竜たちの日常のような非日常   作:無一文

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二話 伝説との遭遇

 私の一人きりの旅に仲間ができました。その人(竜)は大食いでがさつと言うかなんと言うかぶっ飛んでて男の人みたいなしゃべり方でこちらの地方では恐暴竜と呼ばれ恐れられているそうです。

・・・・なにかとんでもない人と出会ってしまった気がする。でも悪い人ではないし楽しいし正直嬉しい。

 そんな私達の新しい旅のスタートは気分は快晴、天気は

「・・・・・・ひどいですね。」

「・・・・・・ひどいな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪雨。時々雷。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 旅の初めから一歩も動けないというのは本当にどういうことなんだろうか。もし神様というのがいるなら私が嫌いなんだろうか?それともイビルさんを神様が嫌っているんだろうか?もしかしたら二人とも嫌われてるのかもしれない。よし、これで妥協しよう。くたばれ神様ちくしょうめ。

「アオ?お前一人で何悩んだり解決したような顔したり黒い笑顔浮かべたりしてんだ?」

「うぇ!?か、顔に出てた!?」

 あまりに雨が憎たらしすぎて神様に八つ当たりしてたら顔に出てしまったらしい。くそう失敗した。

「よくわからんけどガッツリ出てた。てか敬語とれたな・・・・」

「素がさっきの方ですから。」

「そうなのか・・・・で、なに考えてたんだ?」

「いえちょっと神様くたばれと。」

「あー、確かにこの雨じゃなぁ。しかし神様なんざいるのか?」

「【ミラ】の名を持つ者たちとかじゃないですか?」

「さぁなー。しかし止まないな雨・・・・」

「ですね・・・・」

 やむどころかさらにひどくなっている気がする。目の前の地面はもはや小さな川に変わって、遠目に見える小川は濁流へと変貌している。

 神様、地に落ちて私達と同じ雨を味わってください。私はそれを本気で望みます。

 そんなことを思いつつかなり長い間私達は雨宿りを続け、雨が上がったのはもう日が真上にある頃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私達は青空の下を意気揚々と歩いていた。

「とりあえずあがってよかったな。」

「ですね。」

 まだ足元は浅い川のようになっているが空の方は先程まであれほどの豪雨が降っていたとは思えないほどの快晴になった。確かこんな雲ひとつない青空のことを人間は『日本晴れ』と言っていたような気がする。

「いやー、本当に気持ちいいくらい晴れたな!さっきまでの雨はなんだったんだ?」

「滝のような大雨でしたもんねー。本当、晴れて良かったです。神様ありがとう。」

「くたばれとか言ってた奴に感謝されても嬉しくないだろうな。」

「気持ちの問題ですよ。」

「そーかい。」

「そうです。」

 なんて何気ない会話を繰り返しつつ水没した地面を踏みしめながら歩いて行くと、少し狭い道にさしかかった。

・・・・訂正しよう。道『だった』ものにさしかかった。

 恐らく先程の豪雨で土砂崩れが起きたのだろう。道が土砂や岩に塞がれて進もうにも進めない状態になっている。やっぱり神様なんて嫌いだ。感謝した私がバカだったよ。

「神のバカヤロー!!!」

「えぇ!?どうしたアオ!?」

「八つ当たり!感謝なんかするんじゃなかったチクショウ!!」 ・・・・イ

「まぁ落ち着けよ・・・・他の道あるだろうしさ。」 タ・・・テ・・・

「はぁ・・・・・・ですね・・・・他探しましょう。」 タス・・テ ソコノ・・・・ト

「ん?なんか聞こえねーか?」 タス・・・・テ

「え?あ、本当だ。『助けて』って言って・・・・る!?」 タスケテ・・・・

 謎の声が何処から聞こえてくるのかと周りを見渡していた私の視界に飛び込んで来たのは大きな岩に埋まった黒い鱗を纏った竜の手。

 ここで生まれる選択肢は3つ。

1、気がつかなかったフリをしてスルーする。

2、助ける。

3、トドメをさす。

「イビルさん。3つの選択肢があります。どれにしますか?」

「3はないとしようか。とりあえず・・・助けるでいこうぜ。」

「わかりました。でもどうやって?」

「ブレスでドガンと。」

「わかりました。」

 私達は原型に戻ると同時にブレスの準備を始めた。そして一気に膨大なエネルギーを放った。

ズガアアアアァァァァァン!!!!!(岩を埋まってる竜ごと破壊した音)

「ぎぃやああああああああああ!!!!」(埋まってた竜の悲鳴)

 岩を吹き飛ばしたあと私達はまた人型に戻った。

 よかったあの竜もなんとか無事(?)なようだ。本当私って優しい。困ってる人は見過ごせない親切な子なんだな。

「大丈夫ですかー?」

 私の問いにその竜も私達と同じく人型になり答えた。

「岩に埋まってたときまではね!!もう少し丁寧にやって!?本当に死ぬわ!!一瞬走馬灯が見えたよ!!」

「大丈夫そうだな。」

「え、ちょ、アタシの話聞いてる?ねぇ?走馬灯見えたよ?死ぬかと思ったよ!?」

 黒いセミロング位の長さの髪を何かの爆発でぼさぼさにしながら私達に必死に岩の下にいた恐怖を訴えてきているということにしよう。私達悪くない。だって助けたもの。

 肝心のその人(竜)は隅の方で膝を抱えて地面になにかを書いていた。どうしたんだろうか?とりあえずどんな竜なのか聞いてみよう。

「あのー、あなたのお名前は?」

「うぅ・・・・・・はい?」グスン

 あ、泣いてた。なんかごめんなさい。私達も少し悪かったです。

「えっと、お名前を教えてください。」

「ふふふ、よくぞ聞いてくれました!!」

((立ち直り早っ!!))

「アタシの名はミラボレアス!【黒龍】ミラボレアスです!!」

「え?こ、黒龍!?」

「マジか?」

「マジのマジ。大マジ。」

 ありえない。まさかこんなところで黒龍と・・・・ミラの名をもつ者と出会うなんて思えなかった。しかしもしこの人が黒龍なら何故岩野下敷きになんかなったのだろう。

「でもなんで黒龍が岩に潰されてたんだよ。」

 あ、イビルさんが聞いてくれた。ありがとうイビルさん。

「それはその・・・・いきなり雨にやられて休憩しようと降りた瞬間土砂崩れに巻き込まれてなす統べなく・・・・」

「ぐしゃっと潰れたと。」

「はい・・・・」

 あぁ、なんか【伝説の黒龍】とか呼ばれて一部では神のように崇められてるのになんかこの人残念だ。面白そうな人だけど。

 なんて考えているとミラボレアスさんが突然口を開いた。

「そうだ!手段はともかく助けてくれたお礼に家に招待します!時間あります?」

「え、まぁ一応・・・・」

「じゃあ行きましょう!アタシの兄弟にも紹介したいし!」

「つっても家って何処だ?」

「遠いけどアタシの鱗を持っていれば1秒でいけるから平気!ここにもルーツが帰してくれるから心配はないよ!」

「なんで鱗?」

「許可書みたいなものだよ。さぁ、シュレイド城へご招待!」




次回、突入!シュレイド編
ミラの名を持つ者が全員でてきます。

伝説のイメージはクラッシュします。
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