ではどうぞ~
えー、現実逃避を兼ねて私達の今の状況を整理してみたいと思います。
現在、私達は見知らぬ倉庫の中で恐らくこの倉庫と倉庫内の物の所有者であろう人に見つかったところです。しかもいくつか物壊れてるしね。
て言うか今の整理の仕方じゃ私達泥棒みたいじゃないか。私達は断じて泥棒なんかじゃない。メラルーとは違うのだメラルーとは。
こうなったのは【祖龍】ミラルーツさんのせいだ。『伝説の中の伝説』と称されているのは『伝説級に嫌がらせが上手い』ということからだと私の中の会議で可決した。
「あんたら泥棒?鍵も穴も開けずにどうやって入ったんだぃ?」
「泥棒じゃないです!どうやって入ったかはえっと・・・・」
「オレらはミラルーツってやつにここに飛ばされたんだが。」
イビルさんそれ確かに事実だけど絶対通じないよ!多分『なにいってんだコイツ?』みたいになるよ!だってここ人間の街だもの!
「ミラルーツ?あぁ祖龍か!あんたらあいつの知り合いなのかい?」
ウソ!?通じた!?と言うことはもしかしてこの人も竜だろうか?
「あのー、もしかしてあなたも竜なんですか?」
「そうだよ。【霞龍】オオナズチって言えばまぁまぁ有名じゃあないかなぁ?目撃例は少ないって言われるけどねぇ。」
そう言いながらケラケラとオオナズチさんは笑った。
【霞龍】オオナズチと言えば古龍種の中でも一際特殊な生態を持つ種だと聞いたことがある。
聞いた話では姿を透明にしたり、体を疲労状態にするブレスをはいたり、ハンターが重宝する道具をピンポイントで奪ったりする非常にトリッキーな竜らしい。
これも噂だが、オオナズチ討伐の依頼を受け、秘薬や回復薬グレート、調合書などを奪われた挙げ句オオナズチをギルドに指定された時間内に一度も見つけられなかった哀れなハンターもいるらしい。この噂のハンターは正直同情できるランクである。
「ん?あなたもってことはあんたらも竜かい?」
「あ、はい。私は【獰竜】アビオルグです。」
「で、オレは【恐暴竜】イビルジョー。」
「おー、怖いのが来たもんだねぇ。さて、話は変わるけどその壊れた商品は弁償してくれるのかな?結構高いよ?」
商品と言うことは売り物だったのかここの物は・・・・ミラルーツさん。いつか必ず殴り飛ばしにいきます。
しかし私達はミラボレアスさんから合計60万zも譲り受けたしよほどのものを壊してない限り足りるだろう。
「あーあ、金のたまごが30個もわれちゃたかぁ・・・・ロックラックから仕入れたインテリアも壊れちゃってるなぁ。調合書も回復薬がかかちゃってて使い物にならないねこりゃ・・・・」
私は物にあまり詳しくないので良く価値とかがわからなかったのだが、イビルさんが小声で私に話しかけてきた。
「アオ、オレの知ってるやつは金のたまごってやつだけだがあれ確か1つ2万zだぞ・・・・」
ん?良くわからない言葉聞こえましたが?1つ2万とか嘘だ。しかもそれ30個お亡くなりになったって言ってたよねナズチさん。これまずくない?
混乱中の私の頭にナズチさんから死刑宣告が告げられた。
「軽く見積もっても7~80万は飛ぶけど、お二人さんお金足りるかい?」
うわぁ20万くらい足りないじゃないかチクショウ。
「・・・・足りないです。」
「あーらら。んじゃ足りない分はうちの店で働いて返してくださいな。」
「うぅ・・・・わかりました・・・・」
ミラルーツさん。いつか本気でブレスを浴びせに行きます。楽しみに待っていてください。
えーっと、そんな訳で今日から強制労働がスタートしたアビオルグです。正直もう泣きたいです。元凶のミラルーツさんはもう遥か遠くの空の下だし言い訳しても商品は帰ってこないし私達は強制労働から逃げられませんでした。ウフフ、呪術ってどうやるんだろう?元凶を呪いたい。
ナズチさんのお店は街の中心から少し離れた知ってる人は知ってるいわゆる『なんでも屋』というやつらしい。確かにここに並んでいる商品はハンターの使っている回復薬や秘薬などもあれば、日常的に仕様するであろう棚やインテリア、食料品まで幅広く置いてある。
「あのー、ナズチさん。ここってどんな人が買い物に来るんですか?」
「ハンターも普通の人も来るし、たまーにだけど竜も来るよ。あ、あとアイルーとかも。」
「ほぼこの世界中の生命が来てるじゃないですか!?」
「スゲーなおい・・・・・・物はどっから仕入れてるんだ?」
「日用品とかは普通に作ってるところから仕入れてるなぁ。秘薬とかはハンターから盗ってる。」
「それでその秘薬とかを買うのは・・・・・・?」
「フフフ、もちろんハンターの皆さん。」
「なんという負のサイクル・・・・・・」
「気にしたら負けだよアオちゃん。」
うん。ここに物を買いにくるハンターさんがいたら黙祷を捧げると今決めた。もしかしたらもともと自分の物だったのにお金を払って買っていくハンターもいるかもしれない。かわいそうに・・・・・・同情します。
「さてと、それじゃあまず今日届く商品を受け取りに行くからついてきて。」
「はいよー。」
「わかりましたー・・・・ん?なんかポケットに入ってる?」
たまたまポケットに手が触れたときに何か入っている気がしたのでポケットを漁ってみると一枚の小さな紙切れが入っていた。
「なんだろうこれ?あ、何か書いてある。えーと・・・・」
『獰竜へ
俺があんたらを飛ばしたとこは多分倉庫のなかだろうと思う。その中にはわりと高価な物が多いからなんとか壊さないように頑張ってくれ。
壊すと物によってはえらい損害になるからそうならないことを祈ってるぞ。
祖龍より』
「飛ばす前に言ええええええええ!!!もう遅いわチクショウめコラァァ!!!」
最後まで読み切った瞬間に私は怒りと共に腐れ祖龍の手紙をビリビリにして破り捨てた。
ふとイビルさんたちの方を見ると奇妙なものを見るような目でイビルさんたちが私を見ていた。
「ど、どうしたアオ・・・・・・?」
「毒キノコでも食べたのかい・・・・・・?」
「な、なんでもないです!!さ、さあもう行きましょう行きましょう!」
私は半ば強引にあの空気を振り払い、商品を取りに行くために二人と一緒に街の方へ歩いていった。
ついでに、私はミラルーツさんをいつか必ず思いっきり殴り飛ばすと心に誓った。
今年受験生なのですが12月になったのに全然勉強できてませんw
今から雪かきの準備をしようと思います。外、結構寒いなぁ・・・・