ゲームでは隠者のコミュ活動をすると一日使いますけどそこはツッコミなしでお願いします
というかさすがに一歩も部屋から出ないなんて事はないんじゃないかな…
あぁ~肩がこった。せっかくの休日なのにネットゲームで一日の大半を使ってしまったみたいだ。「夕飯くらい食べようかな」一人呟きながら寮の階段を降りる。さすがに朝から飲まず食わずはこたえるな、今日のタルタロスは無しかな…
一階に降りてみるとそこでは順平、岳羽、桐条先輩の三人がくつろいでいた。
「ん、部屋にいたのか。朝から何やってたんだ?」
順平が尋ねてきたので答える。
「ネットゲーム」
「ま、マジか。お前以外とゲーマーだな…」
「え、一日中ゲームしてたの?へぇーなんか意外。順平ならイメージ通りだけど。」
順平と岳羽も驚いた様子だ。
「息抜きは必要だが、学生の本分は勉強だ。特に我々には普通の生活の他にシャドウとの戦いも有るんだ、学業を疎かにしてもらっては困るぞ。」
桐条先輩からもたしなめられた。
「まあ、まだ中間までは二週間もあるんですよ。そんなに厳しくしなくてもいいじゃないですか~。」
順平の言葉。
「伊織、君の方こそ勉強に抜かりは無いだろうな。シャドウとの戦いは成績の言い訳にはならないぞ。」
「えぇー、勘弁して下さいよ~」
順平の言葉にも桐条先輩は表情を崩さない。
「もしも赤点など取ろうものなら…その時は“処刑“だな」
薄笑いを浮かべながら言う桐条先輩。こ、怖い…
けど、今は腹がへってるんだった。お構い無しに全く関係ない話題を持ち出す。
「何か食べ物はありますか? 」
桐条先輩が答えてくれた。
「ああ、今朝がた宗家の者が食料を運び入れていたからな。冷蔵庫に何かあるはずだ。」
「けどホント、あんな立派なキッチンが使われてないなんてもったいないですよね。ここ、昔は寮母さんがいたんですよね、いなくなってから他に料理する人はいなかったんですか?」
岳羽が桐条先輩に聞いている。
「うむ、そういえば荒垣がよく料理を…いや、何でもない。それより結城、何か食事は見つかったか?」
冷蔵庫の中には巨大などんぶりに入った肉丼があった。
こ、これは…
全てを受け入れる“寛容さ“、
正しくペース配分する“知識“、
肉の群れに突っ込む“勇気“、
食べ続ける“根気“、
それら全てが必要そうだ…。
「桐条先輩、こ、これは…」
「ああ、それか。駅前にはがくれというラーメン屋があるんだが、そこのマスターの親戚の店で開発した新商品だそうだ。」
「ラーメン屋の親父さんは普通マスターとは呼ばないんじゃ…というか何でそんなものがここにあるんですか?」
岳羽の質問に先輩が答える。
「駅前一帯の土地の所有者は桐条家だから、その関係でな。」
「す、すげぇ。さすが桐条パワー…てか理、お前そんなデカい肉丼食えんのか?」
順平が何か言った気がするが、今の俺には聞こえていない。
チャレンジあるのみ!
…たが、食べても食べても、ご飯が見えてこない…肉・肉・油・肉・油…そして肉…
…。今の自分にはとても無理だった。心なしか意識が朦朧としてきた気がする。
「ちょ、ちょっと結城君大丈夫?た、大変順平!水か何か飲ませないと!」
「お、おい理しっかりしろ!いま水持ってくる!」
「私としたことが迂闊だったな、まさかこんな危険な代物だったとは…」
みんなの声が遥か遠くに聞こえる。あぁ、連休初日から何でこんなことに…