでもいい、という優しい方はそのままスクロールをお願いいたします。
―――それは、今語られてる物語と、少しだけ歯車が変わった物語。
本来の槍兵を呼び出さずして、最強の槍使いを呼ぼうとした、魔術師と。
あり得ない契約をしてしまい、イレギュラーの8体目を呼んでしまった、魔術師モドキ。
その2名の者によって、引き起こされた。
始まりの運命が、大いなる禍の被害者であり加害者によって、翻弄される―――
Fate/Zero IF ~The Song of the Eternal Story~
その日、
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運命を呪ったのはいつからだったでしょう?
貴方と私はいつだって、共に生きたいと願っていたのに。
この手を伸ばす度に、絡みつく茨のような苦痛の波は妨げとして。
私達の間に常に立ち塞がり、互いの幸福を別つ事だけを行ってきたのです。
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<シーン:運命の再開>
「ああ―――やっと、貴方に逢えた…」
その声に、動きを止めてしまったのは、必然だった。
「―――」
振り返った先にいた姿に、息を呑んだ。
月の光の下、其処に――――自分の【全て】が、いた。
腰まで伸ばされている、色褪せぬ薄い白銀の髪。
この瞳と対のような、神の眷属の証である紅の瞳。
泣き出しそうな微笑みを浮かべて、それでも、喜びを湛えて。
「…■、■■…?」
「ああ、私の―――愛しい人…!」
生前―――自分が、何よりも失くしたくなかった人が、いた。
一息にこちらへ距離を詰め、強く抱きついてくる身体を抱きしめた。
その頬を伝う雫に愕然とする。
――――――――ああ、この再会は、一体何の奇跡であり、禍だったのか。
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皆が皆、自分に押し付けたのは欲望でした。
此方の想い等顧みず、ただ望まれるままに生きてきました。
それでもその望みを振りきれなかったのは、それが必要とされたからで。
そんなもの、何の意味も価値もないと気付いていたのに、どうして逃げれなかったのか。
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<シーン:その怒りの訳は>
「ふざけるな!この下郎が!!」
―――ホテルの一室に、凄まじい怒声が響き渡った。
溢れでる魔力を抑えるのに、42層まで分かたれた結界が悲鳴を上げる。
内側から瓦解しかけているその結界が、いまだ壊れていないのは
だが少し離れた自分ですら、その怒りに声も出ずただ震えるしかない。
ならば、すぐ傍で命令を降し、怒りの矛先になったケイネスの負荷はどれだけのモノか考えたくもなかった。
「私の夫を――――――この手で殺せと?
―――その怒りは、ある種当然のモノだった。
ましてや、再会し喜びの絶頂にあると同時の命令は、彼女のトラウマを刺激したのだ。
【我が怒り、理解出来ないというのなら、この槍の錆にしてやろう。】
睨み殺さんと言わんばかりの冷たい視線と、冷ややかな怒号。
大切なモノを侮辱され、愛する存在をその手で害しろと言う命令を彼女は受け入れない。
たかがサーヴァント、令呪で命令すればいい。
そう慢心していたマスターに突きつけられた武器の切っ先は、その首筋に食い込む一歩手前だった。
そも、まず彼女を召喚したというのならば、その【物語】を読み漁り理解していなければならなかった事をケイネス・エルメロイ・アーチボルトは全くしていなかったのも原因だろう。
だがそれ以前に、彼には相手を理解しようという考えがなかったのが問題なのだが。
【知らなかった】では済まされない、そんな現実が当たり前のように突きつけられているのも、ある意味自業自得である。
――――失われた愛を取り戻さんと足掻く女の激情程、荒れ狂う嵐の海ように激しくも凄まじいモノもなかったというのに。
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守るべきモノは他に、されど愛するモノは其処に。
迷い惑う心は揺れる、それでも、求めずにはいられない。
軋む想いの天秤は、どちらに傾くべきなのか。
従者としての忠誠か、愛する妻への愛情か。
遠い昔の約束と、今の世で交わした契約を。
選べと言われた、その苦悩。
選べぬと嘆くは、罪なのか。
――――この魂の逝き付く先が、滅び以外にないというのに。
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<シーン:永遠の愚者>
だから、その声に思わずこう返した。
「…お前って、存外馬鹿なんだな。」
「雁夜?」
自分の事は先送りにして、こっちの問題を何だかんだと解決するようにしていたのだと、今更気づいた。
そんな顔で、本当はどうしたらいいのかと迷っているのなら、今度はこっちが背中を押す番だろう。
何度もその記憶を見て、思わされたことは多かったから、尚更に。
「お前だって好きなんだろ、今でも。
ならさ、言えばいいんじゃないのか?あの女の人は、お前に逢いたかったって泣いてたのに、お前が何も返事を返さないのは狡いと思う。」
「……」
「…俺もさ、人の事言えないよ。
葵さんの事を引き摺り続けて、時臣を妬んで恨んでたよ。
でもお前の夢を見てて、お前の過去を視て、思ったんだ―――――間桐家の魔術は別に、自分の言いたい事言わないで、ひたすらに逃げてたのは俺の責任だって。」
その過程とその結果を結び付けて、行動を否定するのは違うだろう。
自分の意思と相手の意思は全く別物で、同一のモノなんてありえない。
でも、彼と自分は、本当に似た者同士だから―――
「なぁ、ドラグーン。
お前は自分を【生きてない】って言うけど、俺にとってお前は今ここで生きてるんだよ。
だからさ、相手もお前も生きてるのなら、言うべき事があるんじゃないかな。」
―――――――俺は、お前にも、辛いだけの終わり方はしてほしくない。
そんな言葉を投げかけて、そうして、投げかけられた相手を見ると。
酷く、何とも言えないような顔をしていた。
返答は少しだけ間を開けて、ぽつりと。
「………雁夜、俺と彼女の【真実】を聞いてくれるか……?」
……とても、哀しそうな顔で、返された。
(貴方が覗けたのは
(それがどれだけ重要な真実を隠しているか、誰も気付けず気付かない。)
(叶う事無き、祈りの末路を教えましょう、その絶望を教えましょう。)
(全ては彼の滅びの贖いの為、この魂は――――)
「救いなんて、もうないよ。」
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愛している、愛しています。
貴方の命を奪いたい程に、その魂を手にしたい程に。
奪われた時の嘆きは忘れられず、裏切りを赦せず憎悪した。
失われた幸福を求めるが故に、その結末へ至ったというのなら。
――――――ああ私達は、いいえ私は、何て愚かだったのでしょう?
貴方が私を裏切るなど、そんな事ある筈がなかったのに。
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<シーン:絶望の
遠い記憶の欠片に罅を視る。
永遠を望んだ女の末路は、こんなにも悲しく憐れであった。
愛する者を殺めた意思を、悔いる時が訪れるのは早すぎて、けれど取り返し等つかなかったのだ。
(――――――全ての【真実】を知った時には、貴方は私のせいで、死んでしまっていました。)
血塗れの身体を憎い女から奪い取る。
冷たくなっていく、温もりが失われていくその身を抱き締めた。
やっと取り戻したその人は、もう、二度と眼を開けて等くれない。
「あ、ああ…■■■■…ッ!」
何度も触れたいと望み、取り戻した相手は声もなく。
この手に残された
(愛しい人、貴方が私との誓いを破った理由を、私はただ裏切られたと思ったのに。
ああ、何て愚かだったのか!何故気付けなかったのか!!そんな人ではないと知っていたというのに!)
掻き抱いた身体、触れた頬と眦に微かに残る滴に胸が引き裂かれそうになる。
自身の眼から同じ滴が溢れだし、止めどなく零れ落ちて彼の最期の微笑みを濡らしていく。
「ごめ、んなさい…!ずっと、泣きたかったのは…貴方の方だった、のに…!」
裏切りと報復の剣を手にした男は、呆然とこちらを眺めている。
この身が愚かと言うのなら、彼は何も知らなかった道化なのか、それともただの被害者か。
(優しい人、裏切られてばかりだった人、その心に傷を負い続けて苦しんでいた人。
そんな貴方が自分から裏切れる筈が無かった!ならば、それは【裏切らされた】という事に他ならない!)
唇を、赦されないと分かっていて、それでも重ねた。
広がるのは鉄に似た赤い血の味、彼の、イノチの欠片と名残。
「愛している…!愛しているの…!貴方だけを、私は、ああ■■■■―――!」
金切声をあげて狂ったような女の声がしたが、それを無視した。
困惑の声をあげる滑稽な愚者達の声もしたが、それも無視した。
無視出来ないのは、気付いてしまった、たった1人の【真実】のみ。
(分かってしまう、分かってしまった!血を介しての死の記憶をもって、貴方に一体何が起こったのかを今やっと知った!私の■■■■!貴方の嘆きを、貴方の絶望を!その心がどうやって引き裂かれ傷付けられ踏みにじられたのかを!貴方が―――)
未来が見えていたとしても、その時の心が見える訳ではない。
その結末を理解していたとしても、過程が分かったならば対処も出来ただろう。
今、ソレがこんなにも口惜しい、こんなにも悔しい、愛する人を疑わずにいられなかった己が愚かさが恨めしい!!!!
「ごめんな、さい…!ごめんな、さい…!私の、私の――――ッ!」
(―――――
再会したあの時、何故彼を、奪い返そうと動かなかったのか!!その後も機会はいくらでもあったのに……そうだ、諦めたのは私もだった!■■■■、貴方が最後に私に手を伸ばした時、私は既に復讐に囚われていたが故にその手を払ってしまった!!
どれだけ傷付けてしまっただろう、どれだけ苦しめてしまっただろう?【1つの館に夫が2人】?馬鹿な、そんな筈が無かったのに。
私の夫は、後にも先にも、1人しかいないのに。
衝動に駆られて、憎悪に駆られて叫んだ言葉に、貴方は泣いていたのに。
『どうか
―――――――――ああ、それなのに、貴方は最期まで私を愛してくれていたのね。
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潰えた夢の嘆きは響く。
届かぬ祈りはもはや彼方へ。
夢見たのはいつも一つだけ。
だから、その命を追いかけて逝く。
自身の手で下さなくても、その意思があったのは事実なのだ。
(どれだけの世界を彷徨っても構わない、貴方を必ず探し出す――――)
贖罪の時はそこから始まった。
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<シーン:最後の選択>
――――――聖杯を破壊する、それが、己の主の決断だった。
「……謝らないで、マスター、貴方はよくやったのよ。」
「だが、だが私は…!」
「聖杯の解体、そうね、出来るならそれが望ましかったでしょうね?けどもう手遅れよ。
5体ものサーヴァントを内包してしまった聖杯は、破裂寸前の風船みたいなモノ。
私とセイバー、そしてあの人が残っているとはいえ、聖杯は何時でも起動出来るわ……いいえ、起動じゃないわね、アレはもう自分の意思で生まれ堕ちる事が出来る寸前まで行き付いてしまってる。」
―――アインツベルン、始まりの御三家の1つが呼び出した、イレギュラーの英霊が混じった第三回目の聖杯戦争で全てが狂っていたのだ。
「馬鹿な…
「……気付くべきだったのよ、最初に。
そもそも、私やあの人を呼べた事こそが、過ちの証明だったという事に。
それはそうよね?悪であろうと、似非だろうと、【神】を内包した器ならば確かに同じ【神性】を持つ高位の存在を呼び出せるでしょうね―――――なら、中身の【神】がその力を自在に使い出せば、外に出ることぐらい簡単な事でしょう?」
「そ、そんな…!じゃあ人類は、世界はどうなるの!?」
「……抑止力が動くのが遅いのは、まだアレが生まれていないから。
最悪ね、
なら当然、このままなら人類も世界も滅ぼされるしかないわ、言ったでしょう?【手遅れ】とはそういう事よ。」
―――――主とその婚約者の顔が絶望に染まる、が、それをランサーのクラスで呼び出された乙女は笑った。
「馬鹿ね、だからあの人がセイバーを抑えてくれているのよ?そのマスターも、アレの危険性にまだ気付いていないのだから笑えないけど……私なら、あの聖杯を破壊できるわ。
「……………魔術師としては、どんな犠牲を出しても、根源に至るべきなのだろうが…」
「ふふ、そうね?でも貴方は選んだでしょう?【根源よりもソラウ】、ええそれがいいの。
あの人とバーサーカーのマスターと同じように、大事な者を見捨てられない【人間】。
そんな人だから、私は貴方を裏切らなかったし、ここまで見捨てなかったのよマスター。」
――――――――だから彼女は、最後に。
「幸せになりなさい、私があの人とこの戦争で再会出来たのが奇跡なら、その奇跡を起こした貴方に私は同じように奇跡を見せる義務と権利があるのよ。」
大きくそびえ立つ、黒い柱に向かってその槍の切っ先を向けながら。
「だから私は、あの大聖杯を破壊するの。
貴方達のこれからの未来を守る為に、その先への道を示す為に。
その結果、またあの人と別れて、もう一度その奇跡を待ち望むのも、辛くないと言えば嘘になるけど……悪くもないわ。」
その頬に、誇らしげな笑みを浮かべながら、毅然とした声で。
「何度だって探し出す、何度だって逢いに行く。
誰に否定されても、誰が嗤い飛ばそうとも構わないわ。
彼が私を愛するように、私も彼を愛している、これからも、ずっとずっと―――――」
その
「――――――――永遠に、愛し続けると、誓ったのだから。」
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物語はそこで終わる。
けれど続きは、どこかへ続いているのだろう。
遠いようで近いような、そんな時間の中を漂う2つの魂。
一度逢えたならば、きっと、また逢えるに違いないと信じて。
永遠の唄を繰り返し、永遠の物語は続いていく、終わりがたとえ破滅でも。
――――――――――その想いはきっと、間違いなんかではなかったと、謡い続ける。
THE IF Story END
【後書き】
短いですが、劇場版CMのような感じで書いてみました。
このような感じでよかったでしょうか?白金様のお好みであればいいのですが…(汗)
皆様の意見もお待ちしております!
尚この小説のお持ち帰りは、白金様のみとさせていただきますのであしからず。
それでは、次回の更新をお楽しみに…
今回のBGMは、【「満天」Kalafina】でした。
※感想・批評お待ちしております。